外壁塗装に使うセラミック塗料って何?訪問販売がよく使う売り文句
セラミック塗料は耐久性が高くていい塗料?
近年、訪問販売が「セラミック塗料」なるものを、耐久性が高い塗料として高額で売りつけている事例があります。
元々セラミックとは、歯の詰め物や陶器等といったものに使用される、一度熱処理によって特性(耐久性等の性能のこと)が出た成分のことを指します。
たしかに、セラミック自体は熱を加えると耐久性に優れる成分です。
しかし塗料の場合、実際に陶器や歯で使っているセラミックとは違い、耐久性がそれほど高いわけでありません。
また、耐久性が高いからといって、耐用年数が長いというわけでもないです。
今回は、セラミック成分の入った塗料についてご説明したいと思います。
セラミック塗料はセラミック100%塗料ではない
先ほども述べたとおり、セラミックは陶器や歯等に使用されているため、かなり耐久性が高い成分です。
そのセラミックの特性をそのまま外壁塗装にも使用すれば、耐久性がさらに上がるという理由で「セラミック塗料」と名をつけて訪問販売が売っています。
しかし、セラミック塗料は陶器とは違ってセラミック100%の塗料、というわけではないため、セラミックの陶器ほど耐久性がある、というわけではありません。
まず、塗料はいくつかの材料を混ぜ合わせており、その中の「樹脂」という主成分によって塗料の性能が左右されます。
セラミックは「樹脂」ではないため、「性能のベースとなる樹脂(フッ素やシリコン等)」+「セラミック」という塗料の構成が一般的です。
つまり訪問販売が言っているセラミック塗料は、セラミックの本来の性能を全部が発揮されるわけではないことを理解していただければと思います。
セラミック塗料が注目を浴びるきっかけはGAINA(ガイナ)
今、訪問販売業者がセラミック塗料を高く売り込んでいる理由として、日進産業が開発した「GAINA(ガイナ)」というセラミック塗料が現在最も注目を浴びているためです。
注目を浴びている理由として、JAXAがロケットを打ち上げる際に、熱から人口衛星を守るために断熱塗料を開発し、それを一般的に使えるようにしたものが「GAINA(ガイナ)」です。
そのガイナが注目されているために、セラミック塗料は耐久性が一番優れているから耐用年数が長い!というのが訪問販売の言い分です。
たしかに、ガイナは大変優れた塗料ですが、あくまでベースはアクリルシリコン樹脂等で、プラスで特殊なセラミックを使用しているため、他よりも高性能な塗料になっています。
ですので、訪問販売が売り文句にしている「セラミック塗料は長寿命なので、何十年も持ちます!」は、塗料によって全く違いますのでご注意ください。
また、塗料に少しセラミックが入っていただけでもセラミック塗料と言えてしまいますので、業者から提案された塗料にセラミックが含まれている場合は、必ずメーカーか業者に詳しく聞くようにしてください。
外壁塗装パートナーズでも、セラミック塗料についてご相談承っていますので、お気軽にどうぞ。
セラミックが入っている塗料
ここでは、セラミックが含まれていて、なおかつよく使用されている塗料についてご紹介いたします。
メーカー | 塗料名 |
---|---|
日進産業 | GAINA(ガイナ) |
日本ペイント | Duflonファイン4Fセラミック |
エスケー化研 | 水性セラミシリコン |
エスケー化研 | クリーンマイルドフッソ |
日本ペイント | 水性シリコンセラUV |
よく使われているのは以上の塗料になります。
やはり性能のベースとなる樹脂成分がシリコンかフッ素なので、塗料の性能が高いものばかりです。
まとめ
- セラミック塗料はセラミック100%じゃない
- ガイナは特殊なセラミックを使用している
- きちんと自分の家の状況にあった塗料を選んでもらう
近年は、セラミック塗料を売り文句としている業者が多いですが、セラミック塗料などありません。
必ずシリコンやフッ素等といった樹脂(塗料の主成分)と混ざっている塗料です。
他の塗料よりも耐用年数がある塗料だという気持ちいい文句に惑わされず、必ずご自分の目で成分や業者の説明を聞いて確認するようにしてください。
また、どんなにいい塗料だとしても、扱う側が施工方法を知っていなければ塗料の性能を最大限生かすことはできませんので、塗装業者もきちんと選ぶようにしてください。