外壁塗装の保証だけで塗装業者を判断しない!「10年保証」のホントのところ
この記事でわかること
- 外壁塗装で注意すべき営業文句
- 外壁塗装の保証3種類
- 外壁塗装の保証に関するトラブル事例
この記事では外壁塗装の保証について注意しておくべき、落とし穴について解説します。
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外壁塗装に10年保証をつける塗装業者に注意
外壁塗装を検討する際に、塗装業者から必ず保証の話があります。
特に、訪問販売がお客様の気を引くのに使う手法では、
「うちはもしものことがあった場合、工事保証として10年保証を付けているのでこの金額なんですよ」
と言って、保証がついてるから安心という風に営業する業者がいます。
結論から申し上げますと、10年保証がついているからといってその塗装業者を決めるのはおすすめしません。
なぜなら、保証対象となる範囲が狭いため、万が一施工不良が発覚したとしても、保証を使えるケースが限られているからです。そのため、無駄な費用を払う羽目にもなってしまいます。
外壁塗装には3種類の保証がある
外壁塗装に関わる保証は大きく分けても、以下3種類あります。
保証の種類 | 詳細 | |
---|---|---|
塗装業者の保証 (工事保証) |
塗装業者が独自に出す「工事保証(施工保証)」なるもの。 主に8~10年の保証を設ける業者がいる。 もしくは、屋根塗装に3年、外壁塗装に5年などと箇所によって別々の保証を出す業者もいる。 |
|
第三者機関保証 | 万が一塗装業者が倒産した場合、塗装業者が加入している第三者機関に保証してもらえるものです。 | |
メーカー保証 (製品保証) |
製品保証と呼ばれる、メーカーが出す塗料の品質をを保証してくれるもの。 ただし、塗装工事の保証はメーカー保証に含まれない。 |
以下より、一つずつご説明いたします。
外壁塗装の保証その1.
塗装業者の保証
塗装業者の保証は、塗装業者が独自に出す工事保証です。
業者側に施工ミスなどが認められた時に、再度塗装し直してくれる保証のことです。
ほとんど無償でついてくる場合が多いです。
保証されるのは、塗装した範囲のみ
基本的には、塗装箇所の剥がれ、ハゲ、膨れなどです。
あくまでも施工ミスが要因と考えられる場合のみですので、自分や他人が事故で家を傷つけたり、自然災害による損傷は保証してくれません。
保証対象外は、凍害や自然災害による外壁の損傷
色が褪せてきたり艶がなくなってきたり、などの外観の場合は、保証されないことが多いです。
その他、凍害などの内側からの要因も対象外です。
凍害とは、外壁の内部に結露ができて凍ってしまい、外壁材を内側から押し上げて塗装が剥がれてしまうことを指します。
また、自然災害(台風や地震、洪水など)はどの塗装業者も保証対象外としています。
なかには親切な塗装業者さんが少しならば直してくれるかもしれませんが、自然災害による損傷は再度塗装を頼まなければなりません。
また、塗装した箇所の剥がれが旧下地によるものとなると、保証対象になるケースは多くないです。
なぜなら前の塗装工事によるものであり、保証対象とはならない、と塗装業者によっては判断する場合があります。
1. 保証対象となる範囲をよく確認する
塗装業者による工事保証(施工保証)は、塗装工事した範囲のみです。
塗装業者によっては外壁だけを保証しているところもありますし、その場合は雨樋や木部の箇所に万が一施工ミスが起こった場合、保証してくれません。
保証でチェックすべきところは、以下の点です。
- 保証の範囲(外壁、屋根、木部、鉄部など)
- どのような状態になれば保証してくれるか(塗膜の剥がれ、膨れ、変色など)
- 保証期間(1年、3年、5年、10年、15年)
2. 保証の長さよりも工事をきちんとやってくれる業者を選ぶ
また、保証はただ長ければ良いのでしょうか。
もちろん、保証が手厚いと万が一のことも考えて安心できます。
ただ、繰り返しになりますが、施工不良と認められた場合のみ保証が効きます。
1年ならまだしも、5年、10年と経った後の屋根や外壁の損傷を施工不良と判断することは難しくなります。
ですので、保証の長さで塗装業者の良し悪しを判断するよりも、「この塗装業者さんは、きちんした塗装工事をしてくれるのかどうか?」という点を見ることが重要になります。
つまり、提案内容や対応の良い、実績や信頼感がある塗装業者さんを選ぶことがまず先決になります。
外壁塗装の保証その2.
第三者機関保証
塗装業者の保証は先ほど説明した通り、工事会社がサービスで行っているものです。
そのため工事会社が倒産すれば、勿論その保証を受けることはできません。
そういった不安があることから会社が加入している組合等で、塗装業者が相互補助で保証を行っていたり、工事業者が保険に加入していたりすることもあります。
それが第三者機関保証です。
以下、代表的な第三者機関保証です。
区分 | 団体名 | 保証名 | URL |
---|---|---|---|
組合保証 | 建築産業専門団体連合 | 長期性能保証制度 | URL |
日本塗装工業会 | ペインテナンス | URL | |
マスチック事業協同連合会 | 長期性能保証 | URL | |
保険 | 株式会社日本住宅保証検査機構 | JIOリフォームかし保険 | URL |
株式会社住宅あんしん保証 | あんしんリフォーム工事瑕疵保険 | URL | |
住宅保証機構株式会社 | まもりやすいリフォーム保険 | URL | |
株式会社ハウスジーメン | リフォームかし保険 | URL |
第三者機関保証の一番のメリットは、仮に会社が倒産しても、他の会社で再工事をしてもらえたり、直接保険会社に補償を請求できることです。
外壁塗装の場合、地元密着型の規模が決して大きいといはいえない会社が多いため、こういった保証があるのはありがたいですね。
塗装業者を選ぶときは、こういった第三者機関保証に入っているかも確認したほうがいいです。
外壁塗装の保証その3.
メーカー保証
繰り返しますが、塗料はしっかりと工事がなされることによって初めて効果が発揮されます。
ですので、塗料メーカーは基本的に工事の保証をしてくれません。
どこの誰が、自分たちの塗料を塗っているかわからないからです。
それでも一部のメーカーが、メーカー保証を出しています。
有名なのはアステックペイントです。
アステックペイントは他のメーカーと異なり、塗料店を挟まずに施工店に直に卸す体制を取っています。
つまり、どの現場でどれだけの塗料が使用されたか、メーカーも把握できる体制になっているということです。
更に施工に関してもメーカーの技術講習会を受講し、
技術認定証書を取得した施工技術者のみが施行を許されています。
メーカーが工事まで管理できる体制が整っていることによって、アステックペイントはメーカー保証を出しているというわけです。
こんな保証を出す会社は要注意!外壁塗装トラブル事例
1. 付帯部の保証が長い
「うちは付帯部(木部、鉄部)も10年保証です」と言うような営業マンならば疑ってかかりましょう。
なぜなら、付帯部(木部や鉄部)は外壁に比べて劣化が早いからです。
ですので、通常付帯部は1~3年程度の保証が多いです。
わかりやすい所だと、家の付帯部はほとんど木が使われており、木は呼吸をしているため反りが起こりやすいです。
反りが起きると、塗膜は一緒に反らないため、剥がれやクラック(ヒビ)が入ります。
そういったリスクを鑑みずに10年保証というならば、本当にその会社が10年以上経営していて、今までその保証規定通り補修をしてきたか疑わしいです。
住宅や塗装に関して知識がある方ならば、その保証がどれだけリスキーかわかります。
がん患者に死亡保険の加入を許しているようなものです。
2. 塗料の耐用年数以上の保証期間
「うちのオリジナル塗料は優れているので25年保証です」と言われたとします。
しかしよくよく話を聞くと、その塗料がウレタン塗料だったりします。
ウレタン塗料で、25年の耐用年数を誇る商品はこの世に存在しません。
以上の表を見ていただくとわかりますが、ウレタン塗料は8~10年くらいの耐用年数です。
ちょっと塗料の話になりますが、塗料には耐久性にグレードがありまして、その中でもウレタン塗料は8~12年の耐久性を持つ塗料です。
この時点で、25年保証がおかしいことがわかりますよね。
口だけの保証の可能性が高いので、その業者を選ぶことはオススメしません。
3. 保証書の発行をお願いしてもしてくれない
自社保証は法律で定められているものではなく、その会社がお客様に選んでもらうために行っている言わばサービスです。
ですので、必ず保証書を発行する義務はありません。
しかし口で保証範囲を説明しておいて、いざ保証書の発行をお願いしても対応してくれない場合は責任逃れされるかもしれませんので、保証を第一に考えるならばその業者を選ぶのはやめましょう。
4.施工不良の箇所が保証対象じゃなかった
施工不良になっているのが発覚し業者に問い合わせたら、
「その部分は保証対象ではないのでやり直しは有料になります」と言われたパターンです。
これは外壁のひび割れて良く起こるケースです。実は、外壁のひび割れは保証対象外になっている場合がよくあります。
しかし、業者が保証の説明の際に説明せずユーザーと業者との間に解釈の違いが起きてしまっています。
保証の話が出た際にはどの工事や症状が保証の対象なのか質問し明確にしておきましょう。
保証以外に安心できる「アフターフォロー」
ここまでで、工事保証(施工保証)・第三者機関保証・メーカー保証(製品保証)の3つがついている塗装業者に依頼するのが安心できるとご理解いただけたと思います。
それに加えて塗装業者が行っている「アフターフォロー」サービスがあると更に安心ができます。
アフターフォローとは主に定期点検なんですが、期間は1年や3.5年刻みとばらつきがあります。
塗装工事後にどこか施工ミスや不具合がないかを点検すしてくれるサービスですが、心配な方は一度確認してみるといいでしょう。
まとめ
塗装の保証は少し複雑なことがお分かりいただけましたでしょうか。
保証は、一つの安心材料になることは確かです。
いま塗装を検討されている方は、是非いま見積もりを取っている会社に保証について確認してみましょう。
しかし保証が全てではありません。
しっかりと工事をしてもらい、保証なんて使う必要がなかったというのが一番です。
外壁塗装パートナーズでは、あなたの地域の優良塗装店を紹介できますので、まずは一度是非ご相談ください。