外壁塗装のケレンってなにをするの?
外壁塗装のケレンは汚れを取り除くこと
外壁塗装の見積書を見ると、「ケレン」という項目があります。
ケレンは英語のclean(〔不要なものを〕取り除く、削除する、駆除する)が訛って「ケレーン」→「ケレン」となったものです。
元の意味は英語と同じで、不要なもの=塗装の邪魔になる汚れなどを取り除く作業のことを言います。
外壁素材の劣化が小さい場合はケレン処理を行わないこともあります。
また、素地調整、表面処理、下地調整、下地補修、下地処理などと記載されている場合も、ケレンと同じ作業を行います。
ケレンは下地処理の1種です。
その他の下地処理については、こちらの記事をご覧ください。
外壁塗装の工程一覧はこちら。
ケレンの種類
ケレンは素材の劣化の酷さによって内容が変わります。
1種~4種までがあり、数字が大きいほど劣化も少なく作業は軽くなります。
住宅でよく行われるのは3種と4種です。
1種~2種ケレンは主に金属に対して行われますが、住宅で1種~2種ケレンが必要なほど外壁素材が劣化している場合は、金属素材ごと交換してしまうことがほとんどです。
劣化度 | 種類 | 作業内容 | 使用する道具 |
---|---|---|---|
★★★★★ | 1種ケレン | 錆びや旧塗膜を すべて完全に除去する |
・研磨剤吹付け(ブラスト法) ・剥離剤 |
★★★★ | 2種ケレン | ・電動ヤスリ(ディスクサンダー) ・金ブラシ(ワイヤブラシ) |
|
★★★ | 3種ケレン | 錆びや膨れなど 劣化部分だけを除去する |
・電動ヤスリ(ディスクサンダー) ・金ブラシ(ワイヤブラシ) ・ヘラ(スクレーパー) |
★★ | 4種ケレン | 粉化物・汚れを除去する | ・金ブラシ(ワイヤブラシ) ・紙やすり |
★ | ケレン不要 | 素材の劣化がない場合はケレン不要 |
ケレンは金属・木材・窯業 系サイディングなどで実施される
ケレンの役割はcleanの言葉の通り不要なものを取り除くことです。
ケレンでは金属の錆びや木材のささくれ、サイディングのしつこい汚れを取り除きます。
これらをしっかりと取り除かないと塗装の剥がれの原因になり、塗装の耐久性が下がってしまいます。
金属材や樹脂(プラスチック)材で行われる「目荒らし」
金属やプラスチックなど表面がツルツルしている箇所は、そのまま塗装すると塗料がすぐに剥がれてきてしまいます。
そのため、金属やプラスチックなどに初めて塗装をするときは、金ブラシや紙やすりで表面に傷を付けて塗料が密着しやすくします。
この作業を「目荒らし(目粗し)」や「足付け」といいます。
目荒らしは作業内容が4種ケレンと同じですので、ケレンと表現することがあります。
しかし目荒らしの本来の目的は塗料の密着性を高めることで不要なものを取り除くことではないため、厳密には少し違います。
金属サイディングは目荒らしはとても大変
日本でサイディングといえば窯業系と呼ばれるセメントでできているサイディングが一般的ですが、最近は機能性の高さから金属性のサイディングが増えてきています。
耐久性が高いと言われる金属サイディングにも塗装は必要で新築後10年ほどで初めての塗装を行います。
表面がツルツルした金属サイディングは、素材の劣化がなくても壁全面の目荒らしが必要になります。
そのため初めての塗装は2回目以降と比べて少し見積金額が高くなってしまう傾向があります。
まとめ
ケレンは塗料が本来の耐久性を発揮するために非常に重要な工程です。
ただ、ケレンをどれだけ丁寧に行ったかどうかは、塗装直後には全くわかりません。
外壁塗装を行ってから数年経った頃に塗装の剥がれが起きて初めて分かります。
重要な工程だからといって塗装中にずっと張り付いて監視しているわけにも行きませんので、きちんと塗装をしてくれる塗装店を見つけることが重要です。
塗装店をお探しの場合は、外壁塗装パートナーズに聞いてみてください。
またケレンの不備以外にも外壁が剥がれてしまうことはあります。
塗装の剥がれについてもっと知りたい方はこちらの記事もご確認下さい。