外壁塗装はシリコン塗料とフッ素塗料どっちがいい?価格比較も
現在外壁塗装に使われる塗料の主力はシリコン樹脂塗料です。
その昔はアクリル、そしてウレタン塗料になり、今はシリコン塗料がメジャーと言われている時代です。
そしてシリコンの次に、いま主力の座を狙っているのがフッ素樹脂塗料です。
このページは、シリコン塗料とフッ素塗料の両方の提案を受けてどちらにするべきなのか迷っている方を対象にしています。
「シリコン塗料よりフッ素塗料の方が確かにものは良さそうだけど、高くなるし、シリコン塗料にもラジカル制御というものもあるようだし、どうしたら良いのだろう…」
と迷路に迷いこんでしまっている方向けの記事です。
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大前提はちゃんと塗ってもらう事が大事
大前提として、しっかりとメーカーの規定を守った希釈率で、正しい塗布量を守り、正しい乾燥時間を置いて、正しく塗装をしてもらう事の方が塗料のグレードよりも圧倒的に大事です。
確かに、アクリルよりもウレタン、ウレタンよりもシリコンと耐久性が上がりますが、いまや完全にシリコン塗料にその主力の座を奪われたウレタン塗料ですら、正しくしっかりと塗装をしてもらえれば10年を超える耐久性を保っているお宅も実際にあります。
塗料選びよりも塗装店選びの優先度の方が圧倒的に高い事を絶対に忘れないで頂きたいと思います。
塗装業者の選び方は、以下の記事をご覧ください。
1年あたり想定価格で各塗料を比較
では改めて、シリコン塗料とラジカル制御のシリコン塗料、そしてフッ素塗料どれにするべきかについてです。
この結論は、塗料の耐久性と価格のバランスを見なければ決まりません。
各塗料の期待耐用年数を表記しているエスケー化研の塗料で比べてみたいと思います。
種類 | 塗料名 | 想定価格 (仮定) |
期待耐用年数 (メーカー発表) |
平均期待 耐用年数 |
1年あたり 価格 |
---|---|---|---|---|---|
シリコン | 水性セラミシリコン | 70万円 | 12~14年 | 13年 | 5.38万円 |
シリコン (ラジカル制御) |
プレミアムシリコン | 80万円 | 14年~16年 | 15年 | 5.33万円 |
フッ素 | 水性セラタイトF | 95万円 | 15年~20年 | 17.5年 | 5.43万円 |
価格はあくまで想定ですが、シリコン塗料が70万円だった時に、ラジカル制御のシリコン塗料は10万円アップの80万円、フッ素塗料にするとさらに15万円アップの95万円としています。
期待耐用年数は12年~14年のように書かれているので、平均した数値を使い、想定価格を期待耐用年数で割った1年あたりにかかる価格を計算してみました。
もしこのような提案であれば、ラジカル制御型のシリコン塗料が一番割安と言えます。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
「外壁塗装を安くしたい」と思ったら
外壁塗装の費用を抑えるには、複数の見積もりを比較することが大切です。
外壁塗装パートナーズなら、手軽に地元で評判がある、複数の塗装店から見積もりをとることができます。
以下のフォームよりご依頼できますので、お気軽にご相談ください。
期待耐用年数はほとんどのメーカーが発表していない
期待耐用年数もメーカーが幅を持って発表しているものであり、さらに言えばほとんどの会社は耐用年数を公表していません。
そのくらい各家の環境にも影響を受けますし、なにより塗り方によって差が出てしまうものなので、メーカーとしては書くのが怖いのだと思います。
上記の表では、計算に使用する耐用年数は平均値でしたが、メーカー想定の最上値で計算していくと、フッ素塗料が最もコスパがよくなります。
塗料の耐用年数は状況にケースバイケースで変わってきますので、この計算方法は一つの考え方として知っておいて頂けたらと思います。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
各塗料の「促進耐候性試験結果グラフ」をご覧になったことはありますか?
おそらく聞きなれない単語だと思いますが、屋外環境条件を人工的に再現して試験体の劣化を促進させ、製品・材料の寿命をある程度予測できるようにした試験が「促進耐候性試験」になります。
耐用年数を調べたいときは、こちらの「促進耐候性試験結果グラフ」を確認してみるといいと思いますよ。
フッ素塗料の中にも実は種類がある
フッ素塗料と言っても、実は今市場に出ているものは大きく分けると2種類あります。
「三フッ化フッ素樹脂」と「四フッ化フッ素樹脂」の違いです。
フッ素樹脂はそもそも何が良いかというと、科学的にその結合力がシリコン樹脂よりも強いからです。
そして元々はフッ素塗料の樹脂は全て三フッ化フッ素樹脂を使用していました。
ところが最近四フッ化フッ素樹脂という、よりその結合力が強固なフッ素塗料が開発されております。
ところがどちらもフッ素塗料とひとくくりにされてしまっているので、区別がつけられなくなっています。
三フッ化フッ素の塗料しかないメーカーはもちろんのこと、四フッ化フッ素の塗料を販売しているメーカーも三フッ化フッ素の塗料も販売している関係から、三フッ化か四フッ化かの記載はほとんどなされていないのが現状です。
フッ素塗料を選択される方は、少し金額は高くなってしまうがせっかくなのでよりよいものをと思われる方が多いと思います。
そういう方には、せっかくなので三フッ化フッ素ではなく、四フッ化フッ素の塗料をお勧めしたいと思います。
まとめ
どのフッ素塗料が三フッ化で四フッ化なのかをこちらに書こうと思ったのですが、それをしてしまうと各メーカーさんからお叱りを受けてしまいますので、自分が気になっているメーカーのフッ素塗料がどちらなのかを知りたい場合は、個別にご相談ください。
そして原理原則で言えば、より高額なグレードの高い塗料を使えば耐久年数はより長くなります。
金額を気にしないのであれば、とにかく最高級の塗料を使うのがベターな選択であるのは間違いありません。
ただ各家庭環境は違いますし、その時に用意ができる予算も違います。
お金はあっても、そのお金は投資に回したほうがより経済的であるという考え方もあると思います。
各ご家庭で最終的にベストバランスな選択になるよう少しでも正しい知識をお伝えしたいなと思います。
しかし、最後にどの塗料を使うかという事よりなにより、どう塗ってもらうかの方が圧倒的に重要であるという事をもう一度念押しをしておきたいと思います。
「外壁塗装を失敗したくない!」と思ったら
約10年1度に行う外壁塗装ですが、結局大きな金額を払ってまで行う工事ですので、塗装業者選びには慎重になる必要があります。
塗装業者選びをきちんと行うことで、家に合った塗料を選ぶことができ、仕上がりも劇的に変わるからです。
外壁塗装パートナーズでは、地元で評判がある塗装店をご紹介しています。
「塗装業者を紹介してほしい」「どのタイミングで外壁塗装をしたほうがいいのか」などといったお家に関するお悩みは、以下のフォームよりお気軽にご相談ください。
1年あたりの価格を算出すると「ラジカル制御型のシリコン塗料が割安」と言えますが、そこまで大きな価格差はありません。
あくまで価格を期待耐用年数で割った想定価格となります。
実際には住宅の条件(屋根材や外壁材の状態、お住まいの地域の特性)を考慮した上で、塗料を選択すべきです。
費用対効果はもちろん大事ですが、それよりも屋根屋外壁の劣化が進まないうちに、適正なタイミングでメンテナンスする方が重要だと思います。