【20年以上屋根点検していない方必読】屋根塗装をしてはいけない5大屋根材
屋根塗装ができない屋根材
塗装では劣化を防げない屋根材があることをご存知でしょうか?
それは、2000年前後の新築に葺かれていることが多い初期のノンアスベスト屋根材です。
屋根は貼るのではなく葺く(ふく)と言います。
ちょうどこの頃はアスベストが健康に害をもたらすことが大々的になり、各メーカーがノンアスベスト商品の開発に躍起になっていた時です。
その為、長期的な品質が確保されないまま、世に送り出されてしまっている商品があります。
今回は、要注意の屋根材を紹介いたします。
ニチハのパミール屋根材
パミールという屋根材は、この業界では有名な要注意スレート屋根材です。
パミールは薄いスレート材を何層にも重ねて圧縮している屋根材です。
パミールを設置している家は、10年を超えたあたりから基材がミルフィーユ状に剥がれてきているお宅が多く、屋根の上から塗装をしても基材ごと剥がれてしまうので塗装をしても無意味です。
対策は、塗装ではなく葺き替え工事といって屋根材を変えるしかありません。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
松下電工のレサス、シルバス屋根材
松下電工(現:パナソニック)が販売していた「レサス」と「シルバス」という二つの屋根材は、よく割れるスレート屋根材として有名です。
「レサス」は製造期間が1999年(平成11年)~2006年(平成18年)で、「シルバス」は2001年(平成13年)~2003年(平成15年)になります。
ぱっと見は普通のスレート屋根なのですが、よく見ると割れが多く発生しているということがあります。
レサスとシルバスの上から塗装をしても、経年劣化で割れが起きる可能性が高いので、早めにカバー工法(上から金属屋根を重ね張りする方法)もしくは葺き替え(屋根全面を張り替えなおす方法)をしておく方が無難です。
セキスイかわらU
ノンアスベスト屋根材の中でも、最も早く発売された商品です。
ノンアスベスト化されたのは1990年以降で、それ以前だとアスベストが含まれています。
1990年以降のノンアスベスト化商品は、劣化が早くヒビ割れが多いです。
その為、セキスイかわらUの場合も、塗装は対処療法にしかならず根本的な解決は葺き替えをすることです。
クボタのアーバニーグラッサ
クボタのアーバニーグラッサという屋根材は、特殊な屋根材で、一枚一枚が正方形のようで鱗のような屋根仕上げです。
しかし、上の画像を見ていただくとわかると思いますが、15年程度で著しく苔が生えたり、割れが発生しているというケースが多いです。
塗装をしてもいいのですが、異常に厚みがあったり、スレート間の隙間(スリットといいます)も広いため、ローラーではなく刷毛で塗装をしなければいけません。
仮に下手な塗装をすると排水性が悪くなり、雨漏りの原因になりかねません。
数年後に割れが発生する可能性があるので、将来的なメンテナンスコストを考えるとやはりカバー工法、葺き替えという対策を打っておく方が無難です。
まとめ
上記にまとめました初期のノンアスベスト屋根は、どの商品も劣化が早いことが特徴です。
劣化が進んだ屋根材は割れて、防水性が損なわれます。
屋根は二重の防水構造になっていますが(一次防水が屋根材、二次防水が防水シート)、一次防水である屋根材が劣化すると多くの水が二次防水である防水シートに達し、防水シートが腐ります。
防水シートが腐ると屋根裏が雨漏りし始め、それを更に放置すると白アリの発生を招きます。
雨水の侵入は建物寿命を圧倒的に短くしますので、上記の屋根材が使われている家は早めの対策をとるようにしましょう。
またこれはオフレコですが、メーカーが大々的には発表していないものの、あまりに全国からの不具合のクレームが多いということで案件ごとに個別で対応しているケースもあります。
メーカーを動かすためには、状況を論理的に説明する専門知識が必要です。
上記屋根材が使われているお宅であれば、外壁塗装パートナーズに是非ご相談ください。
塗装だけでなく、屋根工事ができる業者探しのお手伝いをいたします。