焼杉の家は外壁塗装が必要?メンテナンスフリーは本当か?焼杉用塗料についても解説
焼杉って塗装が必要?
現在戸建て住宅の外壁には、8割が窯業系サイディングという素材が使用されています。
残りの2割は、モルタル壁、ALC等ですが、その中でも数少ないの外壁材はタイル、レンガ、漆喰です。
その中でも0.1割にも満たない焼杉という杉板を炭になるまで焼いた外壁材があります。
焼杉はその昔、瀬戸内海周辺の家の外壁によく使用されていましたが、今では地方でしか見かけることがありません。
我が家が焼杉だと塗装は必要あるのでしょうか?
結論から申し上げますと、焼杉は塗装が必要です。
なぜなら、外観は炭化して真っ黒のため色落ちがするからです。また、杉で出来ていますので、防水性を施す意味でも塗装は必要です。
今回は焼杉外壁のメンテナンスについてご紹介いたします。
そもそも焼杉って何?
焼杉とは、杉板の表面を焼き焦がしたことを焼杉と呼びます。
なぜ焼き焦がすのかというと、耐久性を高くするためです。
炭を思い浮かべていただけるとわかりやすいかと思うのですが、炭は持つと軽くて、しかも固く丈夫です。
熱伝導率が低く、断熱効果が高いとも言われています。
焼杉の作り方
焼杉の作り方として、まずは杉板3枚を三角柱型に組み合わせて、縄で固定して、その三角柱の先に新聞紙を詰めて引火させます。
中の表面を5分間ほど焼きましたら、消火させ、三角柱をばらして板に戻します。
そして水をかけて乾かします。これを繰り返して、実際に出荷する際は、表面の炭を少し落としてから出荷します。
昔はそうやって焼杉を生産していたのですが、現在ではバーナーであぶったり化学反応で焼杉のようなものを作ったりしている会社さんもあります。
基本的には昔ながらの、火で焼き焦がす方法のほうが、中まで炭化するので固くて丈夫です。
反対にバーナーで炙るなどでは、杉板を炭化させるのに火力が足りず、その素材では本物の焼杉と比較して持ちがよくありません。
もしそういった素材でできた外壁であれば、建てたばかりでも色褪せや板の反り等といった劣化サインが出るため、早めのメンテナンスが必要な可能性があります。
焼杉の塗装有無は劣化程度による
焼杉自体は50年以上持つと言われている外壁材ですが、基本的に外壁に使用した結果、紫外線によって色褪せが出ます。
外観は真っ黒ですので、色が落ちてしまうと言われればなんとなく想像はつくと思うのですが、早ければ5年ほどで色が落ち、本来の杉板の色(淡い黄色)が出ます。
ですので、そのころになったら一度塗装を検討してください。
目安として、4~5年に1度美観と保守のために塗装が必要になります。
あくまで目安です。
5年以上超えたとしても、家としてすぐに機能しなくなるということはありませんが、こまめな補修は家の長持ちに繋がりますので、おすすめします。
痛みの程度 | 補修内容 | |
---|---|---|
軽度の痛み | チョーキング発生、塗膜はまだ生きている状態。 | 全体を一回塗装するのみ。もしも塗膜がまだ生きているならDIYで塗装しても大丈夫な場合があります。 |
中度の痛み | 塗膜が剥がれてきている。 | 痛んでる状態によってはブラッシングをかけ、2回塗装をする。 |
重度の痛み | 塗膜がほとんどなく、杉板がだいぶ痛んでいる。 | 素材を補修後、3回塗装する。※ただし、かなり痛んでいる場合は張替えも検討する。 |
焼杉用の塗料がある
焼杉の塗装の場合、基本的にサイディングやモルタルで使用する塗料を使ってはいけません。
そもそも焼杉とは杉なので呼吸もするし、伸縮を大いにする外壁材です。
そうするとサイディングなどで使用するフッ素塗料や無機塗料などで作る塗膜では、固くてすぐにひび割れてしまいます。
よく使用される塗料として大きく2種類の塗料が挙げられます。
溶剤塗料 | ウレタン塗料 | ウレタンは木と相性が良く、伸縮についていける塗料 |
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天然素材系塗料 | バトン塗料 | 大谷塗料が販売する植物油脂を主成分とする、自然素材の塗料です。 |
天然素材塗料 | オスモ、リボス、アウロや、完全に天然素材で出来ている柿渋塗料等があります。 |
ご自分で塗装する際は、必ず焼杉用の塗料を使用するようにしてください。
塗装業者に頼む際も、提案される塗料が必ず焼杉用の塗料かどうか確認するようにしてください。
まとめ
焼杉でできた外壁というのは、関東圏ではあまり見かけません。
この記事を書いている私自身も実物を見たことがないのですが、写真で見るとかなり柔らかな雰囲気を醸し出す家に仕上がっていて、見ていて憧れがあります。
ですが、木でできた外壁は見た目の経年劣化が激しくなるのが容易に想像できるので、美観にこだわる人であればこまめに手入れをするのをおすすめいたします。
外壁のメンテナンス時期については以下で詳しくご紹介していますので、ぜひご一読ください。