外壁塗装の見積り注意点4選 | 【実例付き】出し方・失敗しない見積もりのやり方も解説
外壁塗装を検討し始めたものの、見積りが適正価格なのか分からない、
どの見積りを選べばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
リフォーム業界は詐欺が横行しており、注意して業者を選ばなければ高額な代金を支払うことにもなりかねません。
悪質な見積りを見極めて、外壁塗装の費用を安く抑えるためには何に注意をすればいいのでしょうか。
この記事では、見積書で注意すべきポイントから、見積りの実例まで紹介します。
最適な業者選びにお役立ちできれば幸いです。
ぜひ、最後までチェックして見ていって下さい。
関連記事:外壁塗装の相場について
>>外壁塗装の相場は?単価、塗料、坪数別の価格表まとめ
外壁塗装の見積書で注意すべき4つのポイント
外壁塗装パートナーズはこれまでに25,000件以上のお客様の取引をサポートしてきました。
その結果、悪質な見積りには共通して怪しい点があることが分かりました。
・大幅な値引きがないか
・外壁塗装の面積がかさ増しされていないか
・工程ごとに詳細な費用が載っているか
まず特に注意すべき4つのポイントをお教えします。
ポイント1. 使用される塗料が適正価格か
「塗料のことはよくわからないから業者の言いなり」という方は珍しくありません。
実は塗料の選択によって、外壁塗装の費用は大幅に変わります。
塗料の適正価格は以下の通りです。
アクリル | 1,000~1,500円/㎡ |
---|---|
ウレタン | 1,500~2,000円/㎡ |
シリコン | 2,000~3,500円/㎡ |
フッ素 | 3,500~4,500円/㎡ |
光触媒・無機 | 4,000~5,500円/㎡ |
遮熱 | 3,000~5,000円/㎡ |
塗料の価格は見積りの大部分を占めます。
適正価格を提示できる業者を選びましょう。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
ポイント2. 大幅な値引きがないか
大幅な値引きをされているからといって、お得な提案とは限りません。
30万円以上の値引きには注意が必要です。
値引きには二つのパターンがあります。
1. 元値が高額
大幅な値引きをしてしまうと、業者の利益がなくなってしまいます。
後から値引きをすることを見込んで、高額な見積りを出している場合があるので注意が必要です。
2. 手抜き工事
業者が得る利益額を減らさずに、値引きをする場合があります。
業者はその値引き額を、手抜き工事により確保します。
塗装工事は塗料を薄めたり、塗る回数を減らすことで、簡単に手抜き工事をすることが可能です。
依頼者からすれば、手抜き工事はすぐに気が付けるものではありません。
数年後に外壁が劣化してから気が付くことになります。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
高額な値引きの交換条件として、短い期間(一週間以内など)での契約を急かされる事が非常に多いです。
理由としては、お客様が調べる時間を制限することで、見積り額が相場よりも高い事を隠すためです。
信頼できる数社から相見積もりをとり、ご自宅の相場をしっかりと見極めることが後々後悔する事がないかと思います。
ポイント3. 外壁塗装の面積がかさ増しされていないか
実際の塗装面積よりも広めにかさ増しされていることがあります。
正しい面積を計算する方法は以下の三つあります。
1. メジャーを使って測る
家の高さがある場合は難しいのでオススメしません。
2. 延床面積から計算式を使う
延床面積とは各階の床面積を合わせたものです。
床面積が広い場合は係数を大き目にすると実測値に近づきます。
3. 立面図から計算する
より正確に計測するなら図面を使うことをオススメします。
立面図から最下部から屋根の下までの高さを測ります。
平面図から横の長さを測ります。
それらを掛けた値から付帯部の面積を引きます。
一社の見積りでは、面積のかさ増しに気が付くことができません。
複数の業者に依頼して見積書を見比べることが重要です。
ポイント4. 工程毎に詳細な費用が載っているか
・付帯部 一式
・下地処理 一式
見積りはいくつかの工程に分かれて記載されます。
注意すべきケースは、それを「一式」の表記でまとめている場合です。
「一式」表記では個別の金額をチェックできません。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
意外とメインの塗装工事箇所以外を一式と記載する企業は少なくはありません。
メインの塗装工事の価格が安価でも、一式と表記されている工程で必要以上に金額がかさましされていることもあります。
塗装だけの価格だけで比較せずに、トータルでいくらかを比べていくことが重要です。
ざっくりと見積が出ている企業があれば担当者に確認しましょう。
外壁塗装の見積書の工程とは?
外壁塗装を安くするためには、工程毎の金額チェックが必要です。
工程には以下の項目を含みます。
足場
塗装工事には高所作業も含むため、足場を設置します。
塗装工事の足場価格は㎡辺りの値で算出します。
通常の家ではおおよそ20万円程になることが多いでしょう。
高圧洗浄
高圧洗浄 200-400円/㎡
バイオ洗浄 400-700円/㎡
外壁塗装をする前に、外壁に付着した汚れを落とす必要があります。
・砂、埃
・汚れた塗膜
・苔、カビ、藻
苔、カビ、藻の汚れは高圧洗浄では落とせない場合があり、洗剤を使うことがあります。
洗剤を使う高圧洗浄を「バイオ洗浄」と呼びます。
下地処理
ケレン | 600~900円/㎡ |
---|---|
コーキング打ち替え | 1,000~1,500円/㎡ |
コーキング打ち増し | 600~1,000円/㎡ |
クラック補修 | 1,000~2,500円/㎡ |
洗浄をしたからと言って、外壁が綺麗になるとは限りません。
経年劣化した外壁にはヒビ割れ・剥がれ・穴の症状が出ているかもしれません。
外壁塗装をする前にそれらを綺麗に処理する必要があります。
代表的な下地処理の例を挙げます。
1. ケレン
工具を用いてサビ、カビ、古い塗膜を除去する作業です。
2. コーキング補修
経年劣化したコーキングを打ち替える、もしくは補強する作業を指します。
コーキングとはサイディングやパネルといった外壁材を貼るときに隙間を埋めるために使う詰め物です。
3. クラック補修
クラック(ひび割れ)は樹脂を注入して補修します。
見積書の中には、「下地処理」と一括で記載されている場合があります。
どのような工事内容なのかを業者に確認し、相場価格と見比べてみて下さい。
養生
養生とは建物自体やその周囲をネットやテープで覆うことで、
塗装が不要な部分への塗料の飛び散りを防ぐものです。
養生を細かく綺麗に貼ることができるかどうかで塗装の出来栄えが変わります。
付帯部
雨どい | 1,000~2,000円/㎡ |
---|---|
軒天 | 1,000~1,700円/㎡ |
破風板 | 1,000~1,500円/㎡ |
雨戸 | 2,000~3,500円/枚 |
付帯部とは外壁や屋根にある家のパーツのことです。
雨どい、軒天、破風板などが含まれます。
諸経費
諸経費には現場管理費と一般管理費が含まれます。
その内容は多種に渡ります。
(例)交通費、運搬費、廃棄物処理費、近隣対策、保険労、広告宣伝費、雑費など
屋根塗装
外壁の劣化が進んでいるということは、屋根も劣化している場合が多いです。
それぞれ別の機会で塗装をすると足場代や経費が無駄に掛かってしまいます。
外壁と屋根は同時に塗装するといいでしょう。
外壁塗装の見積書の実例を紹介
ここからは実際に屋根・外壁塗装の見積書を見ていきましょう。
外壁材:窯業系サイディング
①外壁塗装
フッ素塗料の相場価格3,500~4,500円/㎡に対して、3,317円/㎡と適正
②屋根塗装
遮熱塗料の相場価格3,000~5,000円/㎡に対して、3,066円/㎡と適正
下地処理は相場価格に収まっていますが、細かな内訳も確認したいところです。
付帯部は一式見積りではなく、内訳が表記されています。
また工事開始日を自由にすることで、代わりに値引きを得ています。
このように一つ一つの項目を相場価格と照らし合わせていくことが重要です。
外壁塗装の見積りでトラブルを避けるために
リフォーム業界は詐欺の多い業界です。
「外壁塗装をしたいけどトラブルは避けたい」そう思っていても、気が付けばトラブルに直面していることがあります。
ここでは、相談の多いトラブル内容と対処法をお伝えします。
①費用の追加請求
外壁塗装の施工後に、見積書に書いていなかった費用を請求されることがあります。
途中で見つかった破損個所の補修、塗料の追加費用が当てはまります。
正当な追加費用であれば問題ないですが、請求が正当かどうかの判断は難しいものです。
対処法
不当な追加費用を防止するためには、施工前の段階で追加費用の有無を確認すると良いでしょう。
また現地調査を全て業者に任せるのではなく、自分も立ち会って破損個所をチェックすることも重要です。
②オリジナル塗料で高額請求
塗装業者が「自社開発のオリジナル塗料」を勧めてきたら注意が必要です。
オリジナル塗料は、市販の塗料を自社ブランドの製品として名前を変えて発売したものがほとんどです。
そのようなことをするのかと言うと、製品名で他社と比較ができないようにするためです。
オリジナル塗料はその性能に対して、価格が高いことが多いです。
対処法
オリジナル塗料を提案する業者は避けた方がいいでしょう。
外壁塗装を安くするコツは、複数業者の見積りを比較することです。
他社と比較できない見積りにはウラがあると考えるべきでしょう。
③見積書を出してくれない
金額をざっくりと口頭だけで伝えてくる業者がいます。
今だけのキャンペーン価格だと言って、早期の契約を勧められることもあります。
正式な書面なしで契約の手続きを進めることは危険です。
対処法
オトクな提案だったとしても、その場で契約をしないようにしましょう。
訪問業者との契約においては、クーリングオフで契約解除も可能ですが、正式な書面がないと契約解除ができない場合もあります。
価格交渉はするべき?
最後に、業者との価格交渉に関してです。
「塗装業者と価格交渉をするのは失礼ではないですか?」といった質問をいただくことは多いですが、価格交渉をすること自体は全く失礼ではありません。
例えば、「少し価格が高いが信頼できるA社」と、「最安値だが信頼できないB社」で悩んでいるときに、A社に対して、少しだけ値下げを要求するというのは正しい判断です。
ただし、このときに最安値のB社の価格にあわせるように要求することおすすめできません。
残念なことに、塗装業界では低価格の提案でも利益を確保するために、必要な工程を省いたり、わざと塗料を余らせて転売するといったことをする業者が少なくありません。
手抜き工事をされると、すぐに塗料がはがれてしまうなど、耐用年数が短くなってしまうので長期的にみればかえってコストが高くついてしまいます。
価格交渉はOKですが、過度な値引きを要求するのはNGと覚えておいてください。
また、価格交渉をする際に、相場価格を把握していればどれぐらいの値引きを要求していいのか、だいたいの検討がつきます。
以下の記事で外壁塗装の相場価格について解説していますので参考にしてみてください。
ポイントを押さえて、お得に賢く外壁塗装をしましょう
この記事では外壁塗装の費用を安くするテクニックと考え方について詳しく解説してきました。
ポイントを押さえて、お得に賢く外壁塗装をしましょう。
最後になりましたが、「外壁塗装パートナーズ」は、建築士が運営する、良心的な業者だけをお客様に紹介することにこだわった見積もりサイトです。
「安心・低価格な業者を見つけてお得に外壁塗装をしたい」とお考えでしたら、下記のフォームからご依頼ください。
訪問販売の会社から「光触媒塗料」の提案を受けているという方はご注意ください。
おそらくデメリットの説明はなく、いい話ばかり伺っていると思います。
光触媒塗料はセルフクリーニング機能と抗菌作用のある高級塗料ですが、紫外線に反応するものなので、日当たりが悪い部分は効果を発揮しません。
そもそも光触媒塗料は塗りムラが出来たり、泥汚れが落ちにくかったりするので、期待した効果を感じられないという住宅も多いです。
きちんとメリット・デメリットを把握した上で、塗料を選ぶことをおススメします。