アパートの外壁塗装 相場や塗料選びのポイントをご紹介!入居率アップにも有効!
コンパクトな投資や相続税対策に向いているのがアパート経営です。
都心の高級タワーマンション物件をひとつ購入するよりも、郊外で土地付きアパートを建設するほうが安価だったりするケースも多く、アパート経営には「健全な不動産投資」のイメージがあるでしょう。
でも、アパートは「建ててしまえばお金を生んでくれる」という便利でお得なものではありません。
しっかりと管理・メンテナンスを続けていかないと、投資商品としての価値がなくなってしまいます。
ここでは、アパートの入居率アップにも有効な『外壁塗装』について詳しく解説していきます。
なぜアパートに外壁塗装が必要なのか、どれくらいの費用がかかるのかなど、アパートオーナー必見の内容です。
〇外壁塗装の相場や各工程の単価についてマルっと知りたい方はこちら
>>外壁塗装の相場は?単価、塗料、坪数別の価格表まとめ
アパートの外壁塗装、総額の相場はいくら?
アパートの外壁塗装は、各作業の単価×広さ(面積)の総額で価格が決まります。
種別 | 相場価格 |
---|---|
メゾネットタイプ(1棟4戸) | 150~200万円 |
2階建て8戸程度のアパート | 200~300万円 |
3階建て12戸程度のアパート | 250~400万円 |
アパートの外壁塗装における各作業単価の相場
アパートの外壁塗装における各作業単価の相場は次のとおりです。
作業内容 | 単価(1㎡または1mあたり) |
---|---|
足場敷設、撤去 | 600~800円 |
高圧洗浄 | 100~300円 |
養生 | 800~1200円 |
軒天塗装 | 800~1200円 |
破風塗装 | 700~1200円 |
コーキング | 増し打ち:500~1000円 打ち換え:700~1500円 |
屋上・ベランダ防水 | 4000~7000円 |
屋根・外壁塗装 | 1000~5500円 (使用する塗料によって変動) |
廃材処理費など | 10万円程度 |
アパートの外壁塗装は誰のためになる?
アパート経営には月々・毎年のコストがかかります。
不動産会社と管理委託契約を結んでいれば委託料、水道代込みで募集していれば水道代、毎年4~5月には固定資産税などの支出があります。
せっかくの家賃収入がコストによって目減りしてしまうのですから、アパートオーナーとしては「できるだけ経費をかけたくない」と考えるのが当然です。
もちろん、ムダな経費を削って利益を残してこその経営ですから、大きな支出となる『外壁塗装』はとても優先順位が低いものに感じられるでしょう。
しかし、アパートの外壁塗装が「誰のため」と考えるなら、それは間違いなく「アパートオーナーのため」にほかなりません。
外壁塗装は入居者アップ=収益アップにつながる!
アパートの外壁塗装には、入居率が上がる効果があります。
実際にイメージして見るとわかるかと思います。
賃貸物件を探している人が内覧に訪れたとき、外壁は色あせを起こしてカビだらけ、屋根もコケやカビだらけになっていればどうなるでしょう?
「あぁ、管理されていないなぁ…」というマイナスイメージを与えてしまい、たとえ立地条件や内装が良くても成約につながらないこともあるはずです。
反対に、外観が美しく整っていればどうでしょうか?
室内を見る前から「キレイなアパートだな」という良い第一印象を持ってもらうことで、成約率アップにつながるはずです。
きちんと管理・メンテナンスがなされていれば、新規の成約率がアップするだけでなく契約が定着し、全体的な入居率アップにもつながるわけです。
アパート経営が抱える最大のリスクは『空室』です。
外壁塗装によって空室リスクを抑えれば、アパート経営の安定が期待できます。
外壁塗装で大切な資産を守る
外壁塗装は、単に見た目を整えるだけではありません。
アパートの建物は木材・鉄骨・サイディングボードなどいろいろな建材でできていますが、建材そのものをむき出しにしていると防水性・耐候性の面でもろく、必ず劣化してしまいます。
そこで、塗料によってコーティングを施し、水分や直射日光から建材を保護するわけです。
新築時にも建材に塗装が施されていますが、ハウスメーカーから「塗り替えは不要です」と言われていたとしても信用してはいけません。
現在の塗料の技術では、永久に劣化しない塗料なんて存在しません。
最高グレードの塗料でも20年程度の耐久性しかなく、しかも「20年は大丈夫」とうたわれている塗料でも最初に施工されて実際に20年が経過した例がなく、性能は不透明です。
ですから、定期的に外壁塗装を施すことは、建物のコーティングを再生させてアパートという大切な資産を守ることにつながるわけです。
アパートの外壁塗装は何年で塗り替えるべき?
アパートの外壁塗装は、10年を目安に10~15年に一度のペースで塗り替えをおこなうのがベストです。
新築でも築10年を迎える頃には塗り替えを考えるべきでしょう。
多数の住人が入居し、塗装面積が広くなる分譲マンションでは、毎月各戸から『修繕積立金』を徴収して定期的な大規模修繕に備えています。
各戸の住人から先々の費用を集めてプールするので、分譲マンションでは「みんながお金を出し合って修繕する」わけですね。
だからこそ、修繕積立金がしっかりとプールできていればマンションの管理組合が主導して遠慮なく外壁塗装の工事に踏み切れます。
ところが、賃貸のアパートだとそうはいきません。
賃貸借契約を結んでいる住人に「アパート全体の修繕費用を出して欲しい」と頼むわけにはいかないので、費用はアパートオーナーが支出することになります。
塗り替え計画もすべてオーナーひとりの判断です。
だからこそ、アパートオーナーは外壁塗装のタイミングをしっかりと把握しておく必要があります。
耐用年数10年を基準に塗料のグレードを選ぶ
アパートの外壁塗装で使用する塗料には、配合された原料に応じたグレードがあります。
まずはこちらをご覧ください。
塗料グレード | 耐用年数 | 1㎡あたりの単価(中塗り・上塗りの塗装費用込み) | 評価 | 理由 |
---|---|---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 5~7年 | 1000~1200円 | × | 耐用年数が短い。倉庫、駐輪場などへの塗装に向いている。 |
ウレタン樹脂塗料 | 8~12年 | 1800~2000円 | △ | 最低限の品質で、予算を削減したいなら選択肢としてあり。 |
シリコン樹脂塗料 | 10~15年 | 2500~3000円 | ◎ | 耐用年数と品質のバランスが良い塗料。多くのアパートに使用されている。 |
ラジカル塗料 | 10~15年 | 3000~3500円 | 〇 | シリコンよりも高性能塗料。品質も重視したいなら最適な塗料。 |
フッ素樹脂塗料 | 15~20年 | 3500~4000円 | △ | 高品質だが価格も高い。塗り替えの感覚を広くしたい方向け。 |
遮熱・断熱塗料 | 15年~20年 | 3500~4000円 | △ | 鉄製の屋根には最適。価格が高く施工できる業者が少ない塗料です。 |
無機塗料 | 15年~20年 | 4500~5500円 | × | 品質はピカイチだが価格が高い塗料。高収益のアパートなら選択肢としてあり。 |
光触媒塗料 | 10〜15年 | 4000~5000円 | × | 一般住宅でもあまり使用されない塗料。高性能だが、20年も美しさが持続できるわけではない。 |
アパートの外壁塗装に使用する塗料は、グレードに応じて耐用年数と塗装価格が変わります。
ここで、先ほどお話しした「耐用年数10年を目安に、10~15年に一度のペースで塗り替える」という話を思い出してください。
10年の耐用年数を持つ塗料と考えると、最低でもウレタン樹脂系塗料から上位のグレードを選ぶことになります。
ウレタン樹脂系塗料でも、気候や周囲の環境によっては10年以内に限界を迎えることがあるので、シリコン樹脂系塗料よりも上位のグレードを選ぶのがベストです。
では「耐用年数が長いものほど良い」のかというと、それは間違いです。
たしかに、耐用年数が長ければ足場を建てる回数が減るため、トータルコストの削減が期待できます。
たとえば、一度足場を建てて解体するのに30万円かかるとします。
耐用年数10年の塗料を使って10年に一度の塗り替えをおこなった場合、30年で3回の工事となり、足場代は30年で90万円になります。
一方、耐用年数15年の塗料を使って15年に一度の塗り替えをおこなうと、30年で2回の工事となって足場代は60万円。
足場代だけをみれば、30年間で30万円もコストが削減できたことになります。
ただし、耐用年数が長いハイグレードな塗料を使えば、塗装費用も高くなります。
塗装面積が広いアパートでは、30年もかけてたった30万円を節約しても、それ以上の塗装費用がかかってしまいます。
すると「耐用年数の長さ」と「塗装費用」の2つのバランスをちょうど良く保つことができる塗料は、耐用年数10年を超えて15年以内の『シリコン樹脂系塗料』または『ラジカル塗料』がベストだといえます。
「トータルコスト削減」に惑わされてはいけない!
外壁塗装に関するサイトの多くは「ハイグレードな塗料を使ったほうが次回の塗り替えまでの間隔が広くなるのでコスト削減につながる」と紹介しています。
たしかに、この考えは間違いではありません。
しかし、いくら耐用年数が長い塗料でも、15~20年もピカピカとツヤを保つわけではありません。
塗料メーカーが自然光と同じ作用を持つ光を照射して、15~20年分の強さの光をあてても塗膜が最低限の機能を維持できたというだけに過ぎず、ツヤはほぼ完全に消え去っています。
しかも、フッ素樹脂系塗料や無機塗料などのように耐用年数が長いグレードの塗料は、総じてツヤが少ない淡色系のものが多いという特徴があります。
実際にツヤが少ないハイグレードな塗料を使ったアパートオーナーの多くが、外壁塗装が完成しても期待が外れたかのように「ピカピカ感がないね」という感想を漏らします。
アパートの外壁塗装は、いかに美観を維持するかに重視すべき
アパートの外壁塗装では『ツヤ』に注目するべきです。
アパートの外壁塗装には、外観を美しく保つことで「入居率アップ」に大きな役割を果たすと紹介しました・
いくら耐用年数が長くても、ツヤ落ちしていたり、そもそもツヤが少ない塗料を使っていたりすると、外観上の美しさという面で見劣りしてしまいます。
つまり「耐用年数15年の塗料で2回の塗り替えをする」よりも「耐用年数10年の塗料で3回の塗り替えをする」ほうが、アパートは美しく保たれるのです。
単に耐用年数を伸ばしてトータルコストを下げれば良いというのは、個人の一戸建て住宅が対象の考え方です。
アパートはあくまでも収益を生むための物件。
アパートオーナーからみれば、まさに『商売道具』なのですから、より美しく演出して収益を向上させるためには、いたずらに塗り替えの間隔を広げるべきではないのです。
この点からも、アパートの外壁塗装にはシリコン樹脂系塗料またはラジカル塗料がマッチしているといえます。
入居率アップを狙うなら『色』選びも重要
アパートの入居率アップを狙うなら、外壁塗装で使用する塗料の『色』にも気を使いたいところ。
マイホームであればお好みの色を選べばいいですが、アパートはあくまでも収益物件ですから、ユーザーのニーズに合わせる必要があります。
・たとえば、若い世帯が多いエリアなら黒を基調としたスマートな印象
・ファミリー向け物件なら明るいパステルカラー
・高齢者世帯の入居が見込まれるならベージュなどのスタンダードカラー
アパート入居者は、意外と外壁や屋根の色を気にします。
「どこか暗いイメージ」とか「派手に感じるからイヤだ」といった第一印象ひとつで入居率は驚くほどに変わるものです。
せっかく塗り替えるのなら、ここまでのアパート経営で得た経験を活かして「どんな層がメインターゲットなのか?」をしっかり意識した色を選びましょう。
アパートの外壁塗装、工期はどれくらい?
アパートの外壁塗装にかかる工期は、アパートの規模によって異なります。
1棟4戸のメゾネットタイプで10日前後、2階建て8戸以上のアパートなら2週間程度です。
アパートは一般住宅のように構造が複雑ではないので、塗装面積が広くても作業がはかどりやすく、広さの割には工期が短いのが特徴です。
外壁塗装の工事が始まる前には、遅くとも2週間くらい前から掲示板などで告知しておきましょう。
ベランダに洗濯物や不用品などが置かれたままになっていると、高圧洗浄の水や塗料などで汚染してしまい、住人からのクレームに発展するおそれがあります。
アパートの外壁塗装はオーナーの利益のため!
アパートの外壁塗装は、アパートオーナーのためにおこなうものです。
住人にとっても「見た目が美しく整った」という満足感はありますが、自分の資産ではないので利益とはいえません。
アパートオーナーにとっては、大切なアパートの資産価値が下がらないように守るだけでなく、入居者アップという重大な目的の達成にも役立つのですから無視できません。
アパートの外壁塗装で価格・品質の両方に納得したいのであれば『外壁塗装パートナーズ』にご相談ください。
カンタン3ステップで、アパートの外壁塗装を安心してお任せできる地元の優良な塗装業者を紹介させていただきます。
新築から10年が経った、前回の塗り替えから10年が近づいているというアパートオーナーの方は、ぜひ外壁塗装パートナーズまで、お気軽にご相談ください。