パナホームの外壁塗装はハイセラコートだから不要?費用は?60年保証は?詳しく解説
パナホーム(現パナソニックホームズ)でマイホームを建てると、サービスマンからの定期的なメンテナンスのアドバイスが受けられます。
これは大手ハウスメーカーから住宅を購入するメリットであると同時に、少し面倒に感じるところでもあるでしょう。
パナホームで新築して15年が経つころを目安に、サービスマンから「そろそろ外壁の塗り替えをしたほうがいいですよ」と案内を受けることになりますが、そのお値段には驚くことでしょう。
ちょっと軽く返事ができないほどの高額になるので「もっと安く済ませられないものか…」とお悩みになるでしょうね。
ここでは「パナホームで建てた住宅の外壁塗装はパナホームに頼むべきか?」という疑問を解消していきましょう。
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パナホームに外壁塗装をお願いすると高くなる!
まずは事実をありのままお伝えしましょう。
パナホームで建てた住宅の外壁塗装をパナホームにお任せすると、社外の外壁塗装業者にお任せする場合と比べて2倍近くのお値段になります。
一般的に、社外の外壁塗装業者に塗り替えをお願いすると、100~140万円が相場だといわれていますが、パナホームの塗装工事は200~300万円が相場です。
それでも「パナホームとお付き合いを続けたい!」という方なら、ぜひハウスメーカーの強力なサポート体制を活かすためにも、パナホームにお任せするのが良いでしょう。
自社の住宅のことを知り尽くしている職人が塗装するのですから、最高の仕上がりが期待できるはず。
ただ、パナホームでマイホームを建てた方全員がその選択をするのは難しいお話です。
住宅ローンの返済、子どもの成長にあわせて増える教育費、家族が増えれば食費や光熱費も高くなります。
マイホームのメンテナンスのためには200万円の出費もいとわないなんて選択は、そう簡単にできるものではありません。
そこでオススメなのが、あなたのお住まいの街で外壁塗装の工事をしている「街の外壁塗装業者」に塗り替え工事をお願いするという方法です。
街の外壁塗装業者なら、パナホームにお任せするよりも断然に安く塗り替え工事が実現します。
パナホームはとても大きな会社なので、会社の運営には莫大なコストがかかります。
しかも、実際の塗装工事は下請け・孫請けの塗装業者が施工するため、工事費用の40~50%は中間マージンとして消費していると考えて間違いありません。
そんなムダなコストをかけるよりは、納得の価格でしっかりと工事してくれる街の外壁塗装業者にお任せするのがベストでしょう。
しかし、ちょっと気になるのが「メーカー保証」のこと。
それに、新築時には「パナホームの住宅はパナホームにしか塗装できない」と聞かされていたのではないでしょうか?
これらの疑問をひとつひとつ解消していきましょう!
パナホームのアフターサービスの概要
パナホームは、みなさんご存知のパナソニック(Panasonic)を母体に持つ住宅総合メーカーです。
設立当初はナショナル住宅建材という名称でしたが、1977年には自社ブランドとして『パナホーム』の名称が登場し、2002年には社名もパナホームに変更しました。
2018年には社名を『パナソニックホームズ』に変更し、同時にブランド名も『Panasonic』に変更しています。
つまり、現在は『パナホーム』とは呼ばないことになりますが、多くの方が「パナホームの家」というブランドを強く意識しているはずなので、この記事の中では『パナホーム』で統一してお話ししましょう。
パナホームのアフターサービスの概要を紹介します。
パナホーム自慢の「60年長期保証延長システム」
パナホームでマイホームを建てると「60年長期保証延長システム」の対象になります。
定期的に点検が実施される、不具合箇所の補修・修繕が無料または大幅割引で受けられるという驚異的なサービスです。
60年ということは、35歳でマイホームを建てた場合は95歳までお付き合いができるということです。
つまり「ほぼ一生涯」の保証が受けられるということになります。
大手のハウスメーカーを比較してみると、パナホームのほか、ダイワハウス・積水ハウス・セキスイハイム・ミサワホーム・タマホーム・ヘーベルハウスでも60年保証を実施していますが、これを超える保証はありません。
パナホームでは、業界最長の保証で安心して住める家を約束しています。
意外な落とし穴?保証延長の条件
パナホームの60年長期保証延長システムには、ある条件が設定されています。
よく見てください、「長期保証システム」ではなく「長期保証延長システム」になっていますよね。
実は、新築住宅の保証は、10年までは『住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)』によって法令で義務化されています。
つまり、ハウスメーカーの保証は「10年を超えてからどんなサービスを提供するのか?」がポイントとなります。
では、パナホームはどんなサービスを提供しているのでしょうか?
パナホームの保証システムでは、住宅を次の2点に仕訳けています。
・構造耐力上の主要な部分(初期保証20年)
・雨水の侵入を防止する部分(初期保証15年)
住宅の外壁や屋根は「雨水の侵入を防止する部分」に該当するので、初期保証は15年になります。
品確法で定められた基準よりも5年ほど長く保証するわけですから、その点では保証は充実していると評価できるでしょう。
ところが、構造耐力上の主要な部分においては20年、雨水の侵入を防止する部分については15年を過ぎた時点で、初期保証の対象外となります。
ここでさらに保証を延長するには「保証延長の条件となる有料メンテナンス工事」を受ける必要があるのです。
つまり、外壁・屋根に関しては、15年の初期保証が満了するまでにパナホームの塗り替え工事を受けないと、それ以降の保証延長は受けられない仕組みになっています。
パナホームで住宅を建てた方の「15年あたりで外壁塗装のセールスを受けた」というお話は、この初期保証が終わるタイミングに差しかかったからです。
さらに、構造耐力上の主要な部分の初期保証20年が過ぎてしまうと、両方の工事を同時におこなわないと保証が継続されません。
たとえば、築30年のタイミングで「外壁・屋根の塗り替えはパナホームにお願いするけど、傷んだ基礎の補修は社外でお願いする」という方法では、保証の対象外となってしまいます。
パナホームの60年長期保証延長システムをフルで活用するには、初期保証が満了したのち、合計で5回の有料メンテナンスを受ける必要があります。
パナホームの工事は社外の相場よりもかなり高額になるので、60年間の延長保証を受けるためには相当に高額なメンテナンス費用を定期的に支払うことになるでしょう。
パナホームの外壁はパナホームしか塗装できない?
パナホームで住宅を建てた方は、新築時に「パナホームの外壁はパナホームでしか塗装が施工できない」と聞かされているはずです。
これは、パナホームが独自に採用している『ハイセラコート』という塗装が使用されたサイディング壁『ハイセラコートウォール』を施工しているからです。
本当にハイセラコートウォールを施工したパナホームの住宅は社外では塗装が施工できないのでしょうか?
ハイセラコートウォールとは?
パナホームが誇る外壁塗装材が『ハイセラコート』。
ハイセラコートはパナホームの商品名で、その正体は外壁塗装で使用する塗料のグレードでいう『無機塗料』です。
無機塗料とは、セラミックやケイ素などの無機物を配合することで、従来の塗料よりも硬い塗膜を形成することで耐久性を増すとともに、無機物の特性である「紫外線に強い」という能力を兼ね備えた塗料です。
パナホームでは、工場でサイディングボードにハイセラコートを塗装したものを『ハイセラコートウォール』として出荷しており、新築の現場ではこれを外壁に施工することで住宅が完成します。
無機塗料は、15年以上の耐用年数を誇る高性能な塗料です。
たしかにパナホームの住宅は10年程度ではまだピカピカとしたツヤを発しており、築15年でも太陽光に照らされれば反射がまぶしいほどの美しさを保ちます。
工場で機械を使って均等に厚い塗膜が形成されるように塗装するため、15年はしっかりとツヤが保たれる完成品ができあがっているのです。
しかも、ハイセラコートウォールには無機塗料ならではの弱点があり、それこそが「パナホームの住宅は自社メンテナンスの必要がある」とされる理由になっているのです。
無機塗料の塗膜は汚れを寄せ付けない力が強く、その力があまりにも強すぎて、上から別の塗料で再塗装することができないことがあるのです。
もしハイセラコートウォールの外壁にシリコン樹脂塗料などの別グレードの塗料を塗装しようとしても、古い塗膜と新しい塗料が密着せず、すぐに剥がれ落ちてしまうおそれがあります。
本当にハイセラコートの上には別の塗料が塗装できないのか?
ハイセラコートが施工された外壁にはハイセラコートを塗り替えるのがベストです。
それこそがパナホームの住宅の外壁メンテナンスに対するひとつの模範解答であることは間違いありません。
ただし、絶対にハイセラコートの上にはハイセラコートしか塗装できないのかというと、実はそうではありません。
無機塗料の施工に関する知識を持った塗装業者であれば、ハイセラコートと同等の無機塗料でも、別のグレードの塗料でも、塗り替えは可能です。
まず、何もしていない状態の外壁を手のひらでサッと擦ってみます。
もしこの段階で手のひらに白っぽい粉が付着すれば、どんな塗料でも塗装は可能です。
白っぽい粉の正体は塗料に配合されている色の成分である『顔料』が分離して浮き出たもの。
塗膜が劣化するとこの現象が起きてしまうので、ハイセラコートが施工されているといっても、その効果はすでに失われています。
この現象を『チョーキング』と呼び、チョーキングが起きていれば塗膜が激しく劣化していると判断できます。
手のひらにチョーキングの粉が付着しなかった場合、今度は布にシンナーをしみ込ませて軽く擦ってみます。
これでチョーキングの粉が付着すれば、やはり塗膜がかなり劣化しているものと判断できます。
もしこのテストでチョーキングが認められなかった場合は、ハイセラコートの上に別の塗料を塗り替えるのは避けたほうが良いでしょう。
どうしても外壁の色を変えたいと望むのであれば、サイディングボードごと交換することをおすすめします。
ハイセラコートを別の塗料で塗り替える方法
ハイセラコートを施工した外壁にチョーキングが認められる場合、塗膜を補強するためにも塗り替えが必要となります。
ハイセラコートを塗装した外壁には、効果が弱まったとはいえまだハイセラコートの塗膜が残っています。
新しく塗装する塗料との密着度を高めるために、まずは残ったハイセラコートの塗膜を除去する必要があります。
古い塗膜を除去するために重要なのが『高圧洗浄』です。
足場の敷設が完了した後、外壁塗装の最初の工程となる高圧洗浄には、汚れやコケなどを除去するほか、古い塗膜を除去する役割があります。
外壁の隅々までしっかりとジェット水流をあてて、高圧洗浄を徹底する必要があります。
高圧洗浄が済んだらいよいよ塗装ですが、外壁塗装の基本は「下塗り・中塗り・上塗り」の三度塗りです。
ここで注目したいのが下塗り。
ハイセラコートの古い塗膜はほかの塗料との密着が弱いため、密着性を高めるために下塗りで高密着度のシーラーを使用します。
シーラーは各塗料メーカーが複数の商品を販売していますが、ハイセラコートの上から塗装する場合はその中でも密着度が高いものを選びます。
もっとも安価なのは水性シーラーですが、水性シーラーでは密着度が弱いので、最低でもカチオン系シーラー以上のものを使用するべきです。
目に見えて判断できるほどの劣化でない場合、高圧洗浄だけでは古い塗膜が除去できないので、密着度においては最強の弱溶剤エポキシ系シーラーを使用するのがベストでしょう。
強力なシーラーを塗装したら、中塗り・上塗りには無機塗料を使用します。
無機塗料は、特に塗膜の厚みを均等にする必要があるため、無機塗料の施工経験がある塗装業者でないと100%の効果が期待できません。
パナホームの住宅の塗り替えをする際には、必ずハイセラコートの塗り替え経験がある塗装業者にお任せしましょう。
コーキングは必ず補修!
パナホームの住宅では、外壁に無機塗料のハイセラコートを採用しているため、ツヤ持ちも防水効果も15年間は安心できるほどの性能を持っています。
ところが、サイディングボードのすき間を埋めて雨水や水分の侵入を防ぐ『コーキング(シーリング)』は、15年も性能を維持できるものではありません。
コーキングの素材はシリコンやポリウレタンなどの樹脂で、乾燥後はゴムのような弾力を持ちます。
コーキングはサイディングボードのすき間を埋めるだけでなく、ボード同士の緩衝材の役割も果たしているので、弾力があるものしか使えません。
ところが、弾性を持たせるということは、劣化が早くなってしまうことにつながります。
一般的にサイディングの目地に施工されているコーキングの耐用年数は7~10年以内です。
いくら高性能なハイセラコートを導入していても、雨水や水分が侵入してしまえば壁の内部から腐食してしまいます。
外壁に目立った劣化がなくても、コーキングの劣化が目に見えてわかるような場合はすぐに塗装業者に調査を依頼しましょう。
保証期間中ならパナホームのサービスに連絡して診断を受けるのも手ですが、そのままパナホームに施工してもらうと中間マージンが発生するため非常に高額になります。
パナホームから見積もり書をもらったら、街の外壁塗装業者にも見積もりをしてもらいましょう。
きっと、工事価格の差に驚かされるはずですよ。
パナホームの住宅の塗り替えは街の外壁塗装業者にお任せ!
パナホームでマイホームを建てた方が必ず直面する悩みが「外壁・屋根の塗り替えはパナホームにお任せしないといけないのか?」という問題です。
もし、少しでも工事価格を安くしたいのであれば、パナホームにお願いするのではなく、あなたの街の外壁塗装業者にお任せするのがベストです。
メーカーの保証が気になる方も多いはずですが、街の外壁塗装業者でもしっかりとアフターフォローはしてもらえます。
むしろ、気軽に相談できる分だけ、街の外壁塗装業者のほうが親切できめ細やかな対応を期待できます。
『外壁塗装パートナーズ』では、カンタンな情報入力だけであなたの街の優良な外壁塗装業者を最大3社まで同時にご紹介させていただきます。
施工実績が豊富な業者ばかりなので、パナホームの住宅を塗装した経験がある塗装業者に出会える確率も非常に高く、安心してマイホームの塗り替えをお任せできますよ。
パナホームでマイホームを建てた方で、そろそろ外壁のメンテナンスが必要だなと感じ始めた方は、まずはお気軽に外壁塗装パートナーズまでご相談ください!