外壁塗装はトラブルが多い?知っておきたい4つのトラブル対策!
外壁塗装の業界は、残念ながら「トラブルが多い」といわれています。
トラブルの多くは外壁塗装業界にはびこる悪質業者の存在が原因ですが、たとえ優良な塗装業者に施工してもらったとしても、ちょっとした行き違いや誤解がトラブルを生んでしまうことだってあります。
ここでは、外壁塗装に関する様々なトラブルの例を紹介しながら、実際の対処法や回避方法を挙げていきます。
関連記事:外壁塗装の相場について
>>外壁塗装の相場は?単価、塗料、坪数別の価格表まとめ
リフォームによるトラブルは年間1万件以上
リフォーム関係の紛争処理を支援する「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」では、毎年の相談件数を公開しています。
同センターがまとめる「住宅相談統計年報2018」によると、2017年中に受理した相談件数は2万8,142件で、うちリフォームに関する相談は1万138件でした。
相談件数 住宅相談統計年報2018 | 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター
グラフを見ると、新築など住宅に関する相談は年々増えていますが、リフォームに関する相談も年々増加していることがわかります。
ここでいうリフォームとは、増改築やリノベーションのような大規模な工事をはじめ、システムキッチンやユニットバスの新調などの部分工事も含んでいます。
そして、ここに『外壁塗装』も含まれているのです。
トラブルの中でも外壁塗装が断トツで多い?
年間1万件の相談のうち、外壁塗装がどれだけの件数を占めているのかは公開されていませんが、相当数の相談が寄せられているはずです。
ここで、同統計値の中でも、リフォーム工事において住宅のどの部分に不具合が認められたのかを見てみましょう。
主な不具合の減少 | 件数(複数回答) | 割合 | 不具合が多くみられる部位(件数が多い順番) |
---|---|---|---|
雨漏り | 541 | 16.1% | 屋根・外壁 |
はがれ | 505 | 15.0% | 外壁・屋根 |
性能不足 | 477 | 14.2% | 外壁・屋根・設備機器 |
ひび割れ | 370 | 11.0% | 外壁・屋根 |
汚れ | 303 | 9.0% | 外壁・床・屋根 |
この表は、一戸建て住宅におけるリフォームトラブルで住宅のどの部分に不具合が生じたのかについて、件数が多い上位5つのみを抽出したものです。
ご覧のとおり、上位のトラブルのほとんどが『外壁』または『屋根』において発生しています。
リフォーム工事に関するトラブルといえば、水漏れや「床が傾いている」といった致命的なものばかりに注目しがちですが、実は外壁・屋根のトラブルが断トツで多いのです。
この現状は無視できないでしょう。
これから外壁塗装を考えているという方は、トラブルの事例や原因、対策をしっかり学んでおくべきです。
外壁塗装に関するトラブル
外壁塗装のトラブルでまず考えられるのが『外壁』の塗り替えに関するトラブルです。
外壁塗装で起こり得るトラブルを紹介しましょう。
トラブル①
壁から水が漏れた
原因は?
室内の壁に水漏れや水のシミができるようになった場合は、塗り替えの際にサイディングボードのすき間に充填されたコーキングを傷めた可能性があります。
または、コーキングを新品に交換する『打ち替えの施工不良』が考えられます。
外壁塗装時にどんな施工をしたとしても、急に水漏れが起こるほどのダメージを与えることなど、まず考えられません。
壁の水漏れ・雨漏りトラブルのほとんどが、コーキングの劣化や施工不良で壁の内部に水が侵入し、防水層を侵してしまっているケースです。
コーキングがすでに劣化していたのであれば「塗り替えたのに水漏れした」のではなく、塗り替えをしようがしていなかろうが、どちらにしてもそのタイミングで水漏れが発生していたのです。
もし新築や前回の塗り替えから10年以上が経過しているのであれば、確実にコーキングが劣化しています。
塗装業者がコーキングのメンテナンスを勧めたのに「安く済ませたいから今回は見送りで」と断っていたのであれば、依頼主さま側のミスとしかいえません。
しかし、塗装業者からなんの説明もなかったのであれば、塗装業者の下地調整ミスと考えることもできます。
防水層まで水に侵されている場合は、いくら塗装の手直しをしても改善は期待できません。
部分的なコーキングで補修するか、覚悟を決めてサイディングの張り替えをするかの二択です。
こんな事態にならないために、塗装前にコーキングのメンテナンスを徹底することを含めて、下地調整をしっかりとしてくれる塗装業者を選ぶのが大切です。
トラブル②
想像してた出来上がりと違う
原因は?
基本的に依頼主さまが決めた色も、塗装業者が使った塗料の色も間違いはないのですが、「思っていた色と違う…」と感じる方は珍しくありません。
好みの色を決める際には、ほとんどの方がカタログのカラーチャートをみるか、または小さな板に実際の塗料を塗って作られた見本板を見て決めることになります。
見本の色は、印刷の都合などでやや濃くみえる傾向があるため、実際に住宅に塗装すると、思っていたよりも薄く冷めた色調になりがちです。
色味の違いは、指定した塗料と違うものを塗装業者が誤って使用した場合を除いては、塗り替えてもらえません。
ただし、塗装業者が塗装の基本を守らず手抜き工事をしていた場合は塗り替えを求めても良いでしょう。
外壁塗装の塗料は、下塗り・中塗り・上塗りの三度塗りが基本です。
塗料メーカーも、中塗りと上塗りの2回で重ね塗りすることで本来のとおりに発色することを想定しているため、色の塗料を1回しか塗っていないことが発覚すれば、塗り替えてもらえるはずです。
素人目にはわかりませんが、外壁塗装の職人なら、その外壁がちゃんと三度塗りをされているのか、それとも色の塗料は1回だけしか塗られていないのかは、すぐに見抜けます。
トラブルを回避するには、 カタログでも見本板でもいいので、室内の電灯の下で見るのではなく、実際に外壁にあてて見比べることをおすすめします。
電灯の光の下と、実際の太陽光の下とでは、塗料の発色に差が生じます。できるだけ天気の良い日に、外壁にあてて見比べてみましょう。
屋根の塗り替えに関するトラブル
屋根の塗り替えに関するトラブルは、外壁よりも切実です。
屋根にトラブルを抱えてしまうと、安心して住むことがままならなくなるからです。
ここでは、屋根の塗り替えに関するトラブルを紹介しましょう。
トラブル①
雨漏りが発生するようになった
屋根の塗り替えに関するトラブルでもっとも多いのが「塗り替えたら雨漏りが発生した」というものです。
雨漏りのトラブルで考えられる原因は主に2つです。
・職人が屋根を踏み割った
・塗装時に瓦のすき間を埋めてしまった
原因① 職人が屋根を踏み割った
まず考えられるのは、ごく単純なミスですが「職人が屋根を踏み割った」という可能性があります。
現代住宅の多くに使用されているコロニアルと呼ばれる屋根瓦は、厚さが段ボール紙程度しかないので、体重を一点にのせてしまうと簡単に踏み割ってしまいます。
ただ、瓦が割れてもすぐ下に防水層があるのでいきなり雨漏りが発生することはありません。
ところが、瓦を割ったはずみで防水層にまでダメージが達していると、塗り替えから数か月後には雨漏りが発生することがあります。
屋根を調べれば簡単にわかるので、調査をお願いしましょう。
原因② 塗装で瓦のすき間を埋めてしまった
屋根材にはダメージがないのに雨漏りする場合は、「塗装で瓦のすき間を埋めてしまった」です。
屋根の形状をよく見ると、瓦はすき間なく敷きつめられているようで、実は上下にわずかなすき間が設けられています。
このすき間は、実は雨水の通り道になっていて、絶対にふさいでしまってはいけないものです。
ところが、屋根の塗り替え時に塗料の厚みをつけすぎてしまうと、すき間がふさがってしまい、逃げ道を失った雨水が屋根の内部にたまってしまいます。
排水されずにたまった雨水は次第に防水層を侵食し、屋内にまでたどり着いて雨漏りが発生するのです。
マイホームの屋根がコロニアルの場合は、必ず塗装業者が『縁切り』をしてくれるのかを確認しておきましょう。
縁切りとは、塗装後の瓦にすき間ができるようにタスペーサーという部材を差し込む作業です。
タスペーサーを差し込むことで、瓦に適度なすき間を作って雨水の逃げ場を確保します。
間違っても「雨漏りが心配なのですき間をコーキングで埋めてしまいましょう」なんて言い出す塗装業者にはお任せしないようにしましょう。
トラブル②
屋根の塗装が剥げた
原因は?
屋根は常に直射日光や風雨にさらされているため、特に塗装が劣化しやすい箇所です。
すぐに塗装が剥げてしまうなどの劣化が認められる場合は、施工不良が疑われます。
高圧洗浄で洗い残しがあった、ケレン作業を含めた下地処理が甘かった、下地材と塗料の相性が悪かったなど、さまざまな施工不良が考えられます。
施工不良による塗装の剥がれが発生した場合は、施工した塗装業者にしっかりとやり直しをしてもらいましょう。
特に、塗り替えから2~3年以内にパリパリと塗料が剥がれてきた場合は、間違いなく施工不良です。
これまでの施工実績の写真をみせてもらったり、実際に施工した住宅を見学させてもらったりすることで、安心してお任せできる業者を選びましょう。
塗装部分ではない箇所のトラブル
塗装業者との間で発生するトラブルで意外と多いのが、外壁や屋根などの塗装部分ではなく、塗装部分ではない箇所のトラブルです。
どんな事例があるのか紹介しましょう。
トラブル①
庭木や車などに塗料が付着した
原因は?
周りに影響が出ないよう、塗装しない部分を保護していないことが原因です。
塗装する際には、住宅の周囲にあるものはすべて養生で保護して、塗料で汚染しないように対策を講じるのが基本です。
庭木などはビニールで覆うほか、車には専用のカバーを覆いかぶせて汚染を防ぎます。
もし、保護対策が十分ではなかったために庭木や車が塗料で汚染された場合は、塗装業者に修繕費用や交換費用を請求しましょう。
非常に細かい話ですが、たとえば縁側に置いていたサンダルが汚染されただけでも弁償してもらって当然です。
車のように修繕費用が高くなるものについては、修繕の見積書を添えて請求しましょう。
トラブル②
塗料などが邪魔になる
原因は?
住宅の塗り替えの現場では、塗装で使用する材料を現場で保管することになります。
一般的な大きさの住宅でも、外壁・屋根の塗り替えをすれば一斗缶にして10缶以上の材料を使うので、依頼主さまにお願いして材料や機材を置く場所を確保してもらうのが普通です。
ところが、依頼主さまと塗装業者のコミュニケーションが上手くいっていないと、依頼主さまの邪魔になるような場所に置き場が設けられてしまうことがあります。
塗装業者としても日常生活の邪魔にならない場所に置き場を確保しますが、もし邪魔になる場合は遠慮なく申し出ましょう。
また、工事が始まる前に「ここを使って」と指示しておけば、塗料などの材料や機材などが邪魔になることもなくなるはずです。
トラブル③
高圧洗浄で洗濯物や家財が濡れてしまった
原因は?
高圧洗浄が行われる日程は塗装業者から事前に通知されます。
住宅から少し離れた庭先などに干せば大丈夫だろうと思っていると、水が飛散して濡れてしまうので、洗濯物などの塗れてはいけないものは室内に移動しましょう。
また、すべての窓は閉めてカギをかけておくことをお忘れなく。
高圧洗浄の力は相当に激しいので、窓にカギがかかっていないと水圧で窓が開いてしまい、室内に水が侵入してしまいます。
ここまでは依頼主さま側が注意するべき点ですが、塗装業者のミスで室内に水が侵入してしまうこともあります。
いくら閉め切っていたとしても、窓サッシの周辺や外壁にひび割れがある箇所にノズルを向け続けると、わずかなすき間や損傷個所から水が侵入してしまうのです。
壁や床が少々濡れた程度であれば拭き掃除すれば問題はないはずですが、電化製品などが濡れてしまった場合は塗装業者に申し出るべきでしょう。
大抵の塗装業者は、工事中に誤って依頼主さま方の財産を損壊したときのための損害保険に加入しているので、スムーズに補償が受けられるはずです。
外壁塗装のトラブルを回避するには業者選びが重要
外壁塗装で起こり得るトラブルを紹介しましたが、トラブル事例ばかりを紹介してしまうと「ちょっと怖いな」と感じてしまったかもしれませんね。
ここで紹介したようなトラブルを防ぐために大切にしていただきたいのが「業者選び」です。
外壁塗装の成否は業者選びで決まるといっても過言ではありません。
ぜひ、安心して大切なマイホームの塗り替えをお任せできる塗装業者と出会いたいですよね。
外壁塗装のパートナーズでは、あなたがお住まいの街で評判が良い優良な塗装業者を、わずか3ステップで最大3社までご紹介いたします。
もちろん、トラブルしらずの優良な業者ばかりを厳選しているので、安心してお任せいただけます。
外壁塗装のトラブルを回避して納得の仕上がりを求めたいのなら、ぜひ外壁塗装パートナーズまでご相談ください。