外壁塗装の契約書で確認すべき9つのポイント!提案書との違いは?
外壁塗装業者を決めて、好みの色や塗料を選んだら、いよいよ契約を交わすことになります。
契約書と聞くとなんだか難しい内容が書かれていて、読む気をなくしてしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、外壁塗装において契約書は非常に重要なもの。
「読んでいなかった」では済まされないので、必ず細部まで確認するようにしましょう。
こちらの項目では、外壁塗装の契約書を見る時に確認すべき9つのポイントをまとめています。
外壁塗装工事の前には必ず契約書の内容をチェック
外壁塗装をする時は、業者選びや塗料選びをするだけでも一苦労。
まして、初めての外壁塗装ではなおさらです。
しかし、業者選びだけにこだわって「安い業者を見つけた!」と喜んでいてはいけません。
外壁塗装をする際は、契約書の内容についても詳しく確認する必要があります。
後悔する結果に終わらないよう、難しくても契約書の内容はきちんとチェックするようにしましょう。
工事で交わす請負契約書とは
外壁塗装の工事を依頼する際、交わすことになる契約書が請負契約書です。
業者の中には契約書を発行せずに工事を行うところもありますが、無用なトラブルを避けるためにも契約書は必須。
こちらから契約書を交わすように頼んでも対応してくれないようであれば、別の業者へ依頼することを検討してみてもいいかもしれません。
さて、そんな外壁塗装工事をする上で重要な請負契約書には、どんな効力があるのでしょうか。
外壁塗装の請負契約書には、大きく分けると次の3種類の効力があります。
- 契約(工事)の内容を両者で明確にする
- トラブルを回避する
- 事前に取り決めた約束を証拠として残す
①については、契約を締結する両者の間で内容に関する解釈の違いをなくし、共通認識として明確にするということです。
例えば、施主がチラシを見て「工事後の保証は10年だ」と認識していても、実際の契約プランだと条件を満たしておらず保証が5年になってしまう場合があります。
この場合、施主と工事業者の間で認識の相違があるということです。
もし契約書に保証期間が明記されていなければ、どちらが正しいかを証明しにくくなってしまいます。
しかし、契約書に「保証期間は5年」という旨が明記されていれば、施主はその内容を確認して保証内容を正しく認識することが可能です。
そして②についても、契約書を交わして取り決めの内容を明らかにしておけば、後々のトラブルを防ぎやすいのは明らかです。
③については、もしトラブルに発展した時でも、契約書を証拠として提示すれば相手を納得させることが可能です。
外壁塗装はトラブルが多い分野
住宅関係には様々な工事がありますが、中でも外壁塗装はトラブルが多い分野です。
なぜトラブルが多いのかというと、手抜き工事をしやすいからです。
外壁塗装において請負契約書を交わすことが大切だとお伝えしました。
契約書を交わしておけば、万が一業者が不備を起こした時でも法律で守られるからです。
しかし裏を返せば、消費者にとって不利な契約を結ばされた場合、契約書を盾にして不当な対応をされてしまう可能性もあるということです。
実際に、国民生活センターには外壁塗装によるトラブルの相談や苦情が寄せられています。
そのため、トラブルを回避するためにも、外壁塗装の請負契約書は締結前に内容をきちんと確認する必要があるのです。
契約書と提案書の違い
外壁塗装の契約では、様々な書類が必要になります。
その中で、契約書と提案書とはどのように違うものなのでしょうか。
提案書とは、現地調査の担当者が住宅の状態を診断し、どのような工事が必要になるかという提案をまとめた書類です。
つまり提案書は、依頼主であるあなたに対して「こんな外壁塗装がおすすめですよ」と提案する書類のことです。
外壁塗装における契約書は、先ほど説明した通りです。
外壁塗装を行う際には様々な書類が渡されることになりますが、提案書や見積書などそれぞれの意味をきちんと把握しておくとスムーズです。
契約書を見る時に確認すべきポイント
外壁塗装の請負契約書について理解したところで、契約書を見る時に確認すべきポイントをお伝えします。
「外壁塗装の知識がないから契約書なんてわからない」と諦めず、ぜひこちらの内容を参考にしてみてください。
①必要な書類が揃っているか
②見積書と契約書の内容に相違がないか
③工事の詳細と金額が明示されているか
④材料費と工事費が「一式」で書かれていないか
⑤塗料の製品名が記載されているか
⑥外壁や屋根の工事面積が記載されているか
⑦使用する塗料の数量は明記されているか
⑧工期が明記されているか
⑨工事費用の支払い方法に納得しているか
ポイント①
必要な書類が揃っているか
外壁塗装の契約書を見る時、まずは必要な書類が全て揃っているかを確認しましょう。
外壁塗装の契約を交わす時に必要となる書類は、以下のものです。
- 請負契約書
- 請負契約の約款
- 見積書
1つ目の請負契約書について、こちらがメインの契約書ですから、用意されているのは当然ですね。
そして2つ目の約款(やっかん)について、こちらはたくさんの取引を行う上で定型化された契約条項のことです。
外壁塗装業者はたくさんの依頼を請け負っているため、一軒一軒契約書の内容を変えたり作成したりしていては大きな手間です。
そこで、外壁塗装において基本となる契約条項は約款として定型化してまとめているのです。
約款には細かい文字がたくさん書かれていて読むのが嫌になってしまうかもしれませんが、こちらも重要な契約内容であるため必ず隅々まで確認するようにしましょう。
3つ目の見積書は、契約書の内容が事前に約束していた内容であるかどうかを確認するために必要です。
ポイント②
見積書と契約書の内容に相違がないか
契約に必要な書類が全て揃ったところで、見積書と契約書の内容に相違がないかを確認しましょう。
工事金額が変わっていないことを確かめるのはもちろん、変わっている場合はその理由を絶対に聞くようにしましょう。
もちろん、誠実な業者であればこちらから言わなくても説明してくれます。
さらに、確認すべきなのは工事金額だけではありません。
見積書に記載されていた工程が契約書では省略されていては大変ですので、工事金額以外の部分も細かくチェックすることが大切です。
ポイント③
工事の詳細と金額が明示されているか
次に、工事の詳細を確認しましょう。
契約書に金額が書かれているのは当然ですが、工事の名称や場所、支払い方法についても記載があるはずです。
それらの内容に間違いがないかをチェックします。
ポイント④
材料費と工事費が「一式」で書かれていないか
材料費と工事費が一式で書かれている場合、内容が不透明なので注意が必要です。
少々面倒かもしれませんが、どんな材料にどれくらいの費用が必要で、工事にはどの程度の費用が必要なのかを明確に把握しましょう。
ポイント⑤
塗料の製品名が記載されているか
外壁塗装をする際、塗料の色やグレードをお選びになることでしょう。
契約書を確認するときは、選んだ通りの塗料が記載されているかを確認する必要があります。
また、塗料の製品名が書かれていることも重要です。
なぜなら、選んだ塗料と同じ色・グレードであっても安価な別の塗料に差し変わっている可能性もあるからです。
ポイント⑥
外壁や屋根の工事面積が記載されているか
外壁塗装の費用は工事面積の広さによって変わってきます。
外壁や屋根の工事面積が広ければ広いほど、材料費も人件費も必要になるからです。
適正価格な外壁塗装を行うためにも、外壁や屋根の工事面積が明確に算出されているかを確認しましょう。
ポイント⑦
使用する塗料の数量は明記されているか
工事面積が算出されれば、どの程度の量の塗料が必要になるかを算出することができます。
そのため、使用する塗料が何缶になるのかという数量が契約書に書かれていることを確認しましょう。
ポイント⑧
工期が明記されているか
契約書に工期が明記されているかどうかも重要なポイントです。
書かれていなかった場合、後から「工期が延びた」と言って追加料金を取られてしまう可能性もゼロではありません。
ポイント⑨
工事費用の支払い方法に納得しているか
外壁塗装の工事費用は、着手前と工事の途中、そして完工後の3回に分けて支払うのが一般的です。
しかし、業者によっては2回払いや前払いなどのケースもあります。
こういった支払いの方法について、あなたが本当に納得しているのであれば契約を結ぶようにしましょう。
契約約款に記載される代表的な事柄
それでは次に、契約約款に記載される代表的な事柄を紹介します。
きちんと対応している業者であれば、約款にはこれらに関する条項が記載されているはずです。
条項の文言は業者によって異なりますので、見つけられない場合は担当者に質問してみましょう。
①一括請負や一括委任に関する禁止条項
②不測の事態が発生した時の対応について
③保証等の権利譲渡の禁止条項
④瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)に関する条項
⑤工期の変更が必要な場合に関する取り決め
⑥契約者以外の第三者に損害を与えた時の対応について
確認すべき内容①一括請負や一括委任に関する禁止条項
建設業法において、業者が請け負った工事における全ての工程を下請けに依頼することは禁止されています。
これは、工事品質を確保したり工事の責任を明確化したりするための法律です。
外壁塗装の請負契約約款には、一括請負や一括委託を禁止する条項が記載されています。
事前に営業担当者から聞かされていた「自社一貫の外壁塗装です。」という売り文句は過剰になっている場合がありますので、実際はどの部分まで自社工事なのかを確認しておくとスムーズです。
確認すべき内容②不測の事態が発生した時の対応について
請負契約の約款には、工事を進めていく上で不測の事態が発生した時の対応についても書かれている場合が多いです。
例を挙げると、工事を進めていく上で住宅の床下にシロアリが見つかった場合などがあります。
シロアリの被害が甚大になっている場合、外壁塗装の工事を正しく行えないことも。
そういったケースでは、施主と工事業者が協議を行って工事内容を変更することになります。
なお、施主に相談することなく業者が別の工事を行ったり、後から追加料金を請求したりする行為は不当です。
確認すべき内容③保証等の権利譲渡の禁止条項
外壁塗装の契約では、アフターフォローや保証が含まれていることも多いです。
しかし、これらの権利は通常、他人に譲渡することができません。
例えば、外壁塗装を行った後にその家を売った場合、売主に対して外壁塗装の保証は引き継がれないということです。
確認すべき内容④瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)に関する条項
住宅の工事に関するものとして、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)という言葉を目にした経験のある方も多いはず。
瑕疵とは目には見えない部分の不備やトラブルのことです。
外壁塗装における瑕疵担保責任とは、工事により外壁に傷がついてしまった場合やその他の不備があった時に、業者が責任を負う義務のことです。
確認すべき内容⑤工期の変更が必要な場合に関する取り決め
依頼主である施主は、自分の都合で工期を変更したり工事を中止したりすることが可能です。
具体例を挙げると、外壁塗装がある程度仕上がってきたものの色がイメージと違い、色の変更とともに塗り直しを依頼するケースがあります。
ただし、施主が自分の都合で変更を求めるのですから、内容によっては業者に追加費用や損害賠償を支払わなければならないことがあります。
また、外壁塗装の工事は天候の影響を受けやすいので、想定外の雨が降り続いた場合などは工期が延長になることもあります。
こういった、工期の変更に関する条項が契約約款には記載されています。
確認すべき内容⑥契約者以外の第三者に損害を与えた時の対応について
請負契約約款には、契約者以外の第三者に損害を与えた時の対応に関する条項が記載されている場合があります。
第三者とは、例えば隣の家に住んでいる人などが挙げられます。
塗装工事の最中に塗料を飛ばしてしまい、隣人の車を汚してしまっては大変です。
万が一の時を考えて、責任の所在はどこにあるのかを契約段階で明確にしておくことが大切です。
外壁塗装の契約後に問題に気づいた場合の対処法
それでは最後に、外壁塗装を契約した後に契約書の問題に気づいた時の対処法を紹介します。
急げば間に合う制度もありますので、困ったことがあれば早めに行動することが大切です。
- クーリングオフ制度を利用する
- 第三者機関に相談する
クーリングオフ制度を利用する
訪問販売で外壁塗装業者と契約した場合は、契約内容に納得できなければクーリングオフをすることが可能です。
クーリングオフ制度の対象となるのは、契約日から起算して8日以内である場合のみです。
それを超えると基本的には対象外となってしまうので注意しましょう。
また、施主自身が問い合わせをして契約した場合や、店舗を訪れて契約した場合などはクーリングオフの対象にはなりません。
これはあくまで、クーリングオフが強引な押し付け販売のような契約から消費者を守るための制度だからです。
第三者機関に相談する
外壁塗装の契約後に何か困ったことやトラブルがあれば、第三者機関に相談するという方法があります。
第三者機関として挙げられるのは、独立行政法人国民生活センター です。
こちらから、全国の消費生活センターを探すことができます。
困ったことがあれば、ぜひお近くの消費生活センターに相談してみてくださいね。
まとめ
今回の記事では、外壁塗装の契約書を見る時に確認すべき9つのポイントを紹介しました。
大切なマイホームのメンテナンスである外壁塗装は、高品質な工事をしてもらいたいものです。
期待通りの仕上がりを実現するためにも、無用なトラブルを避けるためにも、外壁塗装の契約書の内容はきちんと確認するようにしましょう。
なお、外壁塗装の契約書についてお気付きの点があれば、私たち外壁塗装パートナーズが相談に乗らせていただきます。
契約後であっても構いませんので、お気軽にご相談くださいませ。