三井ホームに外壁塗装を依頼していい?SBフィニッシュと費用を安くするコツを解説
この記事でわかること
- 三井ホームの外壁塗装は一般的な相場価格
- 外壁塗装業者はどこにお願いすべきか
- 三井ホームの外壁塗装をお願いするメリット
- 塗料「SBフィニッシュ」と「MGクレイ」の特徴
大手のハウスメーカーの中でも、温もりのある家づくりで定評がある『三井ホーム』。
住宅の満足度の高さから「三井ホームで建てたのなら、外壁塗装も三井ホームで」と考える方が多いですが、三井ホームの外壁塗装は一般的な相場価格よりかなり高めになる傾向があります。
この記事では、「三井ホームの住宅の外壁塗装は三井ホームに依頼するべきか」という点について徹底的に解説します。
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はじめに 三井ホーム以外の業者でも塗装は「可能」です
まず「そもそも三井ホームの住宅の外壁塗装は三井ホーム以外の業者に頼んでいいのか」という点をお伝えします。
答えはYES。三井ホーム以外の業者に外壁塗装を依頼することはまったく問題ありません。
三井ホームと外部業者 それぞれのメリットは
では、三井ホームと外部の塗装業者、どちらに依頼するのが良い選択なのでしょうか。
それぞれのメリットをまとめました。
三井ホームに外壁塗装を依頼するメリット
長期保証サポート「キープウェル」が維持できる
三井ホームに外壁塗装を依頼するメリットは長期サポート「キープウェル」が維持できる点です。
「キープウェル」とは、三井ホームが提供する点検、メンテナンスサービスのことで、10年ごとの定期点検と必要な有料メンテナンスを実施することを条件に、基礎と構造躯体を最長で30年間保証する制度です。
三井ホームの「キープウェル」に限らず、ハウスメーカーが提供する長期サポート制度には魅力を感じている方が多いですが、「メンテナンスは有料」「保証範囲が基礎と構造躯体だけ」「地震などによる不具合は火災保険・地震保険でカバーできる」という点を考えると、さほど重要ではないという見方ができます。
この後に詳しく解説しますが、ハウスメーカーの外壁塗装の価格は非常に高く、長期サポートの維持だけを目的に、ハウスメーカーに外壁塗装を頼むことは「割に合わない」と考えるのが妥当だと思います。
外部の業者に外壁塗装を依頼するメリット
価格が大幅に安くなる
三井ホームではなく、外部の一般的な塗装業者に外壁塗装を依頼した場合、最大のメリットは「価格が大幅に安くなる」ということです。
三井ホームに限らず、大手ハウスメーカーの外壁塗装は非常に高額になる傾向があるため、外部の業者に依頼するだけで大幅に費用を節約することができます。
標準的なケースでは、一般的な塗装業者では100万円程度の塗装工事の場合、ハウスメーカーに依頼すると150万円程度の費用がかかります。
なぜ、三井ホームなどのハウスメーカーに外壁塗装を依頼するとこれほどまで高額になるかというと以下の理由が挙げられます。
三井ホームなどハウスメーカーの塗装が高い理由
- 工事が下請け業者になるので、中間マージンが発生
- 単純に利益設定が高すぎる
ハウスメーカーに外壁塗装を依頼しても、実際の塗装は下請け業者がすることになります。
塗装業者に直接依頼すれば必要のなかった販売手数料、つまり中間マージンがかかる分費用が上乗せになってしまいます。
とはいえ、本来であればいくら中間マージンがかかるといってもここまで高額になるということはありません。
単純に利益の設定が高すぎるということも、ハウスメーカーの外壁塗装の価格が高い理由です。
ハウスメーカーの過剰に高い価格設定と、それでも選ばせるための住宅保証(実際に必要になることはほぼない)での囲い込みはリフォーム業界全体においても問題視されることがあります。
塗装の品質には差がない
一般的な塗装店ではなく、ハウスメーカーの方が塗装の品質が高い、と考えている方が稀にいますが、「塗装の品質に差はない」と断言できます。
理由はシンプルで、前述したように、ハウスメーカーに依頼をしたとしても、実際に塗装をするのは下請けの一般的な塗装店だからです。
「ハウスメーカー独自の塗料があるため、ハウスメーカーに依頼した方が安心」と考えている方もいますが、
オリジナル塗料といっても、製造元は一般的な塗料メーカーであり、特殊な塗料というわけではありません。
(コンビニのプライベートブランドのようなものだと説明するとわかりやすいでしょうか)
塗装業者と塗料、どちらについてもハウスメーカーだから優れているということはありません。
三井ホームの外壁の特徴
三井ホームの外壁の特徴についても改めて確認しておきましょう。
三井ホームの外壁は上品な「吹き付け」仕上げであることが一番の特徴です。
現在、大手ハウスメーカーではサイディングと言われる板状の素材を貼り合わせた外壁が主流ですが、三井ホームでは「エアスプレーガン」を使用して外壁に吹き付ける仕様を標準としています。
三井ホームは外壁の吹き付け仕上げ以下の5つのパターンを用意しています。
吹放し仕上げ
リシンなどの骨材を混ぜた塗料をスプレーで吹き付けたのみの仕上げ方法です。
旧来からの吹き付け仕上げの中でもっともスタンダードな方法で、仕上げの単価としては安くなります。
キャニオン仕上げ
骨材入りの塗料を吹き付けた後、キャニオンローラーというプラスチック製のローラーを転がして仕上げる方法です。
キャニオンローラーとは、幅の広いバネのような形状をしたローラーで、もっとわかりやすく例えるとお祭りなどで目にするトルネードポテトのような形をしています。
キャニオンローラーを横方向に向かって転がすことで、細かな横溝がその名のとおり「渓谷」のような模様に仕上がります。
テール仕上げ
テール仕上げとは、三井ホームと非常に親密な関係にある塗料メーカー『エスケー化研』が考案した仕上げ方法です。
骨材入りの塗料を吹き付けた後、コテで平滑に押さえて仕上げることで、ザラザラ感をなくした上品な仕上がりになります。
トラバーチン仕上げ
テール仕上げと似ていますが、さらに気品が増すのがトラバーチン仕上げです。
通常の吹き付けに使用するものよりも大きめの骨材を混ぜて吹き付け、乾燥前にコテで均すことで、大きめの骨材が引きずられた模様ができます。
主に地中海地方を中心に採石される石灰岩を使用しており、ローマのコロッセオなど歴史的な建造物でも使用されている気品高い仕上げ方法です。
こてランダム仕上げ
小さな骨材入りの塗料を吹き付けた後に、コテで扇状の模様を描きながら仕上げる方法です。
コテで模様を描くという和風の伝統技術が活かされつつも、外壁に使用するとモダンな印象になるという、高級感が高い仕上がりになります。
塗料は「エスケー化研」製のSBフィニッシュとMGクレイを使用
三井ホームの外壁には「SBフィニッシュ」または「MGクレイ」という塗料が使われます。
「SBフィニッシュ」と「MGクレイ」はいずれも塗料メーカーの「エスケー化研」が製造をしています。
「エスケー化研」は建築仕上げ塗材の国内最大手メーカーで、日本ペイント、関西ペイントと並んで国内の3大塗料メーカーとして大きなシェアを誇っています。
もしかすると、SBフィニッシュやMGクレイは、エスケー化研のホームページに掲載されていない、ということに疑問を持つ方もいるかもしれませんが、これはSBフィニッシュとMGクレイは、エスケー化研が製造している「三井ホーム専用の外壁仕上げ材」だからです。
ちなみに、「SBフィニッシュ」と「MGクレイ」を比較すると、「MGクレイ」の方がグレードが上の高級な製品です。
外壁塗装パートナーズでは「SBフィニッシュ」と「MGクレイ」の施工実績や似た塗料を提案できる塗装店もご紹介可能です。
お気軽にお問い合わせ下さい。
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外壁の色はナチュラル系が人気
吹き付け仕上げの外壁は壁面に凹凸が多いためツヤはなく、自然な風合いが魅力であるため、淡いナチュラル系のカラーがラインナップされています。
ベーシックなホワイト・ベージュ・ブラウン系のほか、つや消しがシックなブラック系、パステルながら和風の雰囲気を醸し出すグリーン系も人気があります。
ちなみに、エスケー化研が製造しているSBフィニッシュやMGクレイは、もともとは色がついた塗料で、そこにサンドと呼ばれる骨材を投入してミキサーで混ぜることで吹き付け材が完成します。
骨材を混ぜた吹き付け材は保存が利きません。
骨材の混入は常に塗装の直前におこなわれるので、三井ホームの外壁仕上げの現場では、塗装する職人と吹き付け材を調合する職人とが手分けをして作業をおこないます。
三井ホームの外壁塗装 工事の5つのポイント
かなり細かい話になってしまいますが、三井ホームの外壁に塗装する際の注意点です。
マニアックで技術的な話になりますので施主さんは無理に読まずにスキップしていただいても問題ありません。
「吸い込み」を抑えて塗装する必要がある
三井ホームの住宅の外壁は吹き付け仕上げです。
もしそのまま新たに塗料を塗っても、外壁が塗料を吸収してしまい(吸い込み)美しく塗装できません。
吹き付け仕上げの外壁を塗装する場合は、まずは塗料の吸い込みを抑えるために下地材を塗装する必要があります。
外壁の模様を活かしたいなら下地にシーラーを塗装する
三井ホームの住宅の外壁は骨材入りの塗料を吹き付けたうえで模様を描いている仕上げが多いので、せっかく仕上げてもらった模様をそのまま活かしたいと感じる方も多いと思います。
もともとの模様を活かして塗り替える場合は、下地の吸い込みを防ぎ、新たな塗料との密着を高めるために『シーラー』という下地材を塗装します。
シーラーは水状の下地材で、ローラーから滴るほどにたっぷりと塗りこむことで、外壁の凹凸にもしっかりと入り込みます。
外壁の劣化が激しいなら下地にフィラーを塗装する
吹き付け仕上げの外壁は、全体的に硬くて力の逃げ場がないため、時間の経過によってひび割れが起こりやすいという特徴があります。
外壁のひび割れを『クラック』といい、髪の毛のように細い『ヘアクラック』が起きている程度なら簡単な補修や塗装だけでも対応できます。
ところが、長い・深いクラックが発生すると、補修しても傷跡のように残ってしまうため、全体的に補修したほうが見栄えが良くなることもあります。
クラックが複数ある場合など、外壁の劣化が激しいケースでは下地に『フィラー』という塗料を塗装します。
フィラーは粘り気が強いペースト状の下地材で、クラックのすき間に入り込んで補修する役割も果たします。
一点だけ注意するべきなのは、フィラーは厚みをつけて塗装する下地材だということです。
厚みがあるため、もともとの模様が活かされないというデメリットがありますが、タイル仕上げやマスチック仕上げという別の模様をつける仕上げ方法があるので、塗装業者と相談してみると良いでしょう。
三井ホームの自然な風合いを活かす塗料選び
三井ホームの住宅は、自然な風合いを活かしたデザインであるため、ピカピカとした塗装が似合いません。
中塗り・上塗りに使用する塗料は、ツヤを抑えた『つや消し塗料』の使用がおすすめです。
つや消し塗料には段階があり、3分・5分・7分のようにつやを消す度合いが選べます。
あまりつやを落としすぎると塗膜の平滑さが失われて汚れが付きやすくなるので、5分程度が適当でしょう。
また、塗料そのものが自然な風合いを持つものとして、無機塗料の使用もおすすめです。
無機塗料は、ケイ素などの無機物を配合した塗料で、外壁塗装で使用する塗料のグレードとしては最高級に位置付けられます。
紫外線に強く塗膜が劣化しにくい、有機物の含有量が少ないためコケやカビが発生しにくい、親水性が高いため汚れが付きにくいというメリットがあり、耐用年数も約15年以上を誇ります。
無機塗料は無機物を配合している都合上、もともとつやが抑え気味なので、三井ホームの住宅が持つ自然な風合いとマッチします。
屋根は紫外線に強いもので塗装する
三井ホームの住宅の屋根は、瓦葺きが標準施工となっています。
スタンダードなコロニアル屋根のほか、モダンな瓦もラインナップされていますが、製品自体が高断熱性を特徴としているため、グレードダウンは避けたいところでしょう。
屋根塗装に関しては、外壁のように「三井ホームの住宅だから」といって特にこだわる必要はありません。
塗料のグレードとしては安価で低スペックなアクリル樹脂系・ウレタン樹脂系を避けておけば、シリコン樹脂系やフッ素樹脂系で十分です。
さらに高断熱性を求めたいのであれば、断熱・遮熱系の塗料もありますが、費用が高額になるというデメリットがあります。
断熱・遮熱系の塗料は「こだわりがあれば」という程度の選択肢として頭の隅に置いておけば良いでしょう。
塗装業者を自分で見つけるのがスマートな選択
この記事では「三井ホームの住宅の外壁塗装は三井ホームに依頼するべきか」という点について解説してきました。
結論を書くと、「三井ホームの住宅であったとしても、自社で塗装をしてくれる業者に直接依頼するのが、スマートな選択である」と言えます。
生命保険に膨大な費用を投資するようなイメージで、「長期サポートを維持するためならいくらでも払っていい」ということであれば話は別ですが、コストパフォーマンスの面では一般の塗装店に依頼したほうが優れているのは明確だからです。
最後になりましたが、「外壁塗装パートナーズ」では、下請け構造による塗装工事費用の高騰や、手抜き工事が頻発する塗装業界の現状を改善したいと考え、
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