外壁塗装している間でもエアコンは使えるのか?室外機は移動しておくべき?
外壁塗装ではお家をまるごと塗装しますが、気になるのがエアコンの取り扱いです。
真夏の暑い時期・真冬の寒い時期では、外壁塗装の工事中でもエアコンが使えるのか心配になるでしょう。
また、壁面にはエアコンからつながるホースが配管されているし、ベランダや屋根には室外機を置いているはずです。
ホースや室外機は、外壁とのすき間がほとんどない状態で配置されているケースが多いので「塗装の邪魔になるのでは?」とも心配になりますよね。
ベランダや屋根に置いている室外機は、塗装の邪魔にならないように自分で移動しておくべきなのでしょうか?
外壁塗装の工事中はエアコンが使えない!
まず結論をお伝えしましょう。
外壁塗装の工事中は、基本的にエアコンが使えなくなります。
外壁塗装の標準的な工期は10日前後なので、その期間中は安全のためにもエアコンは使えないものと考えておきましょう。
エアコンが使えない理由①
『養生』があるため
外壁塗装では、塗装を施さない部分をマスキングする『養生』をおこないます。
養生では、布テープ・紙テープを使ってビニールで覆うほか、ビニールとテープが一体化した『マスカー』と呼ばれる資材も使用します。
養生を施された部分はすき間なくビニールで覆われてしまうため、エアコンの室外機は給排気ができず、正常に機能しません。
また、室外機の中ではファンが高速回転しているため、万が一にでも異物が巻き込まれてしまえば故障の原因になります。
室外機などを養生するのは大切な家電製品を汚さないため、養生を施した室外機を稼働させないのも家電製品の故障を防ぐためですから、この点は「仕方がない」と考えるしかありません。
エアコンが使えない理由②
施工不良の原因になるため
エアコンを使うと、配管(ドレンホース)から水が排出されます。
冷房運転中のエアコンは、内部で温かい空気を冷たい空気へと変換しているため、結露が発生します。
内部で発生した結露は、正常であれば配管を通って室外へと排出されるため、もし乾燥前の塗装面に排水が流れてしまうと、色ムラや硬化不良を起こす危険があります。
2階部分では屋根やベランダに室外機を置くことが多く、配管からの排水は屋根や雨樋、ベランダの排水溝に流すため、特に施工不良を起こしやすくなります。
また、1階部分でも、配管からの排水が外壁を伝ってしまう、排水が跳ねて外壁に付着するといったことも予想されるため、やはり施工不良を起こす原因となります。
エアコンが使えない理由③
有害物質が室内に入ってしまうため
基本的にエアコンには外気を取り込む機能はありません。
エアコンは室内の空気を取り込んで冷やす、温める機械なので、通常の製品であれば外気の影響を気にする必要はないのです。
ところが、2000年半ばころに一部のメーカーから販売されていた『酸素エアコン』と呼ばれる機種は、外気を利用して新鮮な酸素を室内に供給する機能を持っています。
酸素エアコンについて
室外機で作り出した高濃度の酸素を、お部屋の中に送り込むことで室内の空気をリフレッシュさせる機能です。
もし、外壁に溶剤系の塗料を使用していたり、吹き付け塗装をして霧状の塗料が飛散していたりする状況で酸素エアコンを稼働させてしまうと、室外の有害物質が密閉された室内に流れ込む危険があります。
重大な健康被害が起きるというわけではありませんが、一時的に中毒症状を起こすことがあるので、該当機種を使用している場合は絶対にエアコンを使ってはいけません。
『室外機用養生カバー』を使えば外壁塗装の工事中でも使用可能
基本的には外壁塗装の工事中のエアコン運転は不可ですが、そうはいっても室内で快適に過ごすにはエアコン運転が必須の場合もあります。
冬場はファンヒーターやストーブなどの代替製品があるのでなんとかしのげますが、真夏ではエアコンを使わないと生命の危険にかかわる問題にもなりかねません。
特に外壁塗装の工事中は窓も開放できないため、せめてエアコンは使えるようにして欲しいところでしょう。
最近ではこういった背景を考慮して、室外機の養生をビニールで覆うタイプではなく『室外機用養生カバー』で対応してくれる外壁塗装業者が増えました。
天板部分はポリエチレン、左右前後の面はメッシュ素材になっているので、上からの塗料垂れによる汚れをしっかりとカバーしながら、エアコンの運転に必要な通気が確保できます。
幾分かは通気が妨げられているので、通常どおりに運転しても問題がないとは断言できませんが、連続運転さえ避ければ大丈夫でしょう。
自分で室外機を移動する必要はない
ベランダや屋根に室外機を置いていたとしても、自分で室外機を移動する必要はありません。
エアコンの室外機は軽いもので30kg程度、重たいものでは50kg以上もあるので、自分で移動させようとするとケガをしてしまったり、不意の落下などで故障させたりといった危険があります。
また、室外機は必ずしも塗装の邪魔になるわけではないので、移動の要・不要を含めて、塗装業者にお任せするほうが無難です。
室外機を不用意に移動させると、エアコンガスを循環させるホースが抜けてしまい、故障の原因にもなるので、ご自分での移動は避けましょう。
エアコンはどんな仕組みで構成されているのか?
エアコンはお部屋に見えている本体だけで温風・冷風が出ているわけではありません。
エアコンは次の構成で動作しています。
- 室内機(室内の壁に設置するエアコンの本体)
- 室外機(屋外に設置する機械で、熱交換器・減圧器・圧縮機などが内蔵されている)
- 配管類(電源・冷媒管・ドレンホース)
外壁塗装で関係するのは室外機と配管類です。
室外機や配管類を必要としないタイプもありますが、これは『窓型エアコン』と呼ばれる製品で、外壁塗装においてはあまり邪魔になりません。
ただし、窓と同時に養生してしまううえに、専用の養生カバーも販売されていないので、外壁塗装の工事中はまったく使用できなくなります。
外壁塗装におけるエアコンまわりの工事の流れ
外壁塗装の工事では、エアコンまわりをどのような手順で塗装するのでしょうか?
エアコンまわりの塗装工事の工程について解説します。
①養生前の準備
外壁塗装工事の流れでは、最初に足場を建てて高圧洗浄をおこないます。
外壁の汚れを高圧水で洗い流す工程ですが、室外機に大量の水や洗い流した汚れが入り込んでしまうのを防ぐために、高圧洗浄に先立って養生を施す必要があります。
さらに、養生を施すために必要であれば、室外機を移動させる、配管を含めて室外機を撤去するといった準備をおこないます。
②室外機・配管類の養生
高圧洗浄をおこなう前に、マスカーや室外機用養生カバーをかぶせて養生をほどこします。
養生の際には、塗料が室外機に落ちて汚れてしまわないように、全面をしっかりと覆います。
配管類は室内から室外機まで伸びていますが、ほとんどの住宅では配管類がぶらぶらと垂れ下がることがないように外壁に固定しています。
外壁に固定されている配管類は、マスカーを細く折りたたんで紙テープですき間なく覆います。
固定されていない配管類も、マスカーを巻くようにしてすべて覆い、塗料による汚れを防止します。
ただし、外壁に固定された配管類がカバーなどで覆われている場合は、外壁を塗装する際にカバーも塗装してしまうため、養生をしないことがあります。
③室外機・配管類まわりの塗装
実際に室外機・配管類のまわりを塗装する際には、いくら養生をしていてもできるだけ養生に触れないように丁寧に作業します。
固定した配管類の周囲などは、ローラーではなくハケで丁寧に作業して塗りムラや塗り漏れが起きないように注意します。
④養生の撤去
塗装が終わったら丁寧に養生を撤去します。
配管類や接続部位を傷めてしまうおそれがあるので、乱雑に剥がすことがないように配慮します。
室外機や配管類の撤去を伴う場合は専門業者を!
外壁塗装の業者は、これまでに数多くの施工実績を持っているベテラン揃いです。
エアコンの室外機が設置されていて、どうしても撤去しないと塗装ができない部分があるなどの状況では、塗装業者が室外機を撤去してきたという例もあるでしょう。
ただし、室外機の移動や配管類の取り外しなどが必要な現場では、外壁塗装の業者にお任せするのは危険だといえます。
外壁塗装業者は設備工事のプロではない!
忘れてはいけないのが、外壁塗装業者は「設備工費のプロではない」ということです。
たとえ塗装業者が「ウチでやっておきますよ」といったとしても、軽々しくお任せしてはいけません。
エアコンの設置・取り外し・移動を専門業者にお願いすると、短時間の工事でも1万円程度の費用がかかります。
なぜこんなに高い費用がかかるのかというと、エアコンの設置や取り外しには専門的な知識と技術が必要だからです。
もし手順をひとつでも間違ってしまえば、配管の中に充填されている冷媒ガスが抜け出てしまいエアコンが正常に機能しなくなるため、設備工事のプロでないと対応すべきではありません。
設備工事・電気工事も可能な塗装業者ならお任せできる
実は、エアコンの設置や取り外しには、特別な資格は必要ありません。
電気系統の工事が発生する場合は電気工事士の資格が必要ですが、単にエアコンを設置・取り外し・移動するだけなら無資格でも施工できます。
ただし、エアコンの知識と施工実績がないと、単に「やったことがある」程度でお任せするのは危険です。
もし、外壁塗装業者に室外機や配管類の撤去をお願いするなら、設備工事や電気工事も施工可能な業者なのかをしっかりと確認してからお願いしましょう。
見積もりの際に塗装業者の名刺をもらうはずですが、名刺には必ず施工可能な工事の種別が記載されています。
ここに外壁塗装だけでなく設備工事・電気工事といった記載があるのかをしっかりとチェックしておきましょう。
外壁塗装の工事中でもエアコンを使いたい!どうする?
エアコンの室外機を汚さず、故障を防ぐためには、養生で覆った状態での運転は厳に控えるべきです。
しかし、窓を開けて空気を入れ替えることもできない状態では、夏・冬にかかわらず「どうしてもエアコンを使いたい!」という状況もあるでしょう。
塗装業者が室外機用養生カバーを持っていれば良いのですが、カバーの価格が1枚で1,000円以上するので、マスカーを使った養生のほうがはるかに安上がりです。
エアコンが複数台あれば、サービスで使って欲しいとお願いするわけにもいかないでしょう。
外壁塗装の工事中でもエアコンを使えるようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
室外機・配管類まわりの塗装を先に終わらせてもらう
塗装業者にお願いして、室外機や配管類の周辺の塗装だけを先に終わらせてもらえば、室外機の養生を撤去できるので、エアコンが通常どおりに使えます。
ただし、工程次第では必ずしも希望が叶うわけではなく、もし無理をとおして室外機・配管類まわりだけを優先させれば、全体の完成が遅れることもあるので要注意です。
また、不意のトラブルで室外機が汚れてしまうおそれがあることは承知しておきましょう。
室外機用養生カバーを購入して自分で養生する
塗装業者がマスカーによる養生でしか対応してくれない場合、自費で室外用養生カバーを購入して自分で養生をしてしまうのも手ではあります。
ただし、塗装業者がマスカーで養生を施したあとで勝手に養生を撤去してしまうと、その後のコミュニケーションが悪くなるおそれがあるので、塗装業者との相談は必須です。
また、意外かもしれませんが、まれに「室外機用養生カバーの存在を知らなかった」という塗装業者もいるので、実際のカバーを見てもらえば買い取ってくれる可能性もあります。
エアコン・室外機の取り扱いにも配慮がある外壁塗装業者にお任せしたい!
外壁塗装業者は、基本的には「工事中はエアコンを使わないでください」という姿勢で塗装工事をおこないます。
大切なエアコンを汚さず、故障させずに塗装工事をするための配慮なので、一応はご依頼主の方に「少しの間はガマンするか…」と協力をお願いする部分ではあります。
しかし、夏場の最高気温が40℃を超えるなど過酷な環境では、やはりエアコンの使用を控えられない状況もあるでしょう。
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