屋根修理・屋根リフォームの費用はいくら?工事内容別で徹底比較!
住宅の中でもっとも過酷な環境にさらされている場所はどこだと思われますか?
答えは『屋根』なんです。
屋根は、強い日差しや激しい風雨、寒い冬には雪の重みや叩きつけるあられや雹(ひょう)にさらされながら、住宅の中を快適な空間に保ってくれています。
これほどの過酷な環境から家の中を守ってくれる屋根だからこそ、適切なタイミングで速やかに修理を考えなくてはいけません。
また、ちょっとした修理の必要が生じたら、思い切った屋根リフォームを考えるべきタイミングを報せているとも考えるべきでしょう。
ところが、屋根の修理やリフォームが一体どれくらいの費用で可能になるのかを知っている方は少ないはずです。
この記事では「屋根の修理やリフォームっていくらかかるの?」という疑問を解消するために、屋根修理・屋根リフォームの費用について、工事内容別に徹底比較していきます。
屋根修理・屋根リフォームの費用は数万円~250万円
まずはざっくりとした答えを提示させていただきます。
屋根修理・屋根リフォームには、数万円~250万円ほどの費用がかかります。
随分と費用に幅がありますが、これは工事内容による差です。
わずか1ヶ所の修理で済む場合は数万円の費用がかかるだけですが、思い切ったリフォームになると100万円を超える場合もあります。
屋根修理・屋根リフォームの費用・工事別の価格帯
屋根修理・屋根リフォームの費用について、工事内容ごとの価格帯を一覧表にしてみました。
まずはご自宅で考えていた工事がどれくらいの費用で可能なのかを調べてみましょう。
工事の種類 | 価格帯 | 工事の内容 |
---|---|---|
瓦の補修・交換(一部) | 数千円~10万円 | 割れた瓦のみの交換や瓦のズレなどの一部補修の場合(足場不要の場合) |
瓦の漆喰補修 | 30~80万円 | 瓦の接着剤として使用されている漆喰の補修。広範囲になると足場が必要(足場代込み) |
棟板金の補修・交換 | 数千円~40万円 | 一部補修は1万円以内から。全交換では30~40万円(足場代込み) |
谷板金の補修・交換 | 数千円~40万円 | 一部補修は1万円以内から。全交換では30~40万円(足場代込み) |
雨樋の補修・交換 | 1万円~50万円 | 一部交換の場合は1~5万円以内。全交換は30~50万円(足場代込み) |
雪止めの補修・交換 | 数千円~40万円 | 一部交換は1万円以内から。全交換は30~40万円(足場代込み) |
屋根の塗り替え | 40~60万円 | 屋根の広さや塗料のグレードによってはさらに高額になる(足場代込み) |
屋根の重ね葺き(カバー工法) | 80~120万円 | 既存の屋根を温存して新たな屋根材を重ね張りする工法(足場代込み) |
屋根の葺き替え | 90~250万円 | 既存の屋根を撤去して新たな屋根材で葺き替える工法(足場代込み) |
こちらの表をご覧になるとわかりますが、工事によっては一部だけなら数千円で気軽にお願いできる補修がある一方で、思い切ったリフォームになると50万円を超える価格帯になります。
屋根修理・屋根リフォームは素人には判断しにくい!
工事の価格帯に大きな差があると、自分の意思で費用をコントロールしたくなるものです。
たとえば、車のタイヤがパンクした場合には「カンタンなパンク修理だけお願いしよう」と考えることがあれば「この機会に4本とも新品に交換しようかな」と考えることもあるでしょう。
車のようにパーツが分離できるものであれば、お財布事情と相談しながら自分の意思でコントロールが可能です。
ところが、住宅の屋根はそうはいきません。
あなたが「今回はカンタンな修理だけで」と思っていても、プロの業者に詳しく調査してもらったところ「カンタンな修理では間に合いませんよ」といった回答が返ってくることも多々あります。特に雨漏りがその典型です。
屋根修理・屋根リフォームは、素人には「どの程度が適切なのか?」を判断しにくいという特徴があります。
ある程度の予算感は描いておくべきですが、思い通りにはならないケースが多いので、まずはプロの業者に相談し現地をみてもらうのが賢い方法だといえるでしょう。
低価格でできる屋根修理・屋根リフォーム
比較的に低価格でできる屋根修理・屋根リフォームを、工事内容別に詳しく見ていきましょう。
瓦の補修・交換
屋根に使われている瓦は、和瓦でもコロニアルでもひび割れなどの破損を起こします。
自然に劣化して割れることもありますが、多くは台風などの強風時に飛散物が当たって破損が起きてしまいます。
また、補修や点検の際に屋根にのぼって踏み割ってしまうこともあります。
ひび割れ程度の破損であれば、その部分をコーキングで埋めて接着するだけで補修が完了し、1枚あたり数千円の費用で済みます。
また、瓦のトラブルで非常に多いのが『ズレ』です。
台風などによる強風のほか、長年の使用に耐えきれず瓦がズレてしまうことがあります。
1枚~数枚程度のズレなら数千円で修理してもらえますが、広い範囲のズレになると10万円程度の費用がかかります。
瓦の漆喰補修
和瓦は『漆喰』を使って固定されているため、漆喰が劣化してしまうと瓦がズレたり落ちたりします。
では「漆喰を塗り直せばいいのでは?」と考えるかも知れませんが、実は漆喰の施工は非常に難しく、屋根瓦の専門業者でないと補修は不可能です。
漆喰は瓦の接着だけでなく、水の侵入を防ぐ役割があります。
そして、漆喰は「瓦よりも内側」に塗らないと防水効果を発揮しません。
この画像を見ると、白い漆喰は上に重なっている瓦の線よりも内側に塗られていることがわかります。
これが正しい漆喰の施工です。
瓦や漆喰の専門知識がない業者が施工すると「ただ埋めれば良い」と考えて上から漆喰を補充するだけになってしまいます。
漆喰が傷んでいるからといって既存の漆喰の外側に塗り重ねても、それでは表面を整えているだけで防水効果はありません。
とても手間がかかる作業なので、費用は30万円から、広範囲になると足場代込みで80万円ほどかかることがあります。
棟板金の補修・交換
棟板金とは、屋根の頂上にある辺に被せた板金のことです。
棟板金は屋根の頂上にあり、屋根の面と面とが出会う頂点の継ぎ目から雨水が侵入するのを防いでいます。
棟板金の多くが下地に木材、被せ物にトタン板金を使用しており、木材に釘を打ち込んで板金を固定しているため、サビが発生しやすい部分です。
サビが広がると釘を打った部位を中心にトタンが朽ちてしまうので、雨漏りの原因になります。
部分的な補修であれば数千円で済みますが、棟板金の全体を交換するほどに損傷していれば下地の木材も交換する必要があるため、足場は必須です。
費用は足場代込みで30~40万円が相場です。
谷板金の補修・交換
谷板金とは、屋根と屋根の面が出会う谷になった部分のくぼみに敷かれる板金のことです。
谷板金は雨水の通り道になるため、別名を『谷樋(たにどい)』とも呼びます。
谷板金は金属なので、塗装の塗り替えなどによるメンテナンスを怠るとサビ・腐食によって穴が開いてしまい、雨漏りの原因になります。
部分的な損傷であればコーキングを充填することでも解消できるため数千円で修理できますが、谷板金そのものが劣化しており交換が必要になると足場代込みで30~40万円の費用がかかります。
雨樋の補修・交換
雨樋は屋根を伝った雨水を地上へと流す重要な部分です。
屋根の横線に沿って設置する『軒樋(のきどい)』と、下方へ向かって設置する『縦樋(たてどい)』があります。
雨樋の材質でもっともメジャーなのが塩化ビニールですが、塩化ビニールは耐久性が低いため、経年劣化でひび割れや穴が開いてしまいます。
塩化ビニールのほか、意匠性が高く人気が高い銅製の雨樋も腐食に弱く10~20年で穴が開いてしまいます。
部分的な補修では、損傷した部分を切り取って同じ長さの新品を継ぐだけで済むため、部位や長さ次第とはいえ1~5万円以内で補修できます。
ただし、軒樋一式や軒樋・縦樋をすべて交換する場合は、足場代込みで30~50万円の費用がかかります。
劣化を防ぐにはステンレス製やガルバリウム鋼板製の雨樋に交換するのがおすすめですが、材料費だけでも塩化ビニールの3~4倍ほど高くなります。
雪止めの補修・交換
降雪が多い地域では、屋根から大量の雪が落下しないように雪止めを設置します。
雪止めは瓦のすき間にはめ込む金具タイプのものが主流ですが、屋根勾配が急な場合や降雪量が特に多い場所ではレールタイプの横に長いものを使用します。
さらに雪止め能力を高めるために、下方に一段、さらに上方にもう一段と二段構えで雪止めを設置することもあります。
部分的な補修であれば1万円以内で可能ですが、範囲が広い場合や屋根勾配が急な場合では足場の設置が必要です。
足場を設置しての全交換では足場代込みで30万円程度、二段構えになると40万円程度が相場です。
高価格帯の屋根補修・屋根リフォーム
部分的な補修やリフォームは比較的に低価格でも可能ですが、ここからは思い切った補修・リフォームを紹介していきましょう。
価格帯は50~100万円程度で、施工する範囲や使用する材料のグレードなどによって費用が変動するものと考えてください。
▼外壁塗装の相場価格もあわせて知りたい方はこちら
屋根塗装の塗り替え
色あせて見た目が悪くなってしまった、塗装が劣化して防水効果が弱まってしまった屋根を全体的にリフォームするなら、まずおすすめなのが『屋根塗装』です。
塗料の色を変えることで、思い切ったイメージチェンジが可能になります。
また、塗料に配合された樹脂によって、塗膜を硬く形成して耐久力を高めたもの、紫外線に強く屋根の劣化を防ぐもの、遮熱性を持たせて室内を快適に保つものなどのさまざまなグレードがあります。
さらに屋根塗装には、住宅の見栄えを整える効果以上に防水効果を高める効果があります。
和瓦やコロニアル・スレート・カラーベストといった瓦は、ほとんどが粘土やセメントを原料としているため、本来的には水分を吸い込みやすい性質を持っています。
トタンやガルバリウム鋼板などの金属製の屋根も、メッキ加工が劣化してしまえば非常に水分に弱いといえるでしょう。
これらの屋根材を水分から守るためには、塗料が形成する塗膜のコーティングが効果を発揮します。
屋根の劣化や雨漏りを予防するためには、10年に一度を目安にした定期的な塗装の塗り替えが必須です。
屋根塗装の塗り替えは、足場代込みで40~60万円が相場です。
>>屋根塗装って必要?費用相場や方法、塗料の耐用年数を全部解説します!
屋根の重ね葺き(カバー工法)
屋根材の劣化が激しく塗装の塗り替えでは補修が追いつかない場合や、屋根材の寿命が近づいてきた時に有効なのが屋根の重ね葺きです。
別名『カバー工法』と呼ばれるこの工法では、既存の屋根材を撤去することなく、その上から新たな屋根材を重ねます。
カバー工法は、既存の屋根材がコロニアル・スレート・カラーベストの場合に有効です。
特に1960年代から2004年までに建築されたコロニアル・スレート・カラーベストの屋根では、インフルエンザウイルスよりも細かな繊維が肺に取り込まれてしまうことで呼吸器系の病気を引き起こす『アスベスト』を含有している危険があります。
アスベストを飛散させてしまう撤去工事をするよりもカバー工法のほうが適切だといわれているので、建築年代を基準にリフォーム方法を決めると良いでしょう。
また、カバー工法は屋根面積や足場の必要性によって、80~120万円の費用がかかります。
高額な工事ではありますが、さらに高額な葺き替え工事よりも費用を抑えるならカバー工法がおすすめです。
ただし、カバー工法では屋根の表面を整えることはできても屋根の内部までは補修できません。
わかりやすい基準としては「雨漏りが発生していない場合に限って」という条件があると考えておくと良いでしょう。
>>屋根カバー工法(重ね葺き)の費用やメリット・デメリットは?
屋根の葺き替え
屋根補修・屋根リフォームを徹底するなら、屋根そのものを新調する『葺き替え』を施工することになります。
瓦などの既存の屋根材を撤去するだけでなく、その下に敷かれている『ルーフィング』と呼ばれる防水シートも新調します。
すでに雨漏りが発生している屋根では、瓦などの屋根材を補修・交換しても、内部のルーフィングや屋根を支える木材が劣化しているという事実を無視できません。
根本的に雨漏りを補修するには、屋根をを葺き替えるしかないのです。
屋根の葺き替えでは、高所で手間がかかる作業をするため足場が必須です。
足場代込みで90~250万円、屋根面積が広ければさらに高額になりますが、屋根は完全な新品となって復活します。
>>屋根の葺き替え工事とは?費用相場から工程・メリットデメリットを解説
屋根補修・屋根リフォームで知っておくべきこと
屋根補修・屋根リフォームは、専門的な知識や技術を持っていない一般の方にとって判断が難しい工事です。
それゆえに、悪質な修理・リフォーム業者が多い業界でもあります。
ここでは、屋根塗装・屋根リフォームで大きな失敗をしてしまう前に、ぜひ知っておくべきことを紹介しましょう。
「雨漏り修理」に注意!
ここまでで屋根修理・屋根リフォームの工事の種類を紹介してきましたが、『雨漏り修理』に関して詳しく説明してきませんでした。
雨漏りが発生している場合、単純に雨漏りだけを補修する方法というものはありません。
雨漏りの根本的な原因はルーフィングの劣化にありますが、なぜルーフィングが劣化したのかを突き詰めると、塗装の劣化、瓦の損傷、谷板金の穴など、さまざまな原因があります。
ただ一様に「穴を塞げば雨漏りが止む」ということはないのです。
単純に「雨漏り修理」という口実で屋根修理・屋根リフォームを進めてくる業者の中には、雨漏りが発生している部分をコーキングで塞ぐだけの粗悪な工事で費用を請求してくる業者がいるので要注意です。
訪問セールス業者に注意!
屋根修理・屋根リフォームの業界では、悪質な訪問セールスが横行しています。
訪問セールスの業者には、屋根にビニールシートを被せたり、穴をコーキングで塞ぐだけで高額な請求をしてくる業者がとても多いです。
また、契約した会社が自社で工事をせずに、知り合いの業者に工事を紹介して仲介料を得ているだけで、工事の責任をとってはくれないというところもあります。
もちろん、こんな業者とつながっている修理・リフォーム業者もまともな工事をしてはくれません。
仲介料を含めて売り上げを山分けするために、粗悪な工事なのに高額な費用を請求されてしまいます。
屋根修理・屋根リフォームを真剣に考えるのであれば、訪問セールスの業者にはお任せしてはいけません。
屋根リフォームの費用を抑える5つのコツ
屋根リフォームの工事を明確にする
葺き替えた方がいいのか、カバー工法で被せた方がいいのか、それとも塗装で十分なのか、既存の屋根の状態によって最適な工事方法が変わってきます。
もちろん塗装が一番安価ですが、本来葺き替えをしなければいけなかった屋根に対して塗装で済ませてしまうと、結局数年後に葺き替えることになります。
結果として、トータルでかかる金額が多くなってしまうことを考えると、長い目で見てどの屋根工事を行うのが最適なのかを明確にすることがまず重要になってきます。
事前の情報収集を行う
屋根リフォーム工事を検討する方は、訪問販売会社が自宅にやってきて、屋根の不具合を指摘されたことがきっかけという方が多いです。
もちろん本当に不具合が起きているケースもありますが、なにごとも起きていない屋根に対して不安をあおり、無駄な工事を法外な価格で実施したというような類の相談が、毎年消費者センターには多く寄せられています。
自宅の屋根は塗装などの定期メンテナンスが必要な屋根なのか、定期メンテナンスはどのくらいの周期で行うべきものなのか、どのくらいの費用がかかるのか、葺き替えをする場合はどのような状態になったら葺き替えをする必要があるのかなど、ある程度最低限の知識を事前に備えておくことで、悪意ある会社にひっかかることを防ぐことができます。
火災保険の活用
火災をはじめ、落雷、風災(台風)などの自然災害が原因で屋根の破損や劣化がみられる場合は、火災保険が適用されるケースが多々あります。
保険適用になれば少ない費用負担か、場合によっては費用負担なしで屋根の修繕をすることが可能です。
ご加入されている火災保険の内容を一度確認することをお勧めいたします。
補助金を活用する
市区町村によっては、屋根の修繕に対して、補助金を出しているところがあります。
補助金がある場合は市役所のHPに補助金をもらえる条件が掲載されているので、ぜひ一度自分のお住いに地域では補助金があるのか確認をしてみてください。
また年度によっても変わってきますので、屋根工事を検討する際も改めてチェックをする必要があります。
近年ですと、平均で10~20万円、地域によっては30万円程度もらうことができます。
複数業者からの見積り
各業者によって、最適と思われる工事の見解が分かれます。また、同じ内容でも価格も違います。さらに言うと、同じガルバリウム鋼板の葺き替え工事でも数多くのガルバリウム鋼板の種類があり、材質、色、保証面、価格が変わってきます。
大切な生活を守る屋根工事ですので、安心してお願いできる業者を総合判断で選ぶ必要があります。
屋根修理・屋根リフォームは専門業者に依頼するのがベスト
屋根修理・屋根リフォームでどんな工事を依頼するのかは、損傷している部分や劣化の程度、予算の都合など、広い視野を持って判断する必要があります。
そして、希望する修理・リフォームを実現するには、プロの専門業者のアドバイスや判断を大切にすることが肝心です。
外壁塗装パートナーズ・および屋根工事パートナーズでは、厳しい審査基準をクリアした、街で評判の修理・リフォームができる専門業者を複数社ご紹介いたします。
全国で唯一の「直接施工にこだわったサイト」なので、工事専門の業者から提案を出してもらえるので、余計な中間マージンをとられて工事費用がムダに高くなることもありません。
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