ハイパービルロックセラの特徴は?メリットデメリットと注意点を解説
ロックペイントは塗料の製造販売を行う塗料メーカーのひとつです。
自動車補修に使用する塗料をメインに建築塗料も製造しています。
2021年に創業90年を迎える実績と信頼のあるメーカーでこれまで多くの建物や企業に選ばれ続けてきました。
そんなロックペイントから発売されているハイパービルロックセラという商品について、ご紹介いたします。
ハイパービルロックセラとは?
ハイパービルロックセラは、2015年6月にロックペイントから発売された塗料です。
従来のシリコン樹脂塗料を凌駕する塗料として人気があります。
水性1液型のシリコン塗料
ハイパービルロックセラの一般名称は、水性1液架橋型低汚染リアルハイブリッドシリコン樹脂塗料です。
簡単に言うと、水性1液型のシリコン塗料です。
塗料には「硬化剤」という強固な塗膜を作るためのものが入っています。
「1液型塗料」というのは、主剤の中にこの硬化剤がもともと入っているものです。ハイパービルロックセラは「1液型塗料」です。
反対に「2液型塗料」は、主剤と硬化剤が別々になっており、塗る直前に混ぜて使います。
もともとは2液型塗料が主流でしたが、2液型塗料は硬化剤を入れた瞬間から硬化が始まり、次第に固まり使用できなくなります。
作り置きもできず、塗るスピードも必要になるため扱いにくいのがデメリットでした。
そのため、1液型塗料は非常に扱いやすい塗料として近年ではよく使用されています。
また、「架橋型」というのは、架橋反応するタイプの塗料を指します。
架橋反応とは、塗料が乾燥する過程で樹脂の分子間に橋を架けるような結合をすることです。
この架橋反応により塗膜の強度が増します。
ラジカル制御塗料のひとつ
ハイパービルロックセラは、人気のあるラジカル制御塗料のひとつです。
ラジカル制御塗料とは、塗料の劣化因子である「ラジカル」という物質を抑制する機能をもつ塗料を指します。
まず、塗料は「顔料」+「樹脂」+「添加物」から成り立っています。
・顔料:塗料に色をつけるもの
・樹脂:耐久性を決める主成分(ウレタン、シリコン、フッ素など)
・添加物:塗膜にさまざまな機能を追加する成分(防藻・防かび、艶消し剤など
この主成分である「白色の顔料」の中に「酸化チタン」という成分が入っています。
この酸化チタンは紫外線にあたるとラジカルが発生します。
ラジカルは塗膜の劣化を促進させてしまいます。
このラジカルの発生を抑制させる機能がある塗料が、ラジカル制御塗料なのです。
2012年に日本ペイントがラジカル制御塗料(パーフェクトトップ)の開発に初めて成功しました。
それ以来、日本ペイントをはじめ、関西ペイントやエスケー化研など大手塗料メーカーがラジカル制御塗料を開発販売し人気を集めています。
ラジカル制御塗料は、従来の塗料の欠点であったラジカルを抑制することができるため、各樹脂(シリコン樹脂等)の従来の耐久年数よりも長くすることが可能になりました。
その為、ハイパービルロックセラも一般シリコン塗料よりも耐久年数が長いのが特徴です。
ハイパービルロックセラのメリット
メリット①
セルフクリーニング機能で汚れに強い
ハイパービルロックセラは超低汚染な塗料です。
独自のセラミック技術により緻密な塗膜の形成と、帯電防止モノマー配合により汚れを寄せ付けません。
また、親水性塗膜のため、雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング機能が長期間発揮します。
「親水性」とは、水が馴染みやすい性質を指します。
反対に水が馴染まず弾くのを「撥水性」と言います。
親水性塗膜は、壁に付着した汚れの下に雨水が入り込み一緒に洗い流してくれます。
「撥水性」塗膜の場合、壁に水が馴染まず弾いてコロコロと流れ落ちてしまうため、汚れはそのままになります。
せっかく塗装しても、すぐに汚れてしまってはもったいないですよね。
汚れにくくするためには、親水性の塗料がおすすめです。
ハイパービルロックセラは、汚れを寄せ付けにくく、付着した汚れも雨水で洗い流してくれるため、長期的に美観を保つことができます。
美観を長期的に維持したい方にはおすすめの機能です。
メリット②
高耐候で長持ち
ハイパービルロックセラは、ロックペイント独自の
①リアルハイブリットシリコン樹脂
②特殊コーティングチタン顔料
③ラジカル吸着安定剤によるラジカル抑制技術
以上3つの要素で、従来のシリコン樹脂塗料よりも耐候性が向上しました。
①リアルハイブリッドシリコン樹脂とは、耐候性・硬さに有効なセラミック成分(無機成分)と、効率の良い形成と柔軟性のある有機成分が精密に導入(リアルハイブリッド)させた樹脂です。
クラック(ヒビ)などに耐久があります。
②特殊コーティングチタン顔料とは、白色の顔料の中の酸化チタンに、紫外線を遮断する特殊コーティングを施したものです。
酸化チタンは紫外線にあたることにより劣化促進の原因であるラジカルが発生してしまうため、その紫外線を遮断することでラジカルの発生を抑制することができます。
③ラジカル吸着安定剤とは、抑制しきれなかったラジカルを無効化にするものです。
この3つの機能で高耐候を実現しています。
従来のシリコン塗料は、ラジカルによる劣化が弱点でしたが、ラジカル制御塗料はこの弱点を克服し、樹脂本来の機能を発揮することができます。
メリット③
コストパフォーマンスが良い
先述の通り、ハイパービルロックセラは一般シリコン塗料よりも耐久年数が長い塗料です。
一般的なシリコン塗料の平均耐久年数が10年~13年に対し、ハイパービルロックセラの期待耐久年数は12年~15年です。
耐久年数は一般的なシリコン塗料よりも長いですが、価格はシリコン塗料と変わりありません。
「価格」「耐久性」「機能」ともにバランスが良く、非常にコストパフォーマンスに優れています。
メリット④
仕上りがキレイ
ハイパービルロックセラは分子レベルで緻密に設計されているため、ローラーの転写性に優れており、塗り心地抜群の塗料です。
また、特殊シリコン樹脂の微粒化により形成される今までにないセルフレベリング性能(平らで滑らかな塗膜になる性能)は、従来の水性塗料では得られなかった光沢感を発揮します。
美しい艶感を出したい方におすすめです。
メリット⑤
水性塗料で臭いが気にならない
ハイパービルロックセラは「水性塗料」で、塗料用シンナー等を使用せず水道水で希釈して使用するため、臭いはほとんど気になりません。
反対に、塗料用シンナー等で希釈して使用する塗料を「油性塗料」と言います。
水性塗料に比べシンナーの臭いを強く感じることがあります。
塗装工事中は、窓をビニールで覆い換気がしにくい環境になります。
そのため、水性塗料は臭いに敏感な方や、妊婦や幼児、ペットのいるご家庭などにおすすめです。
ハイパービルロックセラのデメリット
塗料を選ぶ際は、デメリット面も考慮して決めましょう。
デメリット①
実績が少ない
ハイパービルロックセラは2015年に発売された塗料のため、実際に10年持った耐用実績がありません。
ラジカル制御塗料自体2012年に開発されたものですので、まだまだ経過観察中です。
しかし、ラジカル制御塗料自体は、日本ペイントを筆頭に関西ペイントやエスケー化研、ロックペイントなど大手の塗料メーカーが研究開発をしているものです。
実績はまだありませんが、期待できる塗料と言えるでしょう。
実績がある塗料が良い方は、ロングセラーの塗料をおすすめします。
デメリット②
雨が当たりにくい場所では効果が発揮されにくい
ハイパービルロックセラの特徴である「セルフクリーニング機能」は、雨があたることで効果が発揮されます。
そのため、雨があたりにくい場所では効果が発揮されないことがあります。
また、目地下部やサッシ廻り、笠木の下端など、汚れが溜まりやすい部位も効果が発揮されにくいです。
家の立地や構造などを予め確認することをおすすめします。
ハイパービルロックセラはこんな方におすすめ
ハイパービルロックセラは、下記のような方におすすめです。
・臭いに敏感な方、臭いが心配な方
・長期的に美観を保ちたい方
・コストパフォーマンス重視の方
・初期費用を抑えたい方
・シリコン塗料以上のランクの塗料がいい方
上記に当てはまらない方は、他の塗料と比較検討しましょう。
まとめ
どの塗料を塗るのにも、その塗料の効果を発揮できるかは「施工店」にかかっています。
最高級の塗料を塗っても、施工が良くなければ本来の効果を発揮することができません。
しかし、良い施工店・良くない施工店を見極めるのは非常に難しいです。
「どこの施工店に頼んだらいいかわからない」
「どこが信頼できる施工店なの?」
といった方は、是非お気軽に外壁塗装パートナーズまでご相談ください。