遮熱塗料「サーモアイ」の特徴をプロが解説 遮熱効果は本当か?
外壁塗装や屋根塗装で「サーモアイ」という塗料の提案をきいていますでしょうか?
この記事では、
- サーモアイにはどのような種類があるのか
- 遮熱塗料は本当に効果があるのか
- サーモアイの価格はどれぐらいか
- サーモアイと比較するのに適した塗料は
といった点について、詳しく、そしてできるだけわかりやすく解説していきます。
「サーモアイ」のまとめ
- サーモアイは業界最大手の日本ペイントの遮熱塗料
- サーモアイは屋根に使用すると特に遮熱効果が大きい
- 外壁塗装では「遮熱塗料の効果は感じない」という声も
- サーモアイは標準的な塗料より高額だが助成金対象となるケースも
- 他の遮熱塗料では「ガイナ」が有名
サーモアイとは?
サーモアイとは塗装業界最大手の日本ペイントが販売する遮熱塗料のシリーズ名です。
遮熱塗料の性能は主に「日射反射率」という指標で測ることができますが、各メーカーの遮熱塗料で最も日射反射率の公表値が高いのが、この「サーモアイ」シリーズです。
戸建て住宅だけでなく、ビルやマンションでも使用されることが多い塗料です。
サーモアイシリーズの種類
サーモアイシリーズにどのような種類があるのかも見てみましょう。
製品名 | 適用箇所 | 一般名称 |
---|---|---|
サーモアイ1液Si | 屋根 | 太陽熱高反射1液シリコン系屋根用塗料(遮熱塗料) |
サーモアイ4F | 屋根 | 太陽熱高反射4フッ化フッ素樹脂屋根用塗料(遮熱塗料) |
サーモアイSi | 屋根 | 太陽熱高反射シリコン系屋根用塗料(遮熱塗料) |
サーモアイUV | 屋根 | 太陽熱高反射2液反応硬化形屋根用塗料(遮熱塗料) |
サーモアイヤネガード | 屋根 | 太陽熱高反射長期防錆型屋根用塗料 |
ファインサーモアイウォール4F | 外壁 | ターペン可溶2液形4フッ化フッ素樹脂外壁高日射反射率(遮熱)塗料 |
ファインサーモアイウォールSi | 外壁 | ターペン可溶2液形シリコン系樹脂外壁高日射反射率(遮熱)塗料 |
水性サーモアイウォールF | 外壁 | 1液水性反応硬化形フッ素樹脂外壁用高日射反射率(遮熱)塗料 |
水性サーモアイウォールSi | 外壁 | 1液水性反応硬化形シリコン系外壁用高日射反射率(遮熱)塗料 |
水性サーモアイウォールサーフ | 外壁 | 水性反応硬化形外壁用高日射反射率(遮熱)サーフェーサー |
水性サーモアイウォールシーラー | 外壁 | 水性カチオン形外壁用高日射反射率(遮熱)シーラー |
ご覧の通り、製品によって外壁用、屋根用が分かれています。
その他に「サーモアイロードW」という路面用の塗料もありますが、本サイトの趣旨からはずれますので、リストからは外しています。
サーモアイの遮熱効果は本当?
日本ペイントの行った実験結果によると、サーモアイの遮熱効果によって室内温度を最大4℃下げることに成功したとされています。
ただ、これはあくまで実験の結果で実際にどれぐらい遮熱効果があるかはその住宅によって異なります。
遮熱塗料の効果が大きいのは直射日光があたりやすい屋根面です。
特に金属系の屋根や、断熱材を使用していない屋根の場合に遮熱効果が大きくなります。
一方、外壁は屋根ほど直射日光があたらないので遮熱の効果はさほど大きくありません。
屋根面だけサーモアイシリーズのような遮熱塗料を使って、外壁はコストの安い塗料を選ぶという方も多いです。
実際に日本塗料工業会も、遮熱塗料(高日射反射率塗料)について、設置環境によって断熱性能に以下のような違いがあるとまとめています。
材質 | 塗装部位 | 断熱材の有無 | 省エネ効果 | ヒートアイランド対策効果 |
---|---|---|---|---|
コンクリート | 屋上 | 有り | △ | ◎ |
無し | ◎ | ◎ | ||
壁面 | 有り | △ | ○ | |
無し | ○ | ○ | ||
金属 | 屋根 | 有り | ○ | ◎ |
無し | ◎ | ◎ | ||
壁面 | 有り | △ | ○ | |
無し | ○ | ○ | ||
スレート | 屋根 | 無し | ◎ | ◎ |
壁面 | 無し | ○ | ○ |
サーモアイシリーズのカラーバリエーション
サーモアイシリーズは非常にカラーバリエーションが多いのも特徴です。
例えば、サーモアイシリーズの代表的な塗料「サーモアイSi」の場合、40種類のカラーバリエーションがあります。
日本ペイントのホームページでカラー一覧のを実際に確認することができます。
サーモアイシリーズの価格
サーモアイシリーズは一般的な塗料よりやや高め
サーモアイシリーズのような遮熱塗料は一般的な塗料に比べてやや価格は高めです。
例えば、サーモアイシリーズの中でシリコン樹脂を使用した「サーモアイSi」の場合、一般的なシリコン樹脂塗料と比較すると2~3割程度高い価格で提案がでていることが多いです。
ただ、遮熱効果の高くなる箇所に塗装した場合には、その分光熱費が安くなるというメリットがあるので、その点を考えれば一概に割高とはいえません。
遮熱塗料は助成金対象になるケースも
サーモアイシリーズのような遮熱塗料のメリットとして忘れてはいけないのが助成金の存在です。
数多くの自治体が外壁塗装や屋根塗装を含むリフォームに助成金を用意していますが、ほとんどの場合、サーモアイのような遮熱塗料や断熱塗料を使用することが条件となっています。
なぜ、遮熱塗料や断熱塗料を使用することが条件になっているかというと、助成金の名目が「省エネリフォーム」に対しての支給になっているためです。
遮熱塗料や断熱塗料の塗装は省エネにつながるということで、助成金を用意しているということです。
助成金の金額は地方自治体によって様々ですが、例えば埼玉県上尾市の令和2年度の助成金では、工事費用の10%(上限20万円)が支給されます。
サーモアイ以外の遮熱塗料では「ガイナ」が有名
サーモアイシリーズと並ぶ有名な遮熱塗料といえば日進産業の「ガイナ」という塗料です。
ガイナは遮熱塗料市場の16%を占めており、遮熱塗料を検討する人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ガイナは元々はスペースシャトルの塗装用に開発され、それを一般住宅用にしたものですので耐久性に非常に優れています。
また、ガイナの他にはエスケー化研のクールタイトという製品も人気の遮熱塗料です。
遮熱性に優れた、遮熱塗料の中で選びたい、という方はサーモアイだけではなく、ガイナやくクールタイトと比較してみるのがおすすめです。
サーモアイ検討時の注意点
サーモアイに限らずですが、遮熱塗料は訪問販売の業者が提案していることが多いです。
これは、「遮熱効果による室温の低下」というわかりやすい特徴があるため、営業トークをしやすいという理由が考えられます。
実際に弊社にご相談いただいた方の中には、「遮熱効果によって、室温が5℃以上下がると言われた」「光熱費が20%以上下がると言われた」という方もいますが、
そこまでの効果は見込めません。
過剰な営業トークには注意するようにしてください。
また、外壁塗装で失敗しないコツはなんといっても複数社の見積もり比較です。
見積りを比較すれば、「気づかないうちに割高な契約を結んでしまった」といったケースをさけることができますので、必ず複数社の比較をするようにしてください。
まとめ
この記事のまとめです。
「サーモアイ」のまとめ
- サーモアイは業界最大手の日本ペイントの遮熱塗料
- サーモアイは屋根に使用すると特に遮熱効果が大きい
- 外壁塗装では「遮熱塗料の効果は感じない」という声も
- サーモアイは標準的な塗料より高額だが助成金対象となるケースも
- 他の遮熱塗料では「ガイナ」が有名
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- 特定の塗料にこだわらず、施主様の要望にあわせて複数の塗料で提案ができる
- 自社で塗装工事ができるので中間マージンがかからず工事品質が高い
といった特徴があります。
外壁塗装、屋根塗装で後悔しないようにするためには複数社の見積もりを比較をすることが非常に大切です。
「見積もり比較をして納得いく塗装がしたい!」とお考えの際には、是非お気軽にご依頼ください。