外壁塗装の色選びをする時は、住んでいる地域の景観法をチェックしよう
外壁塗装では景観法に注意!
外壁塗装をやると、家の外観の色を変えられるため、好きな色で決める方が多いと思います。
しかし、色を決める際に注意していただきたいことが一つあります。
それは、住まわれている地域に「景観法」というものが定められているところがあります。
もし、ヨーロッパみたいな鮮やかな色(赤や紫、青といった原色使い)を真似して自分の家も…と考えている方、必ずご自分の地域の「景観法」が定められているかどうか、確認してください。
最悪の場合、違反するため外壁塗装のし直しを命じられる可能性があります。
ただ、やり直しをさせられることはほとんどありません。
今回は景観法の調べ方と見方についてご紹介いたします。
景観法とは
まちづくりの一環として行っている地域が多く、地域の活性化に繋がるとして平成16年6月に「景観法」が始まりました。
市区町村によっては、景観法という言葉ではなく、「○○区景観計画」などという名称のところもあります。
景観法は必ずしも建物の色だけではなく、建物の高さやデザイン、屋外広告物のデザインも含まれています。
わかりやすい例えでいうと、観光客が訪れる世界遺産がある地域などは、世界遺産建造物よりも目立った色彩の建物は、地域の景観に影響を及ぼすため禁止、とされています。
景観法の色彩基準
では具体的にどういった色が禁止されているのでしょうか。
基本的に色は地域によるのですが、今回は例として東京都港区の景観法を取り上げてみたいと思います。
以下は港区の景観法の条件ですが、アクセントカラーという区分は基本的に、アクセントカラー以外で定められている色の範囲内でしか使用できませんのでご注意ください。
外壁基本色 | 基準の適用部位・面積、強調色 | アクセント色 | 屋根色 | 考え方 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
色相 | 明度 | 彩度 | 色相 | 彩度 | 色相 | 明度 | 彩度 | |||
0R~4.9YR | 4以上8.5未満の場合 | 4以下 | 0R~4.9YR | 4以下 | 外壁各面の1/20以下で使用可能 | 屋根面の立ち上がりを外壁に含めて面積割合を計算する。 | 外壁の大部分については、落ち着きが感じられ、水や緑などの存在や周辺の街並み景観を妨げないように配慮し、中彩度までの色彩を基本とする。 | |||
8.5以上の場合 | 1.5以下 | |||||||||
5.0YR~5.0Y | 4以上8.5未満の場合 | 6以下 | 5.0YR~5.0Y | 6以下 | ||||||
8.5以上の場合 | 2以下 | |||||||||
その他 | 4以上8.5未満の場合 | 2以下 | その他 | 2以下 | ||||||
8.5以上の場合 | 1以下 |
このようにかなり細かく分かれていて、特に港区の浜離宮や芝離宮庭園などはもう少し細かく条件が定められています。
以下でもう少し詳しくご紹介します。
色の数値とは
景観法では、一般的な色見本であるマンセル表色系を使用しています。
見方としてはまず基本色からご説明すると、色相(色の違い)の0R~4.9YRや5.0YR~5.0Yは、赤やオレンジといった色を表しています。
10色分けられており、色ごとにR(Red:赤)、YR(Yellow Red:黄赤)、Y(Yellow:黄)、GY(Green Yellow:黄緑)、G(Green:緑)、BG(Blue Green:青緑)、B(Blue:青)、PB(Pureple Blue:青紫)、P(Purple:紫)、RP(Red Purple:赤紫)と記号が決められています。
更に明度(色彩の明るさ)を表現でき、0が黒で10が白になります。つまり数字が高くなるほど明るい色を表します。
赤系であれば5R、10R等と分類されます。
もう一つの彩度(鮮やかさ)は、1.2.3.4.6.8.10.12.14.16.18と分類されていて、数字が高くなればなるほど、色が鮮やかになっていきます。
景観法のチェックのしかた
例:港区の一般地域にある家を屋根・外壁塗装する
例えば、港区の一般地域で屋根・外壁塗装する場合の景観法をチェックしましょう。
今回は、エスケー化研のクリーンマイルドシリコンという塗料で決まっていて、なおかつシックな家にしたいため、SR-428という色を選ぶ予定です。
その色を塗っても大丈夫かを確認するには、まずメーカーのパンフレットを確認します。
色番号 | マンセル値 |
---|---|
SR-428 | 5B5.2/0.4 |
マンセル値は【5B5.2/0.4】と記載がありますが、これは色相は5B(青)で、明度は5.2くらいの明るさの色、彩度は1以下の0.4の色の鮮やかさということになります。
そうすると、B(青)なので、以下の表が当てはまります。
外壁基本色 | 強調色 | アクセント色 | 屋根色 | 考え方 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
色相 | 明度 | 彩度 | 色相 | 彩度 | 色相 | 明度 | 彩度 | ||||
その他 | 4以上8.5未満の場合 | 2以下 | その他 | 2以下 | 外壁各面の1/20以下で使用可能 | 屋根面の立ち上がりを外壁に含めて面積割合を計算する。 | 外壁の大部分については、落ち着きが感じられ、水や緑などの存在や周辺の街並み景観を妨げないように配慮し、中彩度までの色彩を基本とする。 | ||||
8.5以上の場合 | 1以下 |
そして、明度は5.2なので「4以上8.5未満の場合」に当てはまり、彩度は0.4なので「2以下」という条件に当てはまります。
結論、この色を外壁に塗っても大丈夫、となります。
まとめ
景観法のチェック方法は、なんとなくご理解いただけたでしょうか。
以上のように確かめると大変面倒です。
色については基本的に原色以外であれば、ひっかかることはあまりないです。
塗装業者さんに色の希望を伝える時に、もし塗るのが難しい色であれば必ず言ってくれますのでご安心ください。
それでも東京や神奈川など、関東地方や各地の都市部に住んでおられてなおかつ有名な建築物がある場所の近くに家があるならば、確認したほうがいいと思います。
自分の地域で景観法があるのかなど疑問がありましたら、外壁塗装パートナーズまでご相談ください。