【都道府県別】外壁塗装にふさわしくない月は?8つの条件を詳しく解説
この記事でわかること
- 外壁塗装のふさわしい月・ふさわしくない月の考え方について
- 都道府県別の外壁塗装にふさわしくない月について
- 外壁塗装にふさわしい時期ではないけど塗装を実施するメリットなど
この記事では外壁塗装にふさわしくない時期の条件、地域ごとのふさわしくない月、それでもその時期に塗装をしなければならない場合の注意点などについて解説します
外壁塗装にふさわしくない2つの絶対条件
外壁塗装にはふさわしくないというよりも、塗装をそもそもしてはいけないという気候条件が2つあります。
まずはここをおさえることで、逆にいつがふさわしいのかもわかるようになると思います。
気温5度以下は外壁塗装にふさわしくない
日本建築学会が発行している「建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事」にも明確に、原則として塗装工事に着手しないことと記載されています。
北海道や東北はもちろんのこと、関東でも例えば1月の平均気温を見てみると平均気温が5度を上回るのは、南に下がってきてようやく千葉や東京、神奈川でそれ以北では平均気温は5度を下回っています。
しかし、例えば東京では平均気温こそ5度を上回っていますが、2021年1月の最低気温は-2.4度と、外壁塗装のふさわしくない気温5度以下となっています。
つまり東京でも1月の朝晩の気温の低い時間帯は外壁塗装をしてはいけない時間帯になっているのです。
東京が最低気温が気温5度を上回るのはようやく4月になってからです。
気温5度というのは、多くの地域が容易に下回ってしまう条件なのです。
なぜ気温5度以下がでは外壁塗装にふさわしくないのかの詳細を知りたい方ははコチラの記事をご覧ください。
湿度85%以上は外壁塗装にふさわしくない
気温5度以下と同じく「建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事」で言及されているのが、湿度85%以上という条件です。
湿度が高くむしむしした日は洗濯物が乾きにくいという経験はどなたもあると思います。
塗料も同じく乾燥して塗膜を形成する過程がスムーズにいかないため不具合が発生するリスクが高まってしまうのです。
全都道府県の月別平均湿度を見てみると、一番高い91%となっているのが1月の富山県です。
次に高いのは8月の沖縄県で90%となっています。
あくまで平均湿度なので一日中この湿度というわけではありませんが、少なくとも1月の富山、8月の沖縄は外壁塗装にふさわしくない月と言えます。
気温と同じく湿度も地域と季節によって変わってきますので、自分の住んでいるエリアはどうなのかを知ることが大事になってきます。
なぜ湿度85%以上では外壁塗装にふさわしくないのかの詳細を知りたい方ははこちらの記事をご覧ください。
外壁塗装にふさわしくない2つの特殊条件
上にあげた気温5度以下、湿度85%以上が外壁塗装をやらない絶対条件としてありますが、それ以外の特殊な気候条件として2つあるので説明します。
雨・雪
まずは雨と雪です。
いくら気温は5度以上で、湿度も85%以下の場合でも雨が降ってきてしまったら外壁塗装、屋根塗装は一旦中止となります。
屋根塗装はそうだとしても、外壁塗装は足場に幕を張ってちょっとした雨なら入ってこないようにしているので実施できるのではと仰る方もいますが、あの幕は横は覆っていますが、上空部分は覆っていないので上部から雨が入ってきてしまうのです。
雨が降るとなぜ外壁塗装にふさわしくないのかの詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
風
もう1つは風です。もちろん穏やかな風であれば問題ありませんが、強風の場合です。
足場がぐらつき慎重に作業ができない、危険ということも理由の1つですが、さらにはあまりに強風だと塗料が周囲に飛散してしまうリスクもあります。
そして一番大きいのは風が強いと、その風に乗って大小入り混じったチリ、ゴミが乾燥途中の塗膜についてしまうという事があります。
あまりに風が強い日は、施主自身が塗装店にお願いをして塗装作業を中止してもらうという事も必要かもしれません。
外壁塗装職人にとってふさわしくない2つのこと
これまで見てきた外壁塗装にふさわしくない気候条件とは、塗料にとってふさわしくない条件でした。
しかし塗装は半製品と言われるように現場で塗装職人さんが完成品に仕上げていくものです。
ですからいくら塗料にとっての条件は整っていても、塗装職人さんにとってはふさわしくない条件があります。
花粉
まず1つめは花粉です。
これは決して冗談ではありません。もちろん塗装職人さんが花粉症でない場合は該当しませんが、自分が酷い花粉症の方はご理解いただけると思います。
花粉症の人が1日中屋外で仕事をすると考えただけで寒気がしてきます。
ましてや慎重な作業である塗装を行い続けるなど、よほどの精神力がないとできません。
猛暑
花粉よりはまだましではありますが、やはり最近の夏の猛暑は人体にはかなり酷な環境になってきています。
酷い時では、体温に近いような気温の時も出てきていますので、その中でさらに風が通りにくい幕の中での作業は尋常ではない体力の奪われ方をします。
塗装職人さんは慣れているとは言うものの、熱中症のリスクもありますし、集中力が持続しづらいのは間違いありません。
あなたにとって外壁塗装にふさわしくないかもしれない2つ
塗料にとってふさわしくない条件、塗装職人にとってふさわしくない条件と見てきました。
次は今この記事をご覧いただいているあなたにとって、ふさわしくないかもしれない2つの条件を考えてみたいと思います。
エアコン嫌いなら夏はふさわしくない
夏の暑さが年々厳しくなる日本においてエアコンの重要性はますます高まっています。
しかしエアコンは体が冷えすぎたりと嫌がる人達も多いです。あなたはどうでしょうか?
夏でもエアコンはなるべくつけず扇風機だけで過ごしている方も多いと聞きますが、外壁塗装をしている間は窓を閉め切っていなければなりません。
天候にもよりますが約2週間は窓は常に締め切った状態にする必要がありますので、さすがに熱中症リスクも高まりますのでエアコンを使わざるをえません。
もしエアコンは極力つけたくないという方は、暑さがきつい夏での塗装の実施は避けた方がよいかもしれません。
とにかく早く外壁塗装を終わらせたいなら梅雨時はふさわしくない
外壁塗装はエアコンの利用はできるものの、足場及び幕に覆われますのでその期間中は家の中がほの暗くなります。
上にも書いたように窓をあけての自然換気も非常にしにくくなりますので、やはり気分が良い期間ではありません。
この期間を少しでも短くしたいという要望が強い場合は、梅雨時などの雨が多い季節は塗装工事を避けた方がいいかもしれません。
雨が降る、降りそうとなれば塗装は中止せざるを得ませんし、濡れた外壁、屋根の状態でも塗装を再開することはできませんので、どうしても雨が多い梅雨の季節は塗装期間が延期延期で長くなってしまいます。
都道府県別・外壁塗装にふさわしくない月
2021年気象庁データより、各都道府県の月別の平均気温、最高気温、平均湿度を調べました。
平均気温が5度以下かつ最高気温が10度以下、もしくは平均湿度が85%以上の月をふさわしくない月としました。
平均気温が5度以下だが最高気温が10度以上の月は、あまりふさわしくない月としました。
県庁所在地でデータを取りましたが滋賀県の大津市だけ平均湿度データがなかったので彦根市のデータとなっています。
北海道・東北地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
北海道(札幌) | 1月、2月 | 3月、12月 |
青森(青森) | 1月、2月 | 12月 |
秋田(秋田) | 1月 | 2月、12月 |
岩手(盛岡) | 1月 | 2月、8月、12月 |
山形(山形) | 1月、12月 | 2月 |
宮城(仙台) | 7月 | 1月、2月、12月 |
福島(福島) | - | 1月、2月、12月 |
やはり北海道・東北の冬は気温が低いので、多くの月がふさわしくない月に入ってしまっています。
この中でも特徴的なのは山形(山形)の12月で、この月は平均気温5度以下かつ最高気温10度以下というだけでなく、平均湿度が86%ということでダブルでふさわしくない月となっています。
岩手(盛岡)の8月と宮城(仙台)の7月は平均湿度がそれぞれ85%、87%となっているのが理由です。
関東地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
群馬(前橋) | - | 1月 |
栃木(宇都宮) | 7月 | 1月 |
茨城(水戸) | - | 1月 |
千葉(千葉) | - | - |
埼玉(さいたま) | - | - |
東京(東京) | - | - |
神奈川(横浜) | - | - |
関東で特徴的なのは栃木(宇都宮)の8月です。
栃木県は日本でも有数の雷の多い県で、宇都宮市の年間の雷日数は、夏季に限ると全国第1位の多さです。それゆえ栃木県ではカミナリのことを恐れと敬意をもって「雷様(らいさま)」と呼ぶそうです。らいさまが多く来るので8月は外壁塗装には少しふさわしくない月となっています。
北陸・甲信越地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
山梨(甲府) | - | 1月 |
長野(長野) | - | 1月、2月、12月 |
新潟(新潟) | 1月 | 2月、12月 |
富山(富山) | 1月 | - |
石川(金沢) | - | 1月 |
福井(福井) | 1月、12月 | - |
ここで特徴的なのは富山(富山)と福井(福井)の1月です。気温の方でも平均気温は5度以下となっていますが、さらに平均湿度がそれぞれ91%、89%と非常に高くなっています。気温が低い上に湿度が高いという外壁塗装には本当に不向きの気候条件が重なっています。
東海地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
静岡(静岡) | - | - |
愛知(名古屋) | - | 1月 |
岐阜(岐阜) | - | 1月 |
三重(三重) | - | - |
愛知(名古屋)と岐阜(岐阜)が1月だけ、あまりふさわしくない月となっていますが、それぞれ平均気温が5度と4.6度とそれほど低くない上に最高気温は15.4度と15.9度と高めなので朝晩の冷え込みが強い時間帯さへ避ければ特段外壁塗装ができない条件ではありません。
関西地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
滋賀(彦根) | - | 1月 |
京都(京都) | - | - |
奈良(奈良) | - | - |
大阪(大阪) | - | - |
和歌山(和歌山) | - | - |
兵庫(神戸) | - | - |
滋賀(彦根)が1月だけ少し不向きではありますが、それ以外は一切該当月がありませんので関西の方はあまり外壁塗装の時期は気にしなくても良さそうです。
中国地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
岡山(岡山) | - | 1月 |
広島(広島) | - | - |
鳥取(鳥取) | - | 1月 |
島根(松江) | - | 1月 |
山口(山口) | - | 1月 |
中国地方の方も1月だけ少し気を付けるくらいで、外壁塗装については特段実施時期で頭を悩ませる必要はなさそうです。
四国地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
香川(高松) | - | - |
徳島(徳島) | - | - |
愛媛(松山) | - | - |
高知(高知) | - | - |
四国と九州は全く該当する月がありません。
九州・沖縄地方の外壁塗装にふさわしくない月
ふさわしくない月 | あまりふさわしくない月 | |
---|---|---|
福岡(福岡) | - | - |
大分(大分) | - | - |
佐賀(佐賀) | - | - |
長崎(長崎) | - | - |
熊本(熊本) | - | - |
鹿児島(鹿児島) | - | - |
沖縄(那覇) | 6月、7月 | - |
沖縄は高温多湿な亜熱帯気候であるのに加え、どこよりも早く梅雨入りするため6月と7月はさらに湿度が高く、87%、90%となっています。
外壁塗装にふさわしくない月でも塗装はできる?
長々と外壁塗装にふさわしくない条件を書いてきました。各地域ごとに見ても気候条件が違うので該当月は変わってくることもわかりました。
では、各地域でふさわしくない月は絶対に外壁塗装、屋根塗装ができないのかというと決してそういうことではありません。
あくまでふさわしくないだけであって、できない訳ではないのです。
例えば気温5度以下という条件で言えば一番厳しいのは、北海道(札幌)です。平均気温が-4.4度というだけでなく、最高気温も6.2度ですから、おそらく気温5度を超えている時間帯は晴天の日でも1日のうち数時間だと思います。
当然雪も多く振りますので、実質塗装ができるのは月のうち晴れている日の数時間だけという状態ですが、この間であれば塗装はできるのです。
外壁塗装にふさわしくない月に塗装をするメリットとデメリット
条件の一番厳しい北海道(札幌)を例に出して上で説明したので、実質できないと思われるかもしれませんが、あまりふさわしくない月に該当している所はそれほど条件は厳しくありません。
例えば同じ北海道(札幌)でも12月は平均気温が―0.5度ですが、最高気温が14.6度と1月とは大違いでかなり高くなります。
そうなると晴れている日であれば朝晩の冷え込みを強い時間帯を除けば、塗装は可能なのです。
ではそんなふさわしくない月に塗装をするメリットはあるのか、そしてデメリットは改めて考えると何なのかを考えてみたいと思います。
外壁塗装にふさわしくない月に塗装をするメリット
特別値引きをもらえる可能性がある
約10年~15年に一度行う外壁塗装・屋根塗装はどうせなら条件の良いふさわしい月に実施してもらいたいと誰もが思います。
だからこそ塗装業界では明確に繁忙期と閑散期が存在します。
だからこそこの閑散期に塗装工事をやらせてくれるお客さんは塗装店からすると非常にありがたいです。
つまり特別な値引きをしてくれる可能性が高くなるということです。
もちろん足元を見たあからさまな値引き要請は感情的にはねつけてしまう可能性がありますが、この塗装店にお願いしたい、契約したいとなったタイミングで、もし先方から塗装時期をあまりふさわしくない月にやらせてもらえないかという要望があった時に、それならば少し値引きができませんか?と切り出してみるのはスマートですし、可能性はあると思います。
冬場は窓締切が苦ではない
冬場がふさわしくない月に入る、東北などで言えることなのですが、外壁塗装をしている間は養生をしなければならないので基本的には窓を閉め切らなければなりません。冬は寒いので元々窓を閉め切って生活をしますので、この外壁塗装特有の事象がマイナスに働きません。
これは大きなメリットであると思います。
外壁塗装にふさわしくない月に塗装をするデメリット
工期が延びる
ふさわしくない月でも塗装はできると上で説明しましたが、冬であれば雪が降って中止になったり、気温5度以下の朝晩の冷え込みが強い時間帯は実施ができなかったりと、とにかく制限が多くかかるので通常期間よりも塗装工事期間が長くなってしまうのがデメリットです。
長くなってしまうから金額が高くなるということではないのですが、やはり足場が組まれて幕で覆われていますので、少しでも早く済ませて欲しいと思うのが普通です。
施工不良が起きる可能性がある
工期が長くなってしまうデメリットと裏表のような関係にありますが、少しでも早く終わらせようとすると気温5度以下の時にも塗装をしてしまう、湿度が85%以上と高いにも関わらず塗装をしてしまうという事が発生してしまいます。
これをしてしまうと塗料の乾き(塗膜の形成)に悪い影響を及ぼしてしまうので絶対に避けなければなりません。
厳密に守ってもらえる塗装店であれば問題ありませんが、施工不良が起きるリスクが高くなっているという事はしっかりと認識しておく必要があります。
外壁塗装にふさわしくない月に無事に塗装をする方法
外壁塗装にふさわしくない月に無事に塗装をするためには、とにかく塗装をしてはいけない条件の時に塗装をしないことです。
つまりやってはいけない事を当たり前にやらないという判断、行動ができる塗装店にお願いすることです。
それは裏を返せば、当たり前にやらなければならない事をしっかりとやってくれる塗装店という事でもあります。
元も子もない話ですが、良い塗装店にお願いすることが全てを解決します。
外壁塗装を検討するのにふさわしい月
これまで外壁塗装をするのにふさわしくない月についてずっと書いてきましたが、外壁塗装を検討する時期についてわざわざ最後にお伝えしたいと思います。
外壁塗装の検討とはどの塗装店にお願いするか、いくつかの塗装店の話を聞いて1つの塗装店を選んで契約をすることですが、この検討と実際の塗装が頭の中で完全に結びついてしまっている方があまりに多いのです。
塗装工事は1日2日で終わりませんので、人気の塗装店であれば契約をしてから半年後にようやく塗装開始という事も珍しくありません。
つまり検討、契約から実際の塗装まではかなりの期間があく、タイムラグがあるということです。
ですから塗装にふさわしくない月にこそ検討を始めるがベストなのです。
ふさわしくない月に検討をはじめて、その月に塗装工事が開始することは不可能です。
ぜひ塗装にふさわしくない月こそ、塗装検討をはじめるのにふさわしい月であるということを知っておいていただきたいと思います。
外壁塗装を失敗しないために一番大事なこと
繰り返しになりますが、外壁塗装を失敗しないために一番大事なことは、ふさわしくない月に塗装を実施しないことでも、高級な塗料を選ぶことでもありません。
ふわっとした言い方になってしまいますが、良い塗装店にお願いをすることです。
良い塗装店というのは、適正な価格で契約をしてくれ、手抜き工事などはもちろんせず、細かいところまで配慮して、責任感を持って塗装を完遂させてくれる塗装店です。
私たち外壁塗装パートナーズはそれは自社で塗装職人を抱え、責任施工で行っている、自社塗装の塗装店であることが第一条件だと考えています。
手前味噌にはなりますが、良い塗装店に出会いたい方はぜひ外壁塗装パートナーズをご利用ください。