セキスイハイムの外壁塗装の費用はなぜ高い?メリットやデメリットは?
セキスイハイムで家を建ててもらった多くの方が、家のメンテナンスに直面した時に、価格は?他社は?保証は?と悩んだり考えることが多いのではないかと思います。
セキスイハイムの場合、5年ごとに行われる定期診断で外壁塗装を勧められるケースや、築10年ほど経って外壁の色あせや汚れが気になって外壁塗装を検討するケースがほとんどです。
ただ、セキスイハイムに外壁塗装をそのまま依頼するのは少し待ってください。
今回の記事では、大手のハウスメーカーで家を建てた方誰しもが疑問に思う「ハウスメーカーに塗装を依頼するのはどうなのか?」について解説していきますので、外壁塗装をどうするかの参考にしてください。
読み終わる頃には、安心できる会社に塗装を任せて50万円以上安くする選択肢が増えているはずです。
この記事では、
- セキスイハイムに外壁塗装をしてもらう場合の価格
- 他社で外壁塗装をしてもらう時の保証
- 自分で塗装会社を選ぶ際の注意点
を中心に解説していきます。
よく混同されてしまうのですが、異なるメーカーです。
実は元々同じ会社から派生したという経緯があるため似た名前なのですが、
【セキスイハイム】
積水化学工業株式会社のブランドの一つ
【積水ハウス】
積水化学工業株式会社からハウス部門が独立した別会社
という違いがあります。
ちなみに余談ですが「積水」というのは中国最古の兵法書「孫子」に由来しています。
~記事の前に~
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セキスイハイムに外壁塗装を依頼すると何故高いの?
外壁塗装を検討する時に真っ先に思い浮かぶ選択肢は、家を建ててくれたセキスイハイムに依頼するというものですよね。至極当然の発想です。
実際、セキスイハイムに外壁塗装を依頼することは可能です。
しかし、自分で塗装業者を選ぶ場合と異なり、当然価格は高くなってきます。
他の塗装業者と同じ工事内容でも相場より1.5倍から2倍ぐらい高いです。
理由は主に以下の通りです。
- 下請の塗装業者に工事を依頼するため中間マージンが上乗せされる
- ハウスメーカーが用意した専用塗料が性能に対して割高に設定されている
- セキスイハイムが長期保証するための費用がかかってくる
セキスイハイムからもらったお見積書を見てもこんなことは書いてありません。
書いてはいませんが、間違いなく料金を高くしている原因です。
さらに、実は価格が高いことが原因で施工に手を抜かれているとしたらどうでしょう。
何故そんなことになるのか、わけがわからないと思います。
まずは、価格が高い原因から詳しく見てみましょう。
セキスイハイムの中間マージンが上乗せされる
これについては、少し調べればどこでも言われているのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
実際に工事で手を動かすのは塗装職人さんですが、もちろんセキスイハイムも業者を手配する際には人件費や利益をとらないといけないという事情はあります。
ただ、下請けに工事を依頼して中間マージンを取るのは建築業界全体に言えることですが、特に大手のハウスメーカーはブランド料として、高額な中間マージンを上乗せする傾向にあります。
下請けならまだマシな方で、孫請けに工事が任されるということも珍しくありません。
家のメンテナンスは外壁塗装だけではないので、今後のことも考えると、できるだけ余計な費用をかけたくないというのが家主側の本音ですよね。
セキスイハイム専用塗料が割高に設定されている
ハウスメーカーや訪問販売の会社に多いのですが、塗料メーカーの一般的な商品ではなく、自社のオリジナル塗料をお勧め(もしくは指定)されます。
セキスイハイムのような大手のハウスメーカーであれば、セキスイハイムの家に合う専用塗料を一から開発していると思ってしまいますが、実は塗料メーカーの一般的な塗料とほとんど同じ成分で、名前だけ変えているだけなんです。
そのような商品は、塗料メーカーから卸してもらうのですが、オリジナル塗料ということにしてしまうことで、価格を高く設定した時に他の塗料と価格の比較をしづらくするという意図もあります。
もちろん、塗料メーカーの努力の結晶なので、悪い商品ではありませんし、家に合う塗料を選んでくれているという点では安心できるポイントだと思います。
セキスイハイムの長期保証の維持費
以前ハウスメーカーの方に話を聞いた時に、最終的に家の保証を持つことになるのはハウスメーカーなので、いざという時のために、ある程度料金をとっておかないといけないと仰っていました。その話を聞いて、私自身納得した記憶があります。
大手のハウスメーカーは、工務店なら10年の保証を30年近くまで延長しているところもあるので「とにかく費用はいくらかかってもいいから何もかもハウスメーカーに任せたい」とお考えの方には非常にマッチしたサービスだと思います。
セキスイハイムで塗装をするメリット・デメリット
先ほど、費用が高いことが原因で施工に手を抜かれているかもしれないというお話をしましたが、こちらで詳しく解説します。
これまでセキスイハイムに塗装を頼むと価格が高くなる理由を説明してきましたが、価格が高くなるとセキスイハイムの家に住んでいる方以外にも困る方が出てきます。
それは、下請けや孫請けで実際に工事をする塗装業者です。
ハウスメーカーに塗装を依頼する方からは、ハウスメーカーと一緒に高い利益を得ていると勘違いされてしまうのですが、下請けや孫請けは、指定された高額な塗料を仕入れつつ、かなりの薄利で工事を請けています。
ハウスメーカーから塗装を提案する場合、あまりにも法外な金額にしてしまうと他社に流れてしまいます。ただ、大手のハウスメーカーである以上、1件1件の工事からしっかりと利益は確保しないといけません。
そこで、より安く請けてくれる業者に工事を任せようと考えます。
塗装業者としても、大手の下請けともなれば、工事の数は十分あるので、多少安く工事を請けても、自分たちで個人宅に営業して塗装工事を受注できない業者からすれば、職人たちを暇にさせることがないのでメリットがあります。
しかし、スケジュールが工事で埋まっているのに利益がでない状況が続くと、何とか会社を潰さないよう、規定より塗料を薄めるということを起こしてしまいます。
そもそも塗料は薄めて使うものですが、規定よりも薄くした場合、
- 塗膜の劣化が早くなり想定していた年数もたない
- 塗料の伸びが良くなるので工事が早く終わるため人件費を抑えられる
- 使用している塗料が少なく済むので仕入れ値が安くなる
ということが起こります。
住んでいる人からすれば安心感があると思って高額な塗装費用を払ったにも拘わらず、こんなリスクがあるのはたまったものではないと思います。冷静に考えて、下請け構造が良くない、そんな塗装店は職業倫理がない、ハウスメーカーにしっかり監督させればいい、など色んな批判があるでしょう。
しかし、大きいハウスメーカーであるが故に、下請けとの上下関係があるが故に、変化を起こせない実態があります。ハウスメーカーからすれば、下請けの会社はいくらでもあるので、安く請けてくれる塗装会社に頼みたいと思うでしょうし、下請けという構造を続ける以上、根底から解決するのが難しい問題です。
セキスイハイムで塗装するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
最終的にセキスイハイムが責任を持ってくれる | とにかく費用が高くなる |
自分で塗装業者を選ぶ手間がない | 塗料の選択肢がない |
自社で建てた家なので構造をしっかり把握している | 塗装業者を自分で選べない |
他社で外壁塗装をしてもらう時の保証
「セキスイハイムに頼むと価格が高くてもしっかりと工事をしてくれると思っていたのに、こんなリスクがあるなんて思わなかった」という方も多いのではないでしょうか。
下請けという構造は、特にハウスメーカーが大手であるほど、余計な費用がかかってしまいます。
そこで提示したい選択肢の一つが、他社に外壁塗装をしてもらうというものです。
他社に工事をしてもらう場合、皆さん心配されるのがセキスイハイムの長期保証のことです。
価格が安くなって、安心できそうな塗装業者を自分で選ぶことができても、保証が無くなってしまうのは心配と思われる方も多いと思います。
ここでセキスイハイムの保証について整理してみます。
セキスイハイムは大手ハウスメーカーの中でも、5年ごとに最大60年の長期的な定期診断を行っています。定期診断は、家に異常がないか確かめるものです。高い費用をかけて購入した家ということもあり、非常に手厚いアフターサポートです。この定期診断で不具合がみられた場合、セキスイハイムが用意している30年保証で修理をすることになります。
注意すべきポイントは、どこに不具合があっても30年保証の対象になるわけではないということです。
30年保証の対象は、以下の三点です。
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
- 外壁(下地及び仕上げ材)
外壁塗装の場合、3が該当しそうですが、注意事項をよく読むと「磁気タイル外壁以外の外壁(ジオマイト外壁、レリーフ外壁)の外壁(下地及び仕上材)の保証期間は10年間になります。」と記載があります。ちなみに磁器タイルは元々塗装を必要としない外壁材です。
一般的な塗料だと10年程で塗り直しが必要となりますので、自然な経年劣化に関しては保証の対象にならないということが分かります。
結論としては、外壁を他社で塗装したからと言って保証が切れてしまうということはありません。稀にハウスメーカーの営業マンの方が、他社で塗装をすると保証が切れると説明をしているケースもありますが、そもそも塗装の適正時期には既に保証が切れているので問題はありません。
万が一、10年以内に劣化の症状が出て塗装が必要な場合は、セキスイハイムの保証で工事ができますので、安心してください。
※例外として、工事の内容が外壁塗装にとどまらない場合、②雨水の浸入を防止する部分に手を加えてしまうケースがあるので、他社で塗装工事をする場合はセキスイハイムの施工実績がある業者から話を聞くようにしましょう。
【注意事項】
・保証の期間や内容は対象部位、商品、建築地により異なる場合があります。詳細については保証基準をご覧頂くか営業担当へお問合わせください。
・グランツーユーV、ドマーニイ準耐仕様、賃貸住宅、賃貸併用住宅は30年保証制度の対象外となります。
・建築地が積雪エリア(自治体の定める垂直積雪量が100cm以上の地域)及び北海道の場合は保証期間が異なります。
・外壁について、機能上影響のない反りや軽微なひび割れは保証の適用外となります。
・磁気タイル外壁以外の外壁(ジオマイト外壁、レリーフ外壁)の外壁(下地及び仕上材)の保証期間は10年間になります。
・30年保証制度の適用を受けるためには、お引渡し後3回の定期点検及び25年目迄の5年ごとの定期診断をお受け頂き、適切な補修・メンテナンスを行っていただくことが条件となります。
自分で塗装会社を選ぶ際の注意点
ここまで、ハウスメーカーが高い理由や保証について説明してきました。
家のメンテナンスは今後も避けられないものなので、なるべく安心かつお得にしていただきたいと思い、他社に外壁塗装をしてもらうという選択肢を紹介しました。
しかし、せっかく他社で外壁塗装の提案を聞くことになっても、どのように検討すればいいのか、どの会社に任せたら良いのか、迷うことと思います。
なので、全国で1,000社を超える塗装業者とお付き合いがある弊社の視点で、いくつか検討の進め方についてポイントをお伝えします。
- セキスイハイムの家で施工実績がある業者を選ぶ
- 必ず複数の業者と相見積もりを取る
- ただし、あまりにも多くの業者を手配し過ぎない
当たり前のことばかりですが、どれかが出来ていないと結論が出せずに検討が頓挫してしまいます。
むやみに先延ばしにしてしまうと、せっかく高い費用をかけ建てた家の外観や防水機能が悪くなってしまい、結果的に家の寿命を縮めてしまうので、これら三点だけは忘れずに検討を進めてください。
それぞれのポイントについて説明します。
セキスイハイムの家で施工実績がある業者を選ぶ
セキスイハイムの場合は特に注意していただきたいポイントです。大手のハウスメーカーは独自の施工方法で家を建てているため、施工実績がない業者だと施工後にトラブルになることがあります。
例としては、外壁と外壁の間にある目地(ガスケット)部分です。
大手のハウスメーカーでは湿気による劣化を防いだり、地震の揺れによる家の破損を防ぐ目的で、乾式目地のガスケットを外壁と外壁の隙間に埋め込んでいます。
しかし、年数が経つとガスケットが痩せてしまったり、壁の間から剥がれてしまったりするため、外壁塗装と同じタイミングで、ガスケットを取り除いてコーキング(目地の防水工事)をするのが一般的です。
ただし、ガスケットの仕様を知らない業者が工事をすると、外壁を傷つけてしまったり、新しく埋め直したコーキングが壁に密着せずにしっかり機能しないということが起こりえます。
セキスイハイムの家で施工実績がある業者にお見積りを出してもらいましょう。
必ず複数の業者と相見積もりを取る
この点に関しては、言われずともそうなさる方が多いと思います。
外壁塗装は家の広さや塗料のグレードによって大きく価格が変わります。
1社だけですと、その比較検討ができませんし、まずはご自宅の場合はいくらが適正なのかということを把握するためにも、比較検討は必須です。
上手な検討をする上でコツがあります。
それは最初から各塗装会社に全く同じ塗料で提案を出すよう依頼をしない方がお得になる可能性が高いということです。
なぜなら、各塗装会社が塗料を仕入れる際の商流が異なるので、仕入れが得意な(お得に提案が出せる)塗料も異なってくるからです。
大前提として、家の外壁に合う適切な塗料を選ぶ必要があるので、各社から得意な塗料の提案や説明を聞いた後、気に入った塗料でお見積りを揃えてもらうとスムーズです。
また、その他にも各塗装会社が信用ができるか、担当者との相性は問題ないか、工事はしっかりやってくれそうかなど、様々な要因で判断すべきものなので、面倒でも後悔が無いよう必ずしていただくことをお勧めします。
あまりにも多くの業者を手配しすぎない
この点を最初から理解できる方は、お見積り慣れしている上級者です。
このポイントの意図は、”外壁塗装は家の寿命を伸ばすために必ず必要なものなので、検討自体を取りやめないよう、欲張って対応できない程多くの会社からは話を聞かない”というものです。
上記の”必ず複数の業者から相見積もりを取る”の最後で「面倒でも後悔が無いよう」比較検討をしていただきたいと説明しましたが、あまりにも選択肢が多く面倒な状況になると心的飽和という考えることを放棄してしまう状態になり、検討自体を取りやめてしまう方がとても多いです。
冷静に考えれば、必ずしなければいけない塗装を先延ばしにすることは、家の寿命を縮めることだとわかりますが、心的飽和の状態では冷静な判断ができなくなってしまいます。
そのため、各社に現地を確認してもらって提案を聞いたり、見積もりを出し直してもらったり、等のやり取りの工数を考えるのであれば、大体3社で比較することをお勧めします。
弊社に相談をいただく方で、比較検討を成功させて実際に塗装をした方も、3社から提案を聞いている方の割合が圧倒的に高いです。
結論:セキスイハイムの家の外壁塗装はどうすべき?
他社との比較検討をした上で最終決定することをお勧めします。
セキスイハイムからお見積りを取ったとしても、これまで説明させていただいたように、価格の面でも保証の面でもセキスイハイムで塗装をしないと損をするということはありません。
そして、比較した上で、安心できる業者が見つからずセキスイハイムに最終決定するのであれば、それも一つの選択だと思います。
しかし、比較検討をしないで決めてしまうのは、塗装業界の人間として、下請け構造の不健全さや、単純に価格的な理由から残念に思います。
もし、比較検討をしてみたいということであれば、弊社でお手伝いできることがあります。
弊社では、自社で一貫して工事ができる塗装業者をご紹介しています。
セキスイハイムの家に塗装経験がある会社のみ手配させていただくことも可能です。
審査基準をクリアした会社のみを手配させていただき、現地を見ていただいたり、お見積りを出していただくことができますので、是非お問い合わせください。
セキスイハイムの塗装でよくある質問
ここからは、セキスイハイムで外壁塗装を行う際によくある質問についてご紹介していきます。
Q. 太陽光パネルの下は塗装しなくてもいいですか?
A. 現在の主流な太陽光パネルは屋根一体型のもので、わかりやすく言えば屋根に太陽光パネルがピッタリとくっついてる状態のものになります。
塗装を行う際、当然ながら太陽光パネルの上を塗るわけにはいかないため「パネルを外して全体塗装を行う」、「パネルを外さずにパネルの箇所以外を塗装する」といった選択肢を取ることになります。
質問に対する答えとしては「パネルの下を塗装する必要はない」です。
厳密には「パネルを脱着しなくてもその部位以外を塗装することは可能」であり、全体塗装を行えるのであれば当然パネルの下も塗装した方が良いと言えます。
Q. 自社施工店に外壁塗装を依頼するとどれだけ安くなりますか?
A. セキスイハイムの外壁塗装が高い理由として、子会社に作業を投げているからというのがありますが、実際に自社で塗装を行う業者に依頼した際に、どれくらい安くなるか気になる方もいることでしょう。
セキスイハイムに外壁塗装を依頼した際の費用は、相場の1.5倍から2倍程度と言われています。
つまり、逆算すればセキスイハイムの半額近くが自社施工の外壁塗装相場価格と言えます。
外壁塗装の相場は建物の高さや壁の面積、使っている塗料の種類など様々な要因で変化しますが、およそ100万円前後になります。
セキスイハイムへ依頼する際はこの1.5倍から2倍……つまり150万から200万円になりますが、これは外壁塗装どころか外壁材そのものを張り替えることができる価格です。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
多くのハウスメーカーはオリジナル塗料を提案しています。
しかし、オリジナル塗料には以下のような注意点もあります。
・そのメーカーでしか扱われていないため、どのような不具合があるか分かりにくい
・塗料の性能が分かりにくく、他社製品と比較しにくい
・塗料価格が耐用年数に見合っているか判断できない
そのため、製造メーカー、耐用年数、価格などが分かる、自宅の外壁に合った塗料で施工するのが安心かもしれません。