アルミサッシ塗装 | 塗料の種類や業者に頼むべきかを解説
物に塗装を行う際に気をつけなければいけないのが、物の材質です。
木や鉄など、色を塗っても問題のない材質ばかりではなく、塗装が難しい素材も存在します。
塗装経験者の中には、アルミサッシに色を塗ろうとしてすぐに剥がれ落ちてしまった、という経験があるのではないでしょうか?
この記事では、何故アルミサッシの塗装が難しいのか、アルミサッシに塗装する方法や業者に依頼する際の費用、DIYで自力塗装を行う際の注意点について解説します。
アルミサッシは塗装剥がれで再コーティングができる
名前の通り、アルミが使われているアルミサッシ。
サッシというのは窓枠のことで、わかりやすく言えばガラス窓の銀色の部分のことを指します。
少し前まではアルミというものは定着しづらく、塗装するには難しい素材とされていました。
現在は塗料そのものが技術の向上によって性能が上がっており、それにともなってアルミに塗ることができる塗料や技術が確立しています。
木や鉄と比べると、塗料が定着しづらくてすぐに剥がれてしまう材質であったため、昔はサッシごと取り替える場合が多い傾向にありました。
現在は再コーティングこそ可能になりましたが、やはり木や鉄などの他の材質と比べると長持ちはしません。
アルミサッシの塗装を行うべきタイミング
アルミサッシの塗装は金属の塗装であるため、通常の塗料による塗装とは劣化で出てくる症状が異なります。
そのため、アルミサッシの塗装を行うタイミングを把握するためにはどのような症状が発生しているか、という点について理解している必要があります。
まずわかりやすい症状として、錆や腐食といったサッシが劣化している状態です。
他にも見た目でわかる劣化症状として、サッシの表面に白い斑点のような汚れが出ている状態があります。
これは酸化アルミニウムによるものです。アルミが酸素と反応することで酸化アルミニウムとなり、白い斑点のような見た目で表面上に表れ、これは錆を防止する機能を有しています。
錆を防止するのなら良いものでは?と思うかもしれませんが、単純に見た目が悪くなるだけでなく、剥がれやすくなるため、錆は防止できても剥がれてボロボロになってしまうので塗装した方が良いでしょう。
アルミへの塗装は大変なので業者に任せるべき
塗料の進化でアルミサッシへの塗装ができるようになったといっても、木や鉄と比べて綺麗で問題のない塗装を行うのが難しいというのは変わりありません。
DIYとして自分の手で塗装を行うことも可能ではありますが、無理をして台無しにするのもまた無駄というものです。
難しそうだな、失敗したくないな……と不安な方は業者に任せてしまいましょう。
ミス無く完璧な仕上がりでアルミ塗装を行ってくれることでしょう。
アルミサッシの塗装を依頼した場合の費用
アルミサッシへの塗装自体は安く、業者へ依頼する際も一箇所につき2万円から高くても7万円程度です。
アルミサッシ自体を変えなければならないといった場合は、30万円から50万円程度かかるため注意しましょう。
ただ、DIYで行う場合について費用や工程も気になる方もいるでしょう。続いて下記についても解説していきます。
- DIYで塗装を行う方法や注意点
- アルミサッシを塗装する工程
- アルミサッシを塗装する際に使われる塗料
DIYで塗装を行いたい場合
DIY、つまり自力でアルミサッシの塗装を行いたい場合は、ある程度の知識と技術が必要です。
塗装なんてただ塗るだけじゃないの?と思っている方もいるかもしれませんが、そうそう簡単な話ではありません。
まず第一に必要な道具類が多い、という点が挙げられます。ざっと挙げるだけでも以下のような道具が必要です。
- エプロン、厚手のゴム手袋、汚れても良い服、マスク、拭き取り用の布
- マスキングテープやマスカー
- 刷毛
- サンドペーパー(やすり)
- アルミ用下塗り塗料、仕上げ塗料、コーティング剤
普段からDIYを嗜んでいるという方であれば、マスキングテープやマスカー、刷毛やサンドペーパーは常備しているため、大変な作業も楽しめるのであれば問題ありません。
ただし、一から道具を揃えて取り組むというようなDIY初心者の方には難易度が難しいため、おすすめしません。
アルミサッシを塗装する工程
アルミサッシを塗装する工程についても解説しましょう。アルミサッシの塗装は5工程に分かれており、それぞれ解説していきます。
1.洗浄
当然のことではありますが、汚れている状態で塗装しようものなら異物が混ざって浮き出ます。
ぶつぶつとした見た目の悪い仕上がりになるだけでなく、ただでさえ剥がれやすい塗料が更に剥がれやすくなるため、きちんと洗浄して汚れを拭き取り、水分もしっかり残らないようにしましょう。
2.下処理
洗浄と並行して行うのが下処理です。
サンドペーパーなどを使用して傷を均したり、錆を削り取ったりしましょう。
ここでしっかりと表面を整えなければコーティングの持ちが大きく変わるため、ある意味最も大事な作業と言えます。
当然、錆を削ったりすれば削りかすが出るため、きちんと洗浄して洗い流しておきましょう。
3.養生
次の工程は養生です。
養生といっても人に使う意味合いの養生ではなく、工事用語の方の養生で、簡単に言えば「周囲を汚さない状態にする」という意味があります。
単純に周囲を汚さないようにするだけでなく、先に塗装完了した部分を汚さないようにする、といった意味もあるため、作業に集中するためにも養生はしっかりと行いましょう。
養生にはマスキングテープを使います。
マスキングテープは貼った所に塗料がつかないようにするためのものであり、取り付け部分などの塗料がついて固まってしまうと困る部位にしっかりと貼っておきましょう。
4.下塗り
いよいよ塗装が始まります。
まず使うのはアルミ用の下塗り塗料です。下塗り塗料は次に使う塗料の塗膜が素材にぴったりとくっつくようにする役割を持ちます。
下塗りを行わずに塗料を塗っても、すぐに剥がれてしまうため注意しましょう。
5.本塗り
最後に本塗りを行います。
本塗りは中塗りと上塗りの二段階あり、同じ塗料で塗り直します。
重ねて塗ることによって色や塗りの厚さにムラが出ないようにする意味があるため、しっかりと2回塗るようにすることをおすすめします。
塗り終わったらきちんと乾燥した状態で乾かしましょう。完全に乾く前に触れてしまったり物が付着すると、剥がれやすくなったり見た目が悪くなってしまうため注意しましょう。
アルミサッシの塗装に使われる塗料
アルミサッシに使われる塗料には、アルミ用と記載しているものを使います。
刷毛で塗るタイプの塗料もあれば、プラモデルなどのようにスプレータイプの吹きかける塗料もあります。
塗料が気化した空気や、スプレータイプの塗料を吸い込むと身体に良くないため、きちんとマスクをつけて作業を行うようにしましょう。
下塗り塗料には「メタル用・金属用」と書いてあるものを使用することができます。
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アルミサッシの塗装は業者に依頼すべきですか?
アルミサッシの塗装は、基本的に素人が綺麗にかつ長持ちするように行うことはほぼ不可能です。
普段からDIYで塗装を行っており、アルミ塗装に関する知識や経験を有しているのであれば可能かもしれませんが、そうでもなければ業者へ依頼するのが最も安全かつ確実です。最悪の場合、内部に塗料が飛び、固まって上手く窓がはまらなくなる……というような状態に陥ります。
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アルミサッシの塗装の耐用年数は?
元々アルミサッシには電着塗装というものが行われており、これの耐用年数は25年程度と言われています。そのため、普通であれば再塗装の必要もなく、25年程度は持ちます。錆や酸化現象も、元々アルミニウム合金自体が高い防水性を有しているためさほど問題にはなりません。
それを踏まえて再塗装を行うと、元々の耐用年数は下がってしまいますが、大体一度の塗装で6、7年程度持ちます。もちろん環境次第なので、気候によっては窓に結露が増えたりして剥がれやすくなる可能性もあります。
まとめ | アルミサッシ塗装
以上、アルミサッシへの塗装についてまとめました。
アルミサッシは現代の技術で安定した塗装が可能です。ただし、DIYで自ら塗装する場合は、木製や樹脂製のサッシよりも難易度が高いと言わざるを得ません。本来アルミサッシは十分頑丈であり、木製や樹脂製と比較すると塗装による補修の必要性は低いと言えます。
それでも錆や酸化が気になるという方や、色を変えたいという方は業者へ塗装を依頼すると良いです。高所の窓を塗装する場合は取り付け・取り外しなどで足場を設置する必要があるため、足場代が発生する点には注意しましょう。