外壁塗装の失敗事例【5選】原因と対策を解説
外壁塗装はリフォーム工事の中で一番トラブルが多い工事です。
お家の塗装工事は100万円近くかかるため、失敗したくないですよね。
この記事では、外壁塗装の失敗事例を5つ紹介し、失敗しないための対策も紹介します。
外壁塗装の失敗事例5選
外壁塗装には失敗が生じることがあります。
失敗の原因は、単純な施工不良であったり、自分で塗装を行った結果発生したトラブルであったりとさまざまです。
今回の記事では下記の失敗事例を解説していきます。
- 費用が高額だった
- ご近所トラブル
- 施工不良
- DIYトラブル
- 完成品とイメージの齟齬
それぞれ原因と合わせて解説します。
失敗例1:費用が高額だった
外壁塗装のトラブルとしてありがちなのが悪徳業者による高額な費用の請求です。
ただ、これは依頼する側の理解不足による勘違いが原因の可能性もあります。
基本的に外壁塗装は100万円前後の費用が発生します。
これは相場価格ではありますが下記のようなさまざまな要素が絡み合って費用が算出されるので、どうしても幅が生じてしまいます。
- 建物の高さ
- 塗料の種類
- 築年数
- 外壁材の種類
屋根塗装の有無そのため相場では○○万だったのに○○万請求された!と筋違いなことを言って業者を困らせてしまう依頼人というのも少なからず存在しています。
事前に見積もりを行ったりもしますが、施工を開始してから気付くこともありますので、必ずしも見積もり通りの料金で収まるとは限らない点にも注意が必要です。
原因:中間マージンが発生した
業者に依頼をする際に注意が必要な点として、「大手のホームセンターなどはあくまで中間業者である」というものがあります。
というのも、こういった大手のホームセンターなどは直接施工を行うわけではなく、受けた依頼を子会社や塗装業者に仲介する立場であるため、中間マージンが発生してしまいます。
当然直接塗装業者に依頼するよりも中間マージンの分、料金は多くなってしまうため、ネットなどで調べると出てくる相場価格よりも高くなります。
対策としては簡単で、塗装業者に直接依頼すれば良いだけです。
原因:悪徳業者に依頼してしまった
悪徳業者の手口の1つとしてよくあるのが、見積もり段階では安く提示して実際に施工が始まってから理由をつけて料金を高くしていくというもの。
他にも足場代無料などと言って特定の作業代を無料にしつつ、その分の費用を他の作業代に追加して結果的に通常の依頼料金と変わらない費用を請求する手口も存在します。
対策は複数の業者に対して見積もりを依頼し、比較する相見積もりを行ってから業者を選ぶと良いでしょう。
この際注意するのは価格ではなく、見積もりの正確さです。
悪徳業者にありがちなポイントとして見積もりが大雑把である場合が多く、逆に見積内容が詳細であればあるほど信頼性の高い業者であると言えます。
関連記事:外壁塗装はトラブルが多い?知っておきたい4つのトラブル対策!
原因:外壁塗装をやるのが遅すぎた
外壁塗装には時期があります。
季節・築年数・劣化状態などさまざまな要因で価格が増減します。
とくに季節の影響は大きく、繁忙期と閑散期で価格は大幅に変わってきます。
繁忙期の時は当然依頼が重なるため、依頼をするのが遅ければその分価格は高くなる上、施工までにかかる期間も延びてしまいます。
他にも築年数が数十年経ってしまっていたり外壁の劣化状態によっては外壁塗装ではなく、外壁の張り替え・重ね張りが推奨されるため倍近くの費用がかかります。
対策としては、前者であれば時期を見計らうこと、後者であれば建物の築年数を把握することです。
基本的に悪化する前の状態で施工する方が安く済みます。
関連記事:【手遅れになる前に】外壁塗装は必要ない?しないとどうなる?必要性も含めて解説
失敗例2:近所とのトラブル
外壁塗装はそれなりに大きな工事になるため、周囲に住むご近所にも影響は及びます。
建築工事と比べると騒音はそこまでありませんが、塗料の臭いであったり飛び散った塗料で他の建築物が汚れたり、他人の敷地内に飛んでしまったりといったトラブルが発生する可能性があります。
原因:近所の挨拶にいっていない
工事である以上、近所に住んでいる方には挨拶をしておいた方が良いです。
大抵こういった挨拶は業者が行ってくれますが、そうでない業者もいるためなるべく自分でも伝えておきましょう。
対策としては、工事前に挨拶をしておけば良いでしょう。
もし留守だったりして話を通せなかった場合は、メモか何かを置いておきましょう。
関連記事:外壁塗装の工事でご近所トラブル発生?3つのトラブル事例と解決策
原因:飛散防止ネットを一部しかかけていない
塗装中に塗料が飛散してしまった際に他の場所を汚さないように飛散防止ネットというものをかけておきます。
しかし、業者のミスなどでネットを一部しかかけていなかったりすると他人の敷地や建物に塗料が飛んでしまい、汚してしまう可能性があります。
場合によっては慰謝料などを請求される可能性もありますので、対策として事前にきちんと業者に伝えておくと良いでしょう。
原因:油性塗料の臭いがきつい
塗料、とくに油性塗料は臭いがきつく乾ききるまではどうしても鼻を突くような臭いが漂います。
事前に塗装工事を知らされていない状態でこのような臭いに襲われてしまえば、不満からトラブルが発生することもあるでしょう。
そのため、油性塗料を使用する際にはご近所へ伝える際に一言「油性塗料を使うため乾くまでしばらく臭いがします」と付け加えておきましょう。
臭いを避けるために他の塗料を使うのも対策と言えるでしょう。
失敗例3:塗料が1年で剥がれてきてしまった
外壁塗装をして1‐2年で塗料が剥がれてきてしまったケースです。
基本的に塗料の耐用年数は、一番安価で耐用年数が低いアクリル塗料であっても、最低でも5年はもちます。
つまり塗料が何の理由もなく一年で剥がれてしまうことはなく、必ず原因が存在します。
業者による手抜き工事やミスなどの施工不良が主な原因であり、それ以外であれば物理的なダメージなどが考えられます。
基本的に下記の原因すべてが「業者の施工不良」であるため、対策は共通して「まともな業者を選ぶ」ことになります。
それでも人による作業であるためどうしてもヒューマンエラーが発生する可能性があります。
それを踏まえた上で保証がある業者を選ぶと良いでしょう。
原因:手抜き工事
悪徳業者にありがちな手抜き工事が原因の場合、一年以内で塗装が剥がれてしまうことがあります。
手抜き工事によって塗装が剥がれるというのはまだマシな方で、ひどい場合は目につかない場所を塗装しないという、実質詐欺のような手抜き工事も存在します。
そういった箇所は当然意識しないと見えない場所であるため、気づかずに過ごしてしまうでしょう。
関連記事:外壁塗装は手抜き工事が多い?三大手抜き工事の例とその解決策
原因:下地処理を行っていない
塗装は一度塗れば終わりなわけではなく、まず塗料を外壁になじませるための下地処理を行います。
これがしっかりしていないと下塗り・中塗り・上塗りが定着せずに、乾いた際にすぐに剥がれてしまう原因になります。
とくに塗料と外壁の間に隙間がある場合などは、そこから水分が溜まったり、熱で空気が膨張して膨らみが発生したりなど、見た目も悪くなるでしょう。
単純に施工の質が悪い場合や、業者のミスの可能性もあるため、保証対象である可能性が高いです。
また壁材と塗料の相性が悪いとそもそも下地処理を行ってもうまく定着しない可能性があるため、そういった際は塗料選びに注意するのが対策になります。
原因:下塗りの不足
上記でも軽く触れていますが、塗装は一回塗るだけでなく基本的には、下塗りから中塗り、上塗りという3回の塗装によって行われます。
これは塗りムラをなくして均等に塗装ができるようにするのと、しっかりと塗料を定着させる意味があります。
この際下塗りが十分に行われていなければ、続く上塗りも部分部分で一回だけしか塗られていない状態になるため、剥がれやすくなります。
関連記事:外壁塗装は下塗りが超重要!3つの理由と下塗り材の種類を徹底解説
失敗例4:DIYをしたが結局失敗した
外壁塗装を行う際に、業者ではなく自力で行うDIYで対処しようとした結果失敗する事例が存在します。
この場合の対策方法は「業者に依頼する」一択です。
無理をしてDIYしようとした結果失敗している以上、同じ失敗や別の失敗を繰り返さないとは言い切れません。
DIYにこだわった結果、より出費がかさむような結果になってしまっては元も子も有りません。
原因:技術不足
外壁塗装はただ塗料を塗るだけの作業ではありません。
しっかりとした技術や知識を元に、プロの腕前をもって行われる立派な工事です。
それを技術力不足の素人が自前で行おうとしても失敗するのは道理と言えるでしょう。
外壁塗装は100万円近くかかりますが、そのうち塗料は2割前後で、残りは足場代を含めた作業料なので、自前でやると8割近くの費用を削減できます。
しかし、逆に言えば「外壁塗装においては塗料よりも作業部分が重要である」と考えられるでしょう。
技術不足は経験で補うものであるため、素人である以上は対策のしようはありません。
原因:足場代をケチってけがをした
外壁塗装では高所作業も存在します。
そのため足場を用意しますが、業者に依頼する際足場は20万円近くかかります。
基本的に高所作業における足場は2種類あり、単管パイプを挟み込む簡易的なものと、くさび緊結式足場というしっかりとした足場があります。
まともな工事であればくさび緊結式足場を使い、基本的に単管パイプの足場は使われません。
くさび緊結式足場が置けない場所で仕方なく単管パイプを使うことはありますが、メインで使っている場合警察などに工事を中止するよう勧告されるでしょう。
そしてDIYの範囲でくさび緊結式足場を用意できる人はそうはいません。
であれば、不確かな足場を使うことになり、さらにケチった結果脚立などの到底工事に使えないような足場で作業をすると、落下事故を起こしてしまう可能性があります。
こちらも、足場代をケチらないのなら業者に依頼した方が確実かつ安全と言えるでしょう。
原因:塗料の知識不足
塗料はどれも同じというわけではなく、たとえば2液タイプの塗料など、塗料の種類によって塗り方であったり相性のいい壁材などが決まっています。
塗料の知識不足から間違った塗装の仕方をしていたり、かき混ぜが不十分で塗装後すぐにチョーキングなどが起こったりと、知識不足による失敗が起きると塗料を無駄に消費してしまいます。
そして、これは業者であっても、取り扱いの少ない塗料であれば同じようなミスをする可能性があるため、業者選びには注意しましょう。
関連記事:外壁塗装のDIYってできるの?必要な道具や施工の手順を解説
失敗例5:出来上がりがイメージと違った
5つめは出来上がりと施工前のイメージとの齟齬・乖離です。
本来はこんな色合いじゃなかった、と後悔してしまうことがある可能性があります。
そういった失敗はある程度事前に対策できますが、個人の感覚や勘違いによる違和感の可能性もあるため、対策しても意味がない可能性もあります。
最終的には再塗装か諦めるかのどちらかになるため、挑戦するよりも無難な色を選んでおくのも選択の1つです。
原因:カラーシミュレーションをしなかった
塗装前の色確認にはカラーシミュレーションというものがあります。
これはパソコンに塗装予定の住宅の画像を取り込んで、専用のソフトを使って塗装を行った際の色合いなどをシミュレーションすることを指します。
インターネット上で利用可能なカラーシミュレーションソフトやサイトが存在します。
それを利用することである程度完成予想が可能になるため、これを行わなかった結果全体的な印象がイメージと異なっていた、という失敗につながってしまいます。
対策として、事前にしっかりカラーシミュレーションを行っておきましょう。
原因:小さいカラーサンプルしか見ていない
塗料の公式サイトや参考資料としてカラーサンプルを見ることがあると思いますが、それだけを見ても確実にその色になるとは限りません。
サンプルはあくまでもサンプルであって、外壁の材質や日のあたり方などによって色合い・風合いは変わってきます。
そのため、実際に板に塗装した塗り版やカラーシミュレーションなどによって、全体的な塗装後の雰囲気を確認しましょう。
原因:塗料の風合いの確認不足
塗装において重要なポイントとして、「塗料そのものの色」と「塗装した後の全体的な風合い」は別です。
塗料の段階ではただの単色の色ですが、全体的に塗ることで壁材と合わせた風合いが出てきます。
また、薄い色合いの塗料を選んだ際にありがちなのが「面積効果」で、これは小さい面積では薄い色に見えていた塗料が、大きな面積に塗った時には濃く見えてしまう現象のことです。
これを避けるにはやはり事前に塗ったらどうなるかを知っておく必要があるため、カラーシミュレーションや実際に塗った後の写真などを見るしかないでしょう。
まとめ
塗装の失敗と対策を解説してきました。
基本的に塗装そのものに関係する失敗はまともな業者を選ぶことで対策できます。
ご近所関係のトラブルも、基本的にはご近所に話を通しておくだけで対策できるでしょう。
それでもトラブルが発生してしまうのはあり得ない話ではないため、その都度必要な対処を行えるよう、事前にしっかりと予想しておくことが大切です。