【2023(令和5)年】屋根葺き替え・重ね葺きで使える国の補助金・助成金について解説
今年度、国から出ている屋根工事で使える補助金は、国土交通省から出ている長期優良化リフォーム推進事業制度というものです。
屋根工事と一言でいっても、現在の屋根の状態に応じて、葺き替え・重ね葺き(カバー工法)を選択する必要があります。
しかし、この補助金を受けるためには、多くの場合葺き替えを選びます。
理由は、補助金の目的の一つが耐震性能を上げる工事に対して補助をするというものだからです。
葺き替えか、重ね葺きかを選ぶ場合、耐震性能が上がるかが補助金が出るかどうかの焦点となります。
屋根の重量を落として地震に強くするためには、軽い屋根材に替える必要があるため、屋根の重さが増す重ね葺きを選択することは難しく、消去法として葺き替えを選ぶケースがほとんどというわけです。
雨漏りなどのきっかけがあって屋根の修繕を考えている場合、葺き替えを選ばないと根本的な解決は望めないため、補助金があるうちに検討することをお勧めします。
長期優良化リフォーム推進事業の概要
こちらの補助金は、住宅の長寿命化、省エネ化、子育てしやすい環境づくりのためのリフォームや改修を補助する目的で作られたものです。
補助金額の上限は、リフォーム後の家の性能が認定長期優良住宅型か評価基準型のどちらを満たすのかにより決定します。
認定長期優良住宅型というのは戸建ての増改築の場合「劣化対策・耐震性・維持管理更新の容易性・省エネルギー性・居住環境・災害配慮・住戸面積・維持保全計画の全ての性能項目を満たし長期優良住宅に認定されるリフォーム工事」を指します。
家の全面的な改修が必要になる場合がほとんどなのでハードルが高いですが、その分補助金の上限額も多く200万円(条件により250万円※)と設定されています。
評価基準型というのは、長期優良住宅ほどの高い基準には満たしていなくても「リフォームにより劣化対策・耐震性・省エネルギー性の三項目で一定の水準を満たしたもの」です。
上限金額は100万円(条件により150万円※)です。
国土交通省の資料によると、補助金の全体予算のうち評価基準型で70%、認定長期優良住宅型で30%の補助金枠が設定されています。
※補助金上限が50万円上がる条件というのは、三世代同居対応改修工事・40歳未満の若者・18歳未満の子供を有する子育て世帯・自らが住むための住居を購入して1年以内・消費エネルギーが20%減となる工事、のいずれかに該当する場合です。
補助金額の決定
工事に関する補助額は基本的に単価積上方式により決定され、下記のいずれか低い方の金額が採用されます。
- 各工事に設定された単価(円)×広さ(㎡)※で算出した合計金額の1/3
- 契約金額の0.8倍×1/3
※工事に設定された単価として屋根工事に関するものは、
- 屋根の軽量化:10,500円/㎡
- 屋根補修:600円/㎡
- 仮設足場の設置:900円/㎡
が主なものになります。
その他工事以外の項目として、
補助金を受ける上で必須となる下記の三項目に、最大45万円の補助が出ます。
- 事前住宅状況調査(インスペクション)
- リフォーム履歴作成
- 維持保全計画の作成
更にリフォーム瑕疵保険に最大3万円の補助金も出るので、家によって受けられる合計補助金額が大きく変わってきます。
そのため、ご自宅の場合だといくらの補助金を受けることができるか確認するなら、お見積りをとって確認していただくのが一番の近道です。
補助金を受ける条件
大きく分けて3つあります。
- リフォーム工事前に既存住宅状況調査(インスペクション)を実施すること
- 必須項目である、劣化対策・耐震性・省エネルギー対策の基準を満たすこと
(その他基準は、認定長期優良住宅型の場合のみ必須) - 維持保全計画及びリフォーム履歴の作成
補助金を受ける上での注意点
国のリストに登録された事業者でリフォーム工事をしてもらうこと
長期優良化リフォーム推進事業制度で事業者登録されている業者で申請・工事を行わないと補助金をもらうことができません。
お見積りをとる段階で業者が登録されている必要はありませんが、2023年(令和5年)11月30日までに事業者登録されている必要があるので、工事をしてくれる業者が該当するかどうか必須で確認をしましょう。
既存住宅状況調査(インスペクション)よりも先にお見積りをとる
インスペクションに対しても補助金が出るので、先に調査してもらおうとする方もいらっしゃるかと思いますが、補助金が出るかどうかまだわからない段階で、費用がかかるインスペクションをしてしまうと、自己負担になってしまう可能性があります。
まずは、お見積りをとり、どの業者にするのか決めた上でインスペクションを進めましょう。
補助金の申込期間
長期優良化リフォーム推進事業制度の流れについて説明します。
まず、国に登録された業者を選び、インスペクションをしてから工事内容を決め契約します。
次に、住宅登録を進めて、交付申請を出し、補助金の交付決定が下りたら工事・引き渡しとなります。
その後、業者は工事完了報告を国に出して、最終的な補助金額が確定し、振り込まれるという流れです。
そして、各申し込みの締め切りは下記の通りです。
住宅登録:令和5年4月7日~令和5年12月15日
交付申請:令和5年5月8日~令和5年12月22日
完了報告:令和5年6月12日~令和6年2月16日
住宅登録の締め切りが一番早いですが、住宅登録に進むまでにやることは多いので、早め早めを意識して動かれることをお勧めします。
その他利用可能な補助金
珍しいケースですが、都道府県や市区町村からも屋根工事に関する補助金が出ているケースがあります。
全国に共通している屋根工事の補助金を受けるための条件としては、
- 省エネリフォームもしくは耐震リフォームであること
- 税金の未払いがないこと
- 住居目的の住宅であること
- 反社会的勢力と関りがないこと
などが挙げられます。
お見積りの際に、お住まいの地域で利用可能な補助金があるかどうか業者に確認してみてください。
補助金の利用を検討するなら専門家に相談
今回は屋根に絞って長期優良化リフォーム推進事業制度を解説しましたが、本来家全体のリフォームを包括的に支援するための補助金です。
そのため、もし築年数が経っているのであれば、屋根以外の箇所もまとめてリフォームを検討してみるのも良いかもしれません。
ただ、やはり専門的な視点が必要で、どの工事にいくらの補助が出るのか概算で計算しづらいという問題もあります。
なので、一度屋根の業者に現地を見ていただき、お見積りをとっていただくのをお勧めします。
屋根工事パートナーズでは、お客様から家の状況を聞いた上で、厳しい審査をクリアした業者のみをご紹介しています。
屋根工事を後回しにすると雨漏りなどが発生し、手遅れになってしまうこともありますので、築年数が経ってそろそろ屋根工事を検討してみようとお考えの場合は、是非ご相談ください。