外壁塗装の吹き付けスタッコ仕上げって何?スタッコの特徴と再塗装の注意点を解説!
吹き付けスタッコとは?
スタッコ(英語:stucco)とは、石灰と水で出来た化粧漆喰という建築材料のことです。
主にモルタル外壁の表面の仕上げの際に使用します。
そもそもモルタル外壁とは、セメントと砂、水で出来た外壁のことを指します。
そのモルタル外壁に対してスタッコ(石灰と砂)を吹き付け、外壁の模様を作り上げるため、吹き付けスタッコとも呼ばれます。
といろいろ紹介しましたが、主成分はモルタル外壁とスタッコは同じ石灰を使っているので、左官屋さんは総称してモルタルと呼んだりもします。
詳しくはこちらでも解説していますので、ご覧ください。
吹き付けスタッコの見分け方
吹き付けスタッコした外壁の表面は、凹凸しています。
見た目でいうと、他のモルタル外壁の表面の施工方法(吹き付けリシンなど)とほとんど一緒ですので、見分けにくいです。
ただ、実際に表面を触ってみると比較的なめらかになっていますので、スタッコを見分ける唯一の方法です。
反対に吹き付けリシンを触ってみますと、同じ凸凹した見た目なのに、少し痛いです。
ここで、スタッコとリシンの違いをご紹介します。
施工方法 | 種類 | イメージ | 仕上がり方 | 素材 | 耐用年数 |
---|---|---|---|---|---|
コンプレッサーで吹き付ける方法 | スタッコ | 厚い塗膜 | セメント+塗料、骨材など | 約10年 | |
リシン | 薄い塗膜 | 塗料+砂 | 約7~8年 |
※スマートフォンの場合、各参考画像は2本指で拡大できますので、比較してみてください。
リシンは塗料に砂を混ぜたもので
スタッコは、セメントに塗料を混ぜ、さらに大理石など骨材を混ぜたものです。
ですので、リシンの薄い仕上げと比べて、スタッコの仕上がりは厚いです。
リシンの厚塗り仕上げがスタッコと説明する方もいます。
ただ、リシンと比較してスタッコは厚塗りの凸凹のため、汚れがつきやすいです。
リシンについてはこちらもご覧ください。
吹き付けスタッコのメリットとデメリット
外壁がスタッコであるメリットとして、
・コテで凹凸が多いため、重厚感あるデザインに仕上がる
・塗膜に厚みがあるため、耐久年数が10年と高い
反対にデメリットとしては、
・凸凹が深いので、溝に汚れが溜まってしまうので目立つ
・2回目の塗装の時に、凸凹が深いため塗料を多く使用する
といった点があります。
吹き付けスタッコの工事方法とは
スタッコの工事方法として主に2種類あります。
①吹き付けスタッコ
コンプレッサーと呼ばれる機械で、モルタルに吹き付けていく仕上げ方法です。
スタッコフレックス吹付 STUC-O-FLEX | 株式会社kotori
ローラーで塗ったり、コテで仕上げていくのに比べ短時間で塗装が済みますので、多く採用されています。
リシンよりさらに大きな凸凹が表面にできあがり、指で力を入れて触ると、傷がつくほどです。
石壁のような独特の風合いとなります。
②鏝仕上げのスタッコ
また現在主流の吹き付けスタッコとは違い、昔からの左官職人による鏝仕上げのスタッコもあります。
吹き付けとは違い、様々な模様を出すことができるのが特徴ですが、当然より高価となることから建売住宅で採用されることはほとんどなく、注文住宅で採用されています。
吹き付けスタッコの劣化状態の見分け方
①ヒビ割れ(クラック)
リシンほどではないですが、サイディングと比べて塗り仕上げはクラック(亀裂)が入りやすい構造です。
クラックを見つけたからと言って、すぐさま外壁塗装をしなければいけないという事ではありませんが、クラック(亀裂)も段階があるので、すぐに対処をした方が良いのかはその程度によって変わります。
種類 | 重症度 | 詳細 |
---|---|---|
ヘアークラック | ★☆☆ | 髪の毛の細さほどの小さなクラックで、モルタルではなく塗膜のみのクラック。 経過観察で問題なし。 |
乾燥クラック | ★★☆ | モルタルの乾燥とともに入る、モルタルと塗膜のクラック。 その幅次第ではあるが、すぐさま再塗装を必要とするものではないです。 もし横に入ってしまっている場合は、雨水の侵入が縦クラックに比べて膨大になるので早急な処置が必要になる場合があります。 |
構造クラック | ★★★ | 幅が0.3mm以上で、その深さが0.5mm以上あるモルタルと塗膜の大きなクラック。 早急な処置が必要。 |
②外壁を触ると手に色がつく(チョーキング)
スタッコにクラックが入っていなかったとしても、そのスタッコ自体に防御膜としての効果が無くなってきている場合があります。
チョーキングと言って、指でさわると学校の黒板で使われていたチョークを触ったように塗料の粉が付く現象が、塗膜が剥がれてきている兆候として表れます。
スタッコのチョーキングのチェックは触ることのできる表面積が小さいので、指で触ったあと目を凝らして少しでも粉がついていないかを観察するようにしてください。
10年に1度は我が家を点検しよう
我が家に長く住もうと思っているなら、クラックやチョーキングには要注意です。
家がダメージを受けている証拠なので、そんな時は外壁塗装をするタイミングです。
外壁塗装パートナーズでは、お家の劣化状況に対して、適切な処置ができる塗装会社をご紹介しています。
以下のフォームより無料でご依頼できますので、お気軽にご相談ください。
吹き付けスタッコの再塗装の注意点
先ほども申し上げたように、スタッコ等の凹凸が強い外壁は平面の外壁よりも塗料を多く使用します。
そうすると、通常よりも若干、外壁塗装の費用が高くなる可能性があります。
また、凹凸がある分汚れが溜まっているため、塗装工事の際は高圧洗浄機で念入りに掃除する必要があります。
以上のような注意点は、経験のある塗装店であれば十分に気を付けて塗装工事をしてくれるので、塗装店の良し悪しを見極めることが重要となります。
塗装業者の見分け方については、こちらでも解説しておりますので、ぜひご一読ください。
まとめ
建売にしろ、注文住宅にしろ、最近はサイディングの外壁が圧倒的に主流となり、モルタル外壁自体の比率が大幅に低下してきております。
結果として、吹き付けスタッコもめっきり少なくなりました。
そうなると、現在スタッコの外壁である方は、ある程度の築年数が経っている方が多数だと思います。
もし今まで一度も第三者によるチェックをしてもらった事が無い方は、これを機に一度してもらう事をお勧め致します。
適切なタイミングでの再塗装を行えば、現在は耐久性の長い塗料もたくさん出てきていますのでご自宅の資産性を高める事ができます。
外壁のメンテナンスの目的は、建物の耐久性の向上と美観の保持です。
どちらも我慢し過ぎると、結果的により大きな出費を伴う事になってしまいますので、早め早めの対策を心がけて頂きたいと思います。
その他外壁のメンテナンス時期については、こちらでも解説しておりますので、ぜひご一読ください。