【モルタル壁の方必見】吹き付けタイルとは?補修方法や耐久性をまるっと解説
この記事はこんな方向けの記事です
- 吹き付けタイルをお家の仕上げ材として使っている
- 外壁材にモルタルを使っている
- 前回の塗装や新築から10年経った
吹き付けタイルはなかなか馴染みのある用語でなくどんなものなの?とわからない方は少なくありません。
馴染みがないからこそ、メンテナンスなしでどれくらい持つのか、修理のタイミングがわからないとご相談を多く頂くことが多いです。
吹き付けタイルはモルタル壁に使われる性質上、メンテナンスせずに放置しておくと外壁材が傷んでしまい修繕費用が掛かっていしまう恐れがあります。
そこでこの記事ではお家をより長持ちさせるために、以下のことを解説します。
この記事でわかること
- 吹き付けタイルの特徴
- 外壁の仕上げを吹き付けタイルにする際の耐用年数
- 家を出て10秒で行えるメンテナンス時期を把握する方法
吹き付けタイルはモルタルの仕上げ方法の1つ
吹き付けタイルとは、モルタル外壁の仕上げ方法の1つです。
今現在の外壁材の主流はサイディングと呼ばれる、工場で作った既製品のボードを貼り付けていくものですが、築年数が20年前後の住宅はモルタルがほとんどだと思います。
外壁が吹き付けタイルだと言われたら、外壁材はモルタルです。
日本の昔の城や倉などの白壁は、漆喰と呼ばれ、その歴史は古く縄文時代後期までさかのぼりますが、モルタルはその漆喰の現代版で、主原料は石灰と変わりません。
漆喰は、もともと石灰と書かれていたものの当て字です。
英語でもmortarと記しますが、辞書で訳をひくと、やはりモルタル・漆喰とあります。
そもそもモルタルとは?
モルタルは、セメントと砂と水を混ぜて練ったものです。
そして、セメントは石灰石、粘土、石膏を主原料とする粉末です。
ちなみに、セメントに砂利と水を混ぜたものが道路などに使われているコンクリートです。
セメントは英語でcementと記し、そもそもの意味は「結合」です。
セメントは、水と反応し硬化する性質がありますので、セメントだけでは強度が弱いのでそこに細かい砂を混ぜたものがモルタル、大きな砂利も混ぜたものがコンクリートとなります。
モルタルの防御壁の吹き付けタイル
モルタルはセメントと砂と水を混ぜ合わせたものですので、モルタルが固まったとしてもそれ自体には防水性はありません。
ですので、雨水からモルタルを守る為に、さらに外側に仕上げをする必要があります。
ここが塗装部分になり、この仕上げ方法の代表的な1つが吹き付けタイルになります。
リシンでモルタルを守っているのです。
吹き付けタイルとは?
吹き付けタイルとは、タイルという名前がついていますが、本当のタイルとは全く違います。
見た目も正直タイルとは言い難いものです。
ではなぜタイルという名称なのでしょうか?
それはAGCコーテック株式会社が、1963年に西ドイツ・クノール社より技術導入したセメント系無機釉薬工法を基本に、内・外装用大版美術タイル「ボンタイル」の開発製造を開始したことに始まります。
ボンタイルは商品名でしたが、各社がその後同様の商品を開発していき、タイルという名前だけが残り、吹き付け工法のため吹き付けタイルという通称になったと言われています。
吹き付けタイルは複層仕上塗材と呼ばれるもので、塗料を下塗材、主材、上塗材と3回塗り重ねるものです。
同様の吹き付け工法である、リシンやスタッコは塗料の中に骨材やセメントを混ぜていくのに対し、吹き付けタイルは骨材は入れませんので表面の仕上がりはザラザラすることはなく、凹凸はあるものの滑らかな仕上がりとなります。
吹き付けた後に、ローラーで凹凸を潰す方法もあります。
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吹き付けタイル仕上げの耐久性
吹き付けタイルは、上に書いたように複層仕上塗材と呼ばれるように何層にも塗料を重ねます。
主材と呼ばれる顔料、短繊維、合成樹脂エマルション、添加剤などで構成された高粘度の塗材をガンで吹き付けて模様を付けた後に、最後上塗り用の塗料を塗っていきます。
耐久性は、この最後の上塗り塗料の耐久性によりますので一概には言えません。
耐久性の長いフッ素系の塗料を使えば15年以上に延びますし、仮にアクリル系の塗料を使えば早いと5年くらいとなってしまいます。
塗料の耐用年数についてはこちらをご覧ください。
吹き付けタイルの注意点
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吹き付けタイルの注意点は、その耐久性が一番最後に塗られた上塗り材の耐久性によってしまうという事です。
ご自宅の新築時に建売の場合はもちろんのこと、注文住宅で自分で外壁の仕様を決めた場合でも最後の上塗り材が、どのクラスの塗料を使われているかまで把握できている方はほとんどいらっしゃいません。
そうなるとおおよその耐久年数すらわからないという事になりますので、定期的なチェックが必要になります。
チェックと言っても大げさなものではありません。
クラック(亀裂)が多く入り出していないかは、他の吹き付け仕上げと共通して行う必要がありますが、それ以上に定期的なチョーキング現象が起きていないかのチェックが重要になってきます。
チョーキングと言って、指でさわると学校の黒板で使われていたチョークを触ったように塗料の粉が付く現象が、塗膜が剥がれていく証拠として表れます。
このチョーキングが現れた時が塗り替えのタイミングとなりますので、ある程度ルーチン化してしまう事をお勧め致します。
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まとめ
建売にしろ、注文住宅にしろ、最近はサイディングの外壁が圧倒的に主流となり、吹き付けタイルもめっきり少なくなってきました。
吹き付けタイルは、適切なタイミングでの上塗り材の塗り替えを行えば、その耐久性が復活します。
リシンやスタッコと呼ばれる他の吹き付け工法と比べて汚れが比較的つきにくいため、美観からくる塗り替えの合図がなかなか来ないので、上記のチョーキングのチェックをしていないとついつい塗り替えのベストタイミングを逃してしまうという事になりかねない仕上げです。
ご心配であれば一度、第三者によるチェックをしてもらうと安心できると思いますので、よろしければご相談ください。