積水ハウスの外壁塗装の費用はなぜ高い?30年無料は?保証は?どこに依頼するべきか詳しく解説
積水ハウスで家を建てた多くの方が、築10年前後の点検時に塗装を勧められます。
実際に積水ハウスからお見積りを出してもらうと、相場よりも価格が高いので、他社でも検討しようか悩む方も多いのではないでしょうか。
しかし、他社に塗装を依頼するとなると「今後の保証がどうなるのか心配」「しっかり施工してもらえるのか」など不安に感じる点もあると思います。
そこで今回は、積水ハウスと他社のどちらに頼むべきかという視点から、
- 積水ハウスと他社の価格や保証
- 積水ハウスの家の塗装を検討する注意点
- 自分で塗装業者を選ぶ際のポイント
これらのポイントを中心に解説していきたいと思います。
よく混同されてしまうのですが、異なるメーカーです。
実は元々同じ会社から派生したという経緯があるため似た名前なのですが、
積水ハウス:積水化学工業株式会社からハウス部門が独立した別会社
セキスイハイム:積水化学工業株式会社のブランドの一つ
という違いがあります。
ちなみに余談ですが「積水」というのは中国最古の兵法書「孫子」に由来しています。
積水ハウスの外壁塗装でご相談や業者の選定でお困りなら、外壁塗装パートナーズまでご相談ください。
既に見積もりを貰っている方こそ、お気軽にお問い合わせ下さい。
無料で積水ハウスの施工実績が豊富な塗装店をご紹介します。
積水ハウスの外壁塗装はなぜ高いの?
外壁塗装を検討する時に、まず思い浮かぶのは積水ハウスではないでしょうか。
家を建ててくれたメーカーなので、ごく自然な発想です。
もちろん、積水ハウスや積水ハウスリフォームに塗装を依頼することもできます。
ただ、どのサイトにも書かれていると思いますが、とにかく価格が高いです。
過去に積水ハウスで塗装の提案をもらった方からの相談も毎日のようにいただきますが、平均すると下記のような価格で提案が出ています。
積水ハウス | 外壁塗装パートナーズ塗装店 | |
---|---|---|
外壁のみ | 211万円 | 113万円 |
外壁・屋根塗装と ベランダ防水 |
420万円 | 176万円 |
では、なぜここまで大きな価格差があるのでしょうか。
これには大きく分けて3つの理由があります。
- 下請の塗装業者に工事を依頼するため中間マージンが上乗せされる
- 積水ハウスのオリジナル塗料が割高に設定されている
- 積水ハウスの保証を延長するための費用がかかってくる
積水ハウスからもらったお見積書を見てもこんなことは書いてありません。
書いてはいませんが、間違いなく料金を高くしている原因です。
さらに、実は価格が高いことが原因で施工に手を抜かれているとしたらどうでしょう。
まずは、価格が高い理由を見てから詳しく解説していきます。
積水ハウスの中間マージンが上乗せされる
これについては、少し調べればどこでも言われているのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
実際に工事で手を動かすのは塗装職人さんですが、もちろん積水ハウスも業者を手配する際には人件費や利益をとらないといけないという事情があります。
ただ、下請けに工事を依頼して中間マージンを取るのは建築業界全体に言えることですが、特に大手のハウスメーカーはブランド料として、高額な中間マージンを上乗せする傾向にあります。
下請けならまだマシな方で、孫請けに工事が任されるということも珍しくありません。
参考までに、リフォーム産業新聞の記事によると、積水ハウスリフォームの粗利益率(売上から原材料などの費用を引いた金額)が26%と公表されています。
※住宅リフォーム売上ランキング2017より | リフォーム産業新聞
※粗利益率(売上総利益)…売上高から売上原価を引いた利益のことです。
つまり外壁塗装で211万円の提案が出ていたとしたら、そのうちの54.9万円(26%)が積水ハウスリフォームが得る粗利益という事ですので、その他に積水ハウス側の人件費などが乗っていたら、それは高くなって当然です。
積水ハウスのオリジナル塗料が割高に設定されている
積水ハウスの外壁塗装といえば、フレアトーン(多彩色塗装)やグランスタイル(多色骨材塗装)といったオリジナル塗料が石材調でとても色鮮やかだと評判です。
これらのオリジナル塗料は、市場には出回っていないため、この塗料のために積水ハウスに塗装を依頼するという方もいらっしゃるようです。
積水ハウスとしては同じ塗料で提案を出せる会社が他にないので、自由に価格設定をすることができます。
また、注意していただきたいことは、フレアトーンHDという塗料は耐久性が高く、積水ハウスの説明では30年持つと言われていますが、現時点で30年持つ塗料は存在しないのです。
同じアクリルシリコン系樹脂を原材料とする塗料が耐久年数15年程度なので、これらのオリジナル塗料も同程度です。
「30年持つなら多少高くてもしょうがない」と工事してしまったら、後々のメンテナンス計画が崩れてしまう可能性がとても高いので注意が必要です。
ちなみに、実はどちらの塗料も、戸建て塗料シェアNo,1のエスケー化研株式会社が作っています。
オリジナル塗料に関しては下記の記事で掘り下げていますが、結論だけ伝えてしまうと、他の塗装店で、同じ色合いや同じ性能の塗料を選ぶこともできます。
>>積水ハウスのフレアトーンで安く外壁塗装する方法は?
積水ハウスの延長保証の費用がかかってくる
詳しいハウスメーカーの保証内容は別の項目で解説しますが、積水ハウスでは築30年より先は「定期点検の後に○○の有料補修工事をすれば、構造筐体・防水の保証を10年延長することができます」という案内をしています。
塗装店に工事を依頼する場合は、塗装工事に対して施工保証を出しています。対して、積水ハウスの場合は塗装工事の施工保証だけでなく、家の構造筐体・防水の保証まで延長してくれるというわけです。
ただ、よく考えてみると積水ハウスが塗装工事を有償で提案している時点で、塗装の経年劣化は保証の対象にはなりません。施工不良でもない限り、塗装は構造筐体・防水保証の対象外ということがわかります。
つまり、構造筐体・防水保証の延長をするために、関係ない有償の塗装工事をしているという構図になるので、塗装工事とは関係ない保証延長費用が上乗せされているということです。
積水ハウスで塗装をするメリット・デメリット
先ほど、費用が高いことが原因で施工に手を抜かれているかもしれないというお話をしましたが、こちらで詳しく解説します。
これまで積水ハウスに塗装を頼むと価格が高くなる理由を説明してきましたが、価格が高くなると積水ハウスの家に住んでいる方以外にも困る方が出てきます。
それは、下請けや孫請けで実際に工事をする塗装業者です。
ハウスメーカーに塗装を依頼する方からは、ハウスメーカーと一緒に高い利益を得ていると勘違いされてしまうのですが、下請けや孫請けは、指定された高額な塗料を仕入れつつ、かなりの薄利で工事を請けています。
ハウスメーカーから塗装を提案する場合、あまりにも法外な金額にしてしまうと他社に流れてしまいます。ただ、大手のハウスメーカーである以上、1件1件の工事からしっかりと利益は確保しないといけません。
そこで、より安く請けてくれる業者に工事を任せようと考えます。
塗装業者としても、大手の下請けともなれば、工事の数は十分あるので、多少安く工事を請けても、自分たちで個人宅に営業して塗装工事を受注できない業者からすれば、職人たちを暇にさせることがないのでメリットがあります。
しかし、スケジュールが工事で埋まっているのに利益がでない状況が続くと、何とか会社を潰さないよう、規定より塗料を薄めるということを起こしてしまいます。
そもそも塗料は薄めて使うものですが、規定よりも薄くした場合、
- 塗膜の劣化が早くなり想定していた年数もたない
- 塗料の伸びが良くなるので工事が早く終わるため人件費を抑えられる
- 使用している塗料が少なく済むので仕入れ値が安くなる
ということが起こります。
住んでいる人からすれば安心感があると思って高額な塗装費用を払ったにも拘わらず、こんなリスクがあるのはたまったものではないと思います。冷静に考えて、下請け構造が良くない、そんな塗装店は職業倫理がない、ハウスメーカーにしっかり監督させればいい、など色んな批判があるでしょう。
しかし、大きいハウスメーカーであるが故に、下請けとの上下関係があるが故に、変化を起こせない実態があります。ハウスメーカーからすれば、下請けの会社はいくらでもあるので、安く請けてくれる塗装会社に頼みたいと思うでしょうし、下請けという構造を続ける以上、根底から解決するのが難しい問題です。
積水ハウスで塗装するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
最終的に積水ハウスが責任を持ってくれる | とにかく費用が高くなる |
自分で塗装業者を選ぶ手間がない | 塗料の選択肢がない |
自社で建てた家なので構造をしっかり把握している | 塗装業者を自分で選べない |
積水ハウスの保証はどうなるの?
先ほど少し触れましたが、保証という点から、積水ハウスに依頼した場合と他の塗装店に依頼した場合で比較してみます。
まずは、積水ハウスの保証について解説します。
※建物の年代によって保証年数や内容が異なることがあります。
※1:初期30年保証を継続するためには、10年点検および20年点検を必ず受けてください。
・お引き渡し後の10年時・20年時には、カスタマーズセンターのテクニカルサポーター(住宅診断士)が住まいの点検(無償)や補修の提案を行います。
・10年・20年点検時に会社が必要と判断した補修工事(無償)を行うことが前提となります。
・天災・事故による損傷や当社以外の業者による増改築などにより、当社の設計基準に合致しない状態にある場合は、保証の適用除外となります。
※2:35年目以降の点検・補修はすべて有料・有償となり、お客さまのご依頼により実施します。
※3:30年目の点検を有償の「ユートラス点検」に置き換えることも可能です。
※4:長期優良住宅は認定申請時の維持保全計画書に基づいて30年目までの定期点検(無償)を行ってください。
積水ハウスの初期30年保証
基本的にどの工務店やハウスメーカーで家を建てても、住宅瑕疵担保履行法で10年間は「構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分」を保証をしなくてはいけません。
しかし、そこは流石の大手のハウスメーカー。積水ハウスは30年も無償保証してくれます。
更になんと、この30年の間は無償点検も付いてきます。
30年保証を受けるためには、引き渡し後10年、20年の無償点検を受ける必要がありますが、そこで30年保証を維持するために補修が必要と判断されたものは無償で補修をしてくれます。
積水ハウスのユートラスシステム(保証延長)
30年保証が終わった後も、積水ハウスでは有償点検と有償補修をすれば、永年保証をすることができます。
また、一度保証が途切れても、また有償点検と有償補修をすれば保証を再開できるという点も嬉しいポイントです。
他社で塗装した時の保証は?
ここまで紹介してきた、積水ハウスの保証を整理してみましょう。
【築30年未満の無償保証期間中】
・構造筐体・防水の保証30年
・保証のために必要な点検・補修は無料
・他社の増築などで設計基準に合致しない場合は保証が外れる
【築31年以降の有償保証期間中】
・有償点検を受けて必要があると判断された箇所を有償補修することで保証期間を10年延長
・有償点検を受けずに保証が途切れても点検を受ければ保証再開が可能
無償保証中は、保証に関する補修工事は無料で対応してくれます。
しかし、外壁塗装においては、積水ハウスは築30年以内の家に有償の塗装工事を提案しています。
つまり、外壁塗装は保証のために必要な工事ではなく、積水ハウス以外の塗装店で工事をしても保証が外れることはないということです。
塗装工事だけでなく、一緒に家の構造に関わるリフォームをまとめて任せたいという場合は、積水ハウスに依頼しないと保証が無くなってしまうので注意が必要です。
ちなみに、有償保証中も塗装工事は、他の塗装業者に依頼することが可能です。有償保証で延長されるのは、構造筐体・防水の保証なので外壁塗装は影響がないためです。
無償保証期間中の場合は、保証に必要な工事だと判断されたら積水ハウスが無償で工事をしてくれるので是非してもらいましょう。
自分で塗装会社を選ぶ注意点
ここまでの解説で、積水ハウスの塗装を価格や保証の面から見てきました。
「だったら、自分で塗装業者を探そう」と考えてみてくださった方は、もう少し待ってください。
他の塗装業者の中には良い会社もあれば、悪い会社もあります。
施工不良を起こさない、適切な価格で提案を出してくれる、しっかりと工事保険に入っている会社を選ばないといけません。
塗装業界のプロでもない限り、自分が選んだ会社がこれらの条件を満たしてくれるのか判断することはできません。
なので、全国で1,000社を超える塗装店と付き合いがある外壁塗装パートナーズから、これから自分で塗装業者を手配しようと考えている方に向けて、一番成功率が高いお見積りのポイントをお伝えします。
- 積水ハウスの家で施工実績がある業者を選ぶ
- 必ず複数の業者と相見積もりを取る
- ただし、あまりにも多くの業者を手配し過ぎない
当たり前のことばかりですが、どれかが出来ていないと結論が出せずに検討が頓挫してしまいます。
むやみに先延ばしにしてしまうと、せっかく高い費用をかけ建てた家の外観や防水機能が悪くなってしまい、結果的に家の寿命を縮めてしまうので、これら三点だけは忘れずに検討を進めてください。
それぞれのポイントについて説明します。
積水ハウスの家で施工実績がある業者を選ぶ
積水ハウスの場合は特に注意していただきたいポイントです。大手のハウスメーカーは独自の施工方法で家を建てているため、施工実績がない業者だと施工後にトラブルになることがあります。
例としては、外壁と外壁の間にある目地(ガスケット)部分です。
大手のハウスメーカーでは湿気による劣化を防いだり、地震の揺れによる家の破損を防ぐ目的で、乾式目地のガスケットを外壁と外壁の隙間に埋め込んでいます。
しかし、年数が経つとガスケットが痩せてしまったり、壁の間から剥がれてしまったりするため、外壁塗装と同じタイミングで、ガスケットを取り除いてコーキング(目地の防水工事)をするのが一般的です。
ただし、ガスケットの仕様を知らない業者が工事をすると、外壁を傷つけてしまったり、新しく埋め直したコーキングが壁に密着せずにしっかり機能しないということが起こりえます。
積水ハウスの家で施工実績がある業者にお見積りを出してもらいましょう。
必ず複数の業者と相見積もりを取る
外壁塗装は家の広さや塗料のグレードによって大きく価格が変わります。
1社だけですと、その比較検討ができませんし、まずはご自宅の場合はいくらが適正なのかということを把握するためにも、比較検討は必須です。
上手な検討をする上でコツがあります。
それは最初から各塗装会社に全く同じ塗料で提案を出すよう依頼をしない方がお得になる可能性が高いということです。(もちろん、フレアトーンやグランスタイルと同じ色合いにしたいなど要望は伝えて問題ありません)
なぜなら、各塗装会社が塗料を仕入れる際の商流が異なるので、仕入れが得意な(お得に提案が出せる)塗料も異なってくるからです。
大前提として、家の外壁に合う適切な塗料を選ぶ必要があるので、各社から得意な塗料の提案や説明を聞いた後、気に入った塗料でお見積りを揃えてもらうとスムーズです。
また、その他にも各塗装会社が信用ができるか、担当者との相性は問題ないか、工事はしっかりやってくれそうかなど、様々な要因で判断すべきものなので、面倒でも後悔が無いよう必ずしていただくことをお勧めします。
あまりにも多くの業者を手配しすぎない
この点を最初から理解できる方は、お見積り慣れしている上級者です。
このポイントの意図は、”外壁塗装は家の寿命を伸ばすために必ず必要なものなので、検討自体を取りやめないよう、欲張って対応できない程多くの会社からは話を聞かない”というものです。
上記の”必ず複数の業者から相見積もりを取る”の最後で「面倒でも後悔が無いよう」比較検討をしていただきたいと説明しましたが、あまりにも選択肢が多く面倒な状況になると心的飽和という考えることを放棄してしまう状態になり、検討自体を取りやめてしまう方がとても多いです。
冷静に考えれば、必ずしなければいけない塗装を先延ばしにすることは、家の寿命を縮めることだとわかりますが、心的飽和の状態では冷静な判断ができなくなってしまいます。
そのため、各社に現地を確認してもらって提案を聞いたり、見積もりを出し直してもらったり、等のやり取りの工数を考えるのであれば、大体3社で比較することをお勧めします。
弊社に相談をいただく方で、比較検討を成功させて実際に塗装をした方も、3社から提案を聞いている方の割合が圧倒的に高いです。
結論:積水ハウスの外壁塗装はどうすべき?
他社との比較検討をした上で最終決定することをお勧めします。
積水ハウスからお見積りを取ったとしても、これまで説明させていただいたように、価格の面でも保証の面でも積水ハウスで塗装をしないと損をするということはありません。
そして、比較した上で、安心できる業者が見つからず積水ハウスに最終決定するのであれば、それも一つの選択だと思います。
しかし、比較検討をしないで決めてしまうのは、塗装業界の人間として、下請け構造の不健全さや、単純に価格的な理由から残念に思います。
もし、比較検討をしてみたいということであれば、弊社でお手伝いできることがあります。
弊社では、自社で一貫して工事ができる塗装業者をご紹介しています。
積水ハウスの家に塗装経験がある会社のみ手配させていただくことも可能です。
審査基準をクリアした会社のみを手配させていただき、現地を見ていただいたり、お見積りを出していただくことができますので、是非お問い合わせください。
積水ハウスの住宅 外壁塗装のポイント
- 積水ハウスの塗装価格は相場の倍近く
- 基本的に積水ハウスの保証が無くなってしまうわけではない
-
積水ハウスでの有償の延長保証に入っている方で
塗装工事を積水ハウスに依頼しないと保証が無くなると言われている場合
保証の延長を希望するなら積水ハウスで塗装工事をするべき -
自分で塗装店を選ぶ場合は注意点あり
闇雲に探すよりプロに相談して手配してもらうのがベスト