屋根カバー工法(重ね葺き)の費用やメリット・デメリットは?
屋根のカバー工法の価格は、屋根の大きさや被せる屋根材によりますが、一般的に80万円から120万円ぐらいです。
カバー工法なら葺き替えよりも安く屋根を新品同様にすることができますが、カバー工法を採用できる場合とできない場合、そして積極的に採用した方が良い場合があります。
屋根の修繕を考えている場合は、屋根の上や屋根裏なども確認しないといけないため、専門業者に現地を確認してもらうのが一番早いのですが、カバー工法がそもそもどういう工事なのか、ご不安に感じている方もいらっしゃると思います。
そういう方に向けて、今回は価格だけでなくカバー工法のメリット・デメリットなど解説していきたいと思います。
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屋根カバー工法(重ね葺き)とは?
屋根カバー工法は、現在の屋根の上に、そのまま防水シートと金属屋根を被せる工事方法です。
一般的にはスレート屋根の上に金属屋根を被せることが多いです。
古くて傷んでいる屋根をはがして処分する工程と費用がかからないため、葺き替えよりも安く済ませることができます。
そのため、最近は葺き替えではなく、カバー工法を採用するお客様と業者が多くなっています。
屋根カバー工法(重ね葺き)ができない屋根は?
瓦屋根
瓦は、波だって起伏が出来ている状態のため、その上に平らに被せることが出来ません。
金属屋根(トタン屋根)
物理的には可能ですが、滅多にカバー工法は採用されません。
理由としては、現在主流の金属屋根の素材(ガルバリウム鋼板)に比べてトタンは耐久性が低いため、すでに腐食しているケースが多いからです。
その場合、下地材の野地板まで腐食している可能性が高く、カバー工法では長期的な耐久性を担保することができないため、葺き替えが採用されます。
下地材まで腐食しているスレート屋根
スレート屋根の上に金属屋根を被せるカバー工法は一般的なものです。
しかし、上記の金属屋根(トタン)と同じく、既に劣化が相当進み下地材まで影響が出てしまっている場合や既に雨漏りしている場合は、葺き替えが採用されます。
下地材まで腐食しているようなスレート屋根の場合は、屋根上に登ってみる、ふかふかとしており平の状態ではないことがあり、目安の一つとなっています。
もちろんそのような場合は、葺き替え工事が推奨されます。またその際は、野地板も交換が必要になるケースが多いです。
※野地板とは屋根材を乗せる下地の板のことです。屋根材→防水シート→野地板の構造で屋根は出来ています。
屋根カバー工法をするタイミングやサインとは?
ひび割れが全体的に起きている
屋根の劣化が部分的ではなく、全体に広がっており、塗装をしても修繕が出来ない状態になっている場合、塗装をしても意味がありません。
塗装でほんの一時的に屋根へのダメージを防げたとしても、結局屋根の工事をしなければならなくなり、費用がかさんでしまいます。
築20年以上で過去に塗装を既に2度行っている
一般的に塗装は10年から15年に1度の頻度で行います。そして塗装には、屋根材の劣化を遅くしてくれる機能があります。
しかし、既に2回以上塗装を行っている場合は屋根材本体が寿命を迎えるケースもあるため、屋根材の劣化が酷くなって葺き替えるしかなくなってしまう前に、カバー工法を検討することをお勧めします。
屋根カバー工法の工事費用の内訳は?
一般住宅においての、カバー工法の工事は、足場込みで100-140万円位が相場価格となっています。
しかし「屋根の大きさ」「屋根面の数」「屋根の形状」「新しい屋根材の種類」によって金額は当然変わってきます。
屋根の大きさや、屋根面の数で工事の大変さが変わるのは想像がつくと思いますが、実は屋根形状でも大きく変わってきます。それは、新しい金属屋根を被せる時に、今の屋根の形に合わせて板金を加工しないといけないからです。
金属は納品時に長方形ですので、片流れ屋根や切妻屋根など四角形の面しかない屋根の場合は比較的安価に行うことが可能です。
しかし寄棟屋根などの、三角形や平行四辺形、台形などの面がある屋根の場合は、都度屋根の形に合わせて金属を手作業で加工していく必要があります。
これが大変な作業になっており、職人の数や工事日数が変わってくるため、金額が高くなる要因となりえます。
屋根カバー工法のメリット
カバー工法のメリットは3つあります。
・葺き替えよりも、安価でできる
・工事日数が短くできる
・断熱効果が上がる
それぞれ解説していきます。
葺き替えよりも、安価でできる
現在の屋根の撤去費用と処分費用がない分、工事安く済みます。
さらには2004年以前に建てられた住宅ですと、アスベスト(石綿)を含有している屋根材が多く、その処分費用は通常よりもさらに高くなります。
この場合は強くカバー工法をお勧めします。
工事日数が短くできる
屋根葺き替え工事よりも、カバー工法工事の方がおよそ2日間くらいは短くなります。
屋根工事は屋内には入りませんので、工事期間中に常に在宅していないといけないわけではないですが、足場も設置されていますし、屋内にも工事の音がかなり響くので負担にはなります。
極力、工事期間は短いに越したことはありません。
断熱効果が上がる
副次的な効果ですが、屋根がもう一つ被さる形になるわけなので、そのまま多重構造になります。さらに、最近の金属屋根は、裏に断熱材が付いている物が多いです。これは、断熱効果のほかに、雨音の防音効果もあります。
屋根カバー工法のデメリット
カバー工法のメリットは3つあります。
・屋根が重くなる
・下地材はそのまま
・職人の腕によるバラつき
屋根が重くなる
今の屋根に、追加して屋根を被せるわけなのでその分重量が重くなり、屋根が重くなれば耐震性能は下がります。
しかし、一戸建ての金属屋根の場合、被せる屋根は平均600kg程度とそもそも軽量のため、影響はかなり小さいです。
ちなみに600kgと言われてもピンとこない方のために追記しておきますと、瓦屋根の場合平均重量は約6,000kgです。
下地材はそのままになる
既存の屋根はもちろん、その下の下地材(野地板)も交換するわけではありません。
もし、カバー工法を行う前に下地材まで実は腐食・劣化している場合には、次回の屋根葺替えの際は、大掛かりな工事になります。
下地材まで劣化しているかどうか、事前に専門業者にしっかり見てもらいましょう。
職人の腕によるバラつきがある
金属屋根を葺く際の工事の難所は、板金の加工です。ここに職人さんの経験が現れます。
スレート屋根や瓦屋根と決定的に違うのは、屋根上で職人の手作業による加工が必要であるという点です。
当然職人の経験、技術がそのまま現れてきますので、経験が浅く、技術の低い職人に依頼してしまった場合は、その後のトラブル発生リスクが高くなってしまします。
屋根のカバー工法の耐用年数は?
約25年です。屋根材メーカーの保証期間と一緒と考えていいでしょう。
近年は、錆びづらい金属屋根が出てきており30年、40年という商品もあります。
しかし、どちらにしろ定期的な塗装によるメンテナンスを怠らないことが必須です。
屋根カバー工法と葺き替え工事を判断するコツ
既に下地材まで、腐食していて劣化が酷いという場合を除いて、最近のスレート屋根の屋根工事は、基本的にはカバー工法で十分というのが結論です。
ただ、その判断を見誤ってしまうと、結局、後々になって追加で工事のし直しをしなければならないことになりかねません。
カバー工法でも、葺き替え工事でもなく、塗装で十分という場合もあります。
どの工事方法で行うべきかの事前の判断をしてもらうために、しっかりとした現地調査を行う必要があります。
どの専門業者に頼むのが良いのか自分で判断するのは難しい
カバー工法を行う上で費用は重視すべきポイントですが、見落とされがちな面はお願いする業者の腕前です。
工事をしたのに施工不良やミスで雨漏りや不具合が発生してしまっては工事した意味がありません。
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