外壁塗装に使うラジカル塗料の性能はどれくらい?
ラジカル塗料とは?
ラジカル塗料は、シリコン樹脂塗料よりも耐候性に優れていると、近年注目を浴びています。
元々、ラジカルとは塗膜が劣化する原因です。
その「ラジカル」成分を制御する技術が搭載されている塗料が、ラジカル塗料になります。
ちなみに、ラジカル塗料の樹脂(塗料の性能を左右する主成分)はアクリルやシリコン等を使っています。
こちらはメーカーによっても性能が違いますので、必ず確認するようにしてください。
今回は、ラジカル塗料を使用するメリット・デメリットなどをご紹介いたします。
ラジカル塗料のメリット・デメリットとは?
メリット
シリコン樹脂塗料よりも高い耐候性を持つ
先ほどもご説明しましたが、ラジカル塗料の最大の魅力は耐候性(変色や劣化に耐えうる性質)です。
そのため、シリコン樹脂塗料よりも耐用年数が長い塗料です。
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
無機塗料 | 15年~ | いわゆる自然界にあるものを使った塗料で、高性能塗料のため高価。 かなり耐久性に優れていて、耐用年数も一番長い。 自然に優しい塗料として注目を浴びている。 |
フッ素樹脂塗料 | 15~20年 | 無機塗料の次に性能も価格も高い塗料。 耐候性、親水性、防カビ等にも優れているため、大型建築物(スカイツリー等)に使用されている。 |
シリコン樹脂塗料 | 10~15年 | 現在主流となっている塗料。 総合的に見て、一番性能も価格もバランスがいい塗料として人気。 |
ラジカル塗料 | 10~15年 | シリコン樹脂塗料よりも性能がいいと注目されている新しい塗料。 以前から塗膜劣化の大きな原因だったラジカルを制御し、さらに耐久性が強くなった塗料。 |
ウレタン樹脂塗料 | 8~12年 | ひと昔前に流行った塗料。 ひび割れに強く、シリコン樹脂塗料よりも安価。 しかし、耐久性はシリコン樹脂塗料に劣る。 |
アクリル樹脂塗料 | 5~7年 | 他の塗料と比べて耐久性が劣るため、現在は滅多に使用されない塗料。 ただ、安価で色も豊富のため、何回も塗り替える予定がある人向け。 |
デメリット
扱う塗装業者が少ない
ラジカル塗料は、各メーカーが発売開始してから10年も満たないまだまだ認知度が低い塗料です。
ですので、塗れる塗装業者が少ないのも現状です。
また、扱っていたとしてもラジカル塗料での実績がない塗装業者では、ラジカル塗料本来の性能を引き出すことは難しいかと思います。
ラジカル塗料を選ぶときは、必ず実績のある塗装業者を選ぶようにしてください。
ラジカルは塗膜劣化の大きな原因
先ほどもご説明したように、ラジカル塗料は、塗膜が劣化する原因であるラジカルを制御できる塗料です。
少し化学の話になりますが、塗料は顔料(色の元)、添加剤(防カビ等)、溶剤(シンナー、水等)といろいろと混ざっています。
その中の顔料(色の元)に含まれる酸化チタンという成分が紫外線にあたると、ラジカルを発生してしまいます。
そして、そのラジカルが塗料の樹脂(シリコンとか塗料の性能を左右する成分)を破壊してしまうため、塗膜が劣化します。
しかし、ラジカルによる劣化の原因を、克服したのがラジカル塗料です。
各メーカーでは、ラジカル制御型塗料等呼ばれたりします。
ラジカルを制御する技術はメーカーによって異なりますが、大きな特徴として、以下の3つがあります。
- 耐候性が高い(紫外線等による劣化、変色に耐えうる能力が高い)
- 防藻・防かび(藻やカビの発生を抑える)
- さまざまな下地(外壁の仕上げ材)に塗れる
特に様々な外壁の仕上げ材に塗れるのは、かなり大きい特徴です。
塗料はどんな仕上げ材にも塗れるわけではないので、その点ラジカルはオールマイティーな塗料と言えます。